脅迫で逮捕されたら?逮捕後の流れと人生への影響を弁護士が解説
最終更新日: 2026年04月21日

カッとなってSNSで暴言を吐いてしまった、相手を怖がらせるようなメールを送ってしまった。
こうした些細なトラブルから「脅迫罪」に問われ、逮捕されるケースは少なくありません。
もし自分や身近な人が脅迫の容疑をかけられたら、今後どのような事態が待ち受けているのでしょうか。
本記事では、脅迫罪の定義から逮捕後の流れ、人生に与えるリスク、そして早期解決のために弁護士ができることについて詳しく解説します。
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そもそも脅迫罪とは?成立する要件を解説
脅迫罪は、刑法第222条に規定されている犯罪です。何をもって「脅迫」とみなされるのか、その定義を確認しましょう。
脅迫罪の定義と罰則
脅迫罪とは、本人またはその親族の「生命、身体、自由、名誉、または財産」に対して害を加えることを告知(害悪の告知)することによって成立する罪です。
罰則は「2年以下の懲役または30万円以下の罰金」と定められています。
どのような行為が「害悪の告知」にあたるのか
「殺すぞ」「殴るぞ」といった身体への危害だけでなく、「お前の不倫をバラすぞ(名誉への侵害)」「家を燃やすぞ(財産への侵害)」「帰さないぞ(自由への侵害)」といった内容も害悪の告知に含まれます。
重要なのは、相手が実際に恐怖を感じたかどうかではなく、一般人が恐怖を感じるに足りる内容であれば成立するという点です。
SNSやメールでの脅迫も罪になる?
現代で特に多いのが、X(旧Twitter)やLINE、掲示板などでの書き込みです。
対面でなくても、ネット上のメッセージを通じて害悪の告知を行えば、当然ながら脅迫罪が成立します。
デジタルデータは証拠として残りやすいため、警察の捜査で犯人が特定される可能性が非常に高いのが特徴です。
脅迫罪と恐喝罪・強要罪との違い
よく混同されるのが「恐喝罪」と「強要罪」です。
- 恐喝罪:脅してお金や財産を奪うこと。
- 強要罪:脅して、義務のないことを無理やりさせること(土下座をさせるなど)。
脅迫罪は「相手を怖がらせる言葉を投げかけること」自体を罰するのに対し、その先の目的(金銭や行動)がある場合は、より重い罪に問われることになります。
脅迫で逮捕される可能性は?逮捕の条件と確率
「言葉だけで本当に逮捕されるのか?」と疑問に思う方もいるかもしれませんが、脅迫罪での逮捕は決して珍しくありません。
脅迫罪の逮捕率
検察統計によると、脅迫罪の逮捕率は例年40%〜50%前後で推移しています。
これは他の犯罪と比較しても決して低い数字ではありません。
特に被害者が強い恐怖を感じて被害届を出した場合、警察は迅速に動く傾向にあります。
現行犯逮捕と後日逮捕(通常逮捕)
脅迫の現場に警察官がいれば現行犯逮捕されますが、多くは被害届を受理した警察が捜査を行い、裁判所の令状を得て自宅などにやってくる「後日逮捕(通常逮捕)」です。
SNSの投稿内容や通話記録から証拠が固まると、ある日突然逮捕されることになります。
実際に逮捕されやすいケースとは
- 執拗に何度も脅迫を繰り返している
- 凶器(包丁など)をチラつかせている
- 被害者の自宅や職場を把握しており、接触の危険がある
- 証拠隠滅(投稿の削除や口封じ)の恐れがある
- 住所不定などで逃亡の恐れがある
このような状況では、逮捕の必要性が高いと判断されやすくなります。
脅迫で逮捕された後の流れ【72時間が重要】
逮捕されると、身柄を拘束され自由が奪われます。
ここからの72時間が、その後の人生を左右する極めて重要な期間となります。
逮捕~送検(48時間以内)
警察に逮捕されると、警察署の留置場に収容されます。
警察は48時間以内に、事件を検察官に引き継ぐ「送致(送検)」の手続きを行います。
この間、家族であっても面会は一切認められず、唯一会えるのは弁護士(当番弁護士や私選弁護士)のみです。
勾留決定(さらに24時間以内)
検察官は、送致から24時間以内に、引き続き身柄を拘束する必要があるかどうかを判断し、裁判所に「勾留(こうりゅう)」を請求します。
裁判官がこれを認めると、さらに長い期間の拘束が決定します。
勾留期間(最大20日間)
勾留が決定すると、まずは10日間、延長されればさらに10日間、合計で最大20日間の身柄拘束が続きます。
この期間中に警察・検察による本格的な取り調べが行われます。
起訴・不起訴の決定
勾留期間が終了するまでに、検察官が「起訴(裁判にかける)」か「不起訴(釈放して終わらせる)」かを判断します。
日本における刑事裁判の有罪率は99.9%と言われており、起訴されればほぼ間違いなく前科がつきます。
逆に「不起訴」を獲得できれば、その時点で釈放され、前科もつきません。
脅迫による逮捕が人生に与える5つの影響
逮捕されることのデメリットは、単に自由を奪われるだけではありません。
前科がつくリスク
罰金刑であっても「前科」となります。
前科がつくと、一部の職業(公務員や士業など)への就職に制限がかかるほか、海外渡航(ビザの取得)で不利になる可能性があります。
会社や学校に知られ、解雇・退学になる可能性
長期間欠勤・欠席が続けば、会社や学校に逮捕の事実が知られるリスクが高まります。
就業規則に「刑事罰を受けた場合の懲戒解雇」などの規定がある場合、職を失う恐れもあります。
家族との関係が悪化する
逮捕によって家宅捜索(自宅の家捜し)が入れば、家族に大きな精神的ショックを与えます。
また、一家の大黒柱が不在になることで経済的な困窮を招くこともあります。
実名報道されるリスク
社会的影響が大きい事件や、悪質なケースでは実名で報道されることがあります。
ネットニュースとして残ると「デジタルタトゥー」となり、将来にわたって検索結果に名前が表示され続けるリスクがあります。
慰謝料など民事上の責任を負う可能性
刑事罰とは別に、被害者から精神的苦痛に対する慰謝料を請求される(民事訴訟)可能性があります。
脅迫で逮捕を回避・早期釈放を目指すためにできること
もし逮捕されてしまった、あるいは逮捕されそうで不安な場合、以下の対策を講じる必要があります。
被害者との示談を成立させる
最も重要なのが被害者との「示談」です。
被害者に謝罪し、示談金を支払うことで、被害届の取り下げや「処罰を望まない」という意思表示を得られれば、不起訴処分になる可能性が飛躍的に高まります。
示談金の相場は?
脅迫事件の示談金は、10万円〜50万円程度が相場と言われていますが、脅迫の内容や被害者の恐怖心の度合いによって変動します。
誠心誠意謝罪し、発言を撤回する
まだ事件化していない段階であれば、速やかに謝罪し、不適切な発言を撤回することが重要です。
誠意を見せることで、被害者が警察への相談を見送ってくれる可能性があります。
場合によっては自首を検討する
警察が犯人を特定する前に自ら警察署へ出向いて罪を認める「自首」を行うと、刑が減免されたり、逃亡の恐れがないと判断されて逮捕を避けられたりするメリットがあります。
ただし、タイミングが重要ですので、事前に弁護士に相談することをお勧めします。
脅迫事件を弁護士に相談する4つのメリット
脅迫事件の解決には、専門家である弁護士の介入が不可欠です。
逮捕・勾留の回避や早期釈放が期待できる
弁護士は、証拠隠滅や逃亡の恐れがないことを裁判官や検察官に主張し、身柄拘束を解くよう働きかけます。
早期に釈放されれば、会社や学校への影響を最小限に抑えられます。
被害者との示談交渉をスムーズに進められる
脅迫事件では、被害者が加害者に対して強い恐怖や怒りを感じているため、直接の交渉はほぼ不可能です。
弁護士が間に入ることで、冷静に交渉を進め、合意を得やすくなります。
不起訴処分の獲得による前科回避を目指せる
早期に示談を成立させ、反省の態度を検察官に示すことで、不起訴処分を勝ち取れる可能性が高まります。
前科をつけないためには、これが最も確実な道です。
取り調べへの対応をアドバイスしてもらえる
警察の取り調べでは、不利な供述を引き出されそうになることもあります。
どのような姿勢で臨むべきか、何を話すべきかのアドバイスを受けることで、不当な不利益を防げます。
まとめ
脅迫は「言葉だけ」と思われがちですが、立派な犯罪であり、逮捕されると人生に甚大な影響を及ぼします。
しかし、逮捕直後から迅速に弁護士が動くことで、早期釈放や不起訴処分を勝ち取れる可能性は十分にあります。
もし、あなた自身や大切な人が脅迫の問題で悩んでいるのであれば、手遅れになる前に、まずは一度弁護士にご相談ください。
早期の対応が、最善の結果への第一歩となります。
※内容によってはご相談をお受けできない場合がありますので、ご了承ください。
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