脅迫罪でも示談はできるのか!?専門弁護士による徹底解説!!

最終更新日: 2023年07月08日

脅迫罪でも示談はできるのか!?専門弁護士による徹底解説!!

  • 脅迫で示談を求めるときに知っておくべきこととは?
  • 脅迫で逮捕されても示談は可能なのか?
  • 脅迫をした場合の示談は弁護士に相談するのが望ましいといえるのか?

脅迫事件を犯し逮捕された場合、被疑者は何とか被害者に謝罪の気持ちを伝え、示談をしたいと願うものです。被疑者の家族も同じ思いのはずです。

特に示談交渉となると被害者には被疑者に対する畏怖心があるため、自分たちで進めることは非常に困難です。

しかし、法律のプロである弁護士であれば、過去の活動・実績と経験を踏まえ、被害者と冷静に対応して、示談成立に導いてくれることが期待できます。

そこで今回は、刑事事件に精通している専門の弁護士が、脅迫で示談を求めるときに知っておくべきこと・脅迫で逮捕されても示談が可能なこと・脅迫をした場合の示談は弁護士に相談するのが望ましいことなどについて解説します。

本記事のポイントは以下です。お悩みの方は詳細を弁護士と無料相談することが可能です。

  • 脅迫罪を示談で解決することは可能
  • 脅迫の示談そのものが脅迫になる可能性もあるので注意が必要
  • まずは脅迫罪での対応実績が豊富な弁護士に相談することが大切

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この記事を監修したのは

代表弁護士 春田 藤麿
代表弁護士春田 藤麿
第一東京弁護士会 所属
経歴
慶應義塾大学法学部卒業
慶應義塾大学法科大学院卒業
都内総合法律事務所勤務
春田法律事務所開設

詳しくはこちら

脅迫で示談を求めるときに知っておきたいこと

脅迫で示談を求めるときに知っておきたいことについて3つ解説します。

  • そもそも脅迫とは?
  • 適用される刑罰
  • 恐喝との違いは?

1つずつ解説します。

そもそも脅迫とは?

まずは、脅迫の概念について解説します。

脅迫とは、刑法222条によると、相手方又はその親族の生命・身体・自由・名誉・財産に対して害悪を加える旨を告知することです。

不快感・困惑・気味悪さ・威圧感・漠然とした不安を感じさせる程度のものではなく、相手方を畏怖させるに足りる害悪の告知がされれば、実際には相手方が畏怖しなかったとしても、脅迫罪は成立します。

出典:刑法|e-GOV法令検索|法務省

適用される刑罰

次に、適用される刑罰についてです。

刑法222条は、「生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して人を脅迫した者は、2年以下の懲役又は30万円以下の罰金に処する」(1項)、「親族の生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して人を脅迫した者も、前項と同様とする」(2項)と規定しています。

脅迫罪を犯した者は、2年以下の懲役又は30万円以下の罰金に処せられます。

なお、脅迫罪の未遂は処罰されません。したがって、加害告知の手段をとったものの、相手方がその告知内容を知るに至らなかった場合は、脅迫罪では処罰されません。

出典:刑法|e-GOV法令検索|法務省

恐喝との違いは?

もう1つ、恐喝との違いについて解説します。

恐喝罪は、刑法249条に規定されています。恐喝罪の成立要件は、人を恐喝して財物を交付させ(1項)、財産上不法の利益を得又は他人にこれを得させる(2項)ことです(刑法249条)。

脅迫罪と恐喝罪の主な違いは、以下のようになります。

  1. 脅迫罪では加害の対象が相手方又はその親族の生命・身体・自由・名誉・財産に限定されているのに対し、恐喝罪では加害の対象が相手方又はその親族の生命・身体・自由・名誉・財産に限定されていない
  2. 脅迫罪では犯罪の客体が人であるのに対し、恐喝罪では犯罪の客体が他人の財物又は財産上の利益である
  3. 脅迫罪では行為が人を脅迫することであるのに対し、恐喝罪では行為が人を恐喝して財物を交付させ、財産上不法の利益を得又は他人にこれを得させることである
  4. 脅迫罪の公訴時効が3年であるのに対し、恐喝罪の公訴時効が7年である
  5. 脅迫罪には懲役刑と罰金刑があるのに対し、恐喝罪では懲役刑のみである
  6. 脅迫罪には未遂規定がないのに対し、恐喝罪では未遂規定がある

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脅迫の示談そのものが「脅迫」になるのか?

脅迫の示談そのものが「脅迫」になるのでしょうか。示談交渉のときに、被害者やその家族の生命・身体・自由・名誉・財産に対して害悪を加える旨を告知したとすれば、脅迫罪に該当します(刑法222条)。社会通念上害悪の告知と評価されれば、脅迫罪になるのです。

弁護士が被害者との示談交渉に当たれば、被害者やその家族に対し脅迫をなすことは考えられません。しかし、被疑者の家族ともなれば、被疑者の早期釈放を願うあまり、示談交渉に難色を示す被害者やその家族に強い言葉を発し、示談を強引に成立させようとしないとも限りません。

被疑者の家族が示談交渉に当たる場合には、示談の相手によっては、「脅迫まがいの発言をされた」ととえられる可能性もあるため、慎重に行う必要があります。

被疑者が在宅の場合には、被疑者が示談交渉に直接当たることも考えられますが、被害者が示談に応じてくれる可能性は低いでしょう。

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脅迫で逮捕されても示談は可能

脅迫で逮捕されても示談は可能なのでしょうか。もちろん被疑者が逮捕されても、示談は可能です。ただし、多くの場合、被疑者の家族からの示談交渉に被害者が応じないため、被害者との示談交渉は法律のプロである弁護士が当たることになります。

弁護士という第三者の専門家が間に入ることで、示談交渉がスムーズに進む可能性が高まります。被害者と示談が成立すれば、被疑者の早期釈放が実現する可能性もあります。

脅迫で示談交渉するときの示談金の相場

脅迫で示談交渉するときの示談金の相場はどのくらいなのでしょうか。

被害者の畏怖の程度は、害悪告知の内容の他、告知の日時・場所・方法、相手の年齢・体格・経歴・職業等、告知者と相手との関係、告知時のその場の状況、告知に至った経緯、社会的情勢等の具体的事情によって異なります。

したがって、同じ脅迫罪であっても、畏怖の程度・精神的打撃の大きさなどの被害の深刻さは、脅迫を受けた被害者ごとに異なってきますので、脅迫罪における示談金の相場はいくらくらいと一律に決められない側面があります。

そこで、一般的・平均的な事案を想定せざるを得ないため、それを前提とした場合、脅迫事件の示談金は、相場として10万円~30万円が妥当とされています。

そして、基本的には一括請求されることになるでしょう。

脅迫をした場合の示談は弁護士に相談することがおすすめ!

脅迫をした場合の示談は弁護士に相談することについて3つ解説します。

  • 適正な示談金を判断してくれる
  • 代理人として示談交渉してくれる
  • 逮捕されても面会が可能

1つずつ解説します。

適正な示談金を判断してくれる

1つ目は、適正な示談金を判断してくれることについてです。

脅迫事件の場合、さまざまな被害者がいますので、示談交渉となると相手ごとに異なる対応を迫られ、かなり高度な交渉ごとになる可能性があります。被害者といかに向き合うかは、過去に同種事例を経験した実績のある弁護士にその対応を委ねることが望ましいといえます。

弁護士であれば、被害者と示談交渉を行うとき、被害者から請求されている示談金が適正なのかを過去の事例などから判断できます

代理人として示談交渉してくれる

2つ目は、代理人として示談交渉してくれることについてです。

脅迫事件の場合、被疑者の家族が被害者と示談について直接交渉をもつことは避けなければなりません。

そのため被害者との折衝、示談交渉などは、法律のプロである弁護士に委ねるのが望ましいことになります。その場合弁護士は、被疑者の代理人として被害者と示談交渉をしますが、被害者も、弁護士が第三者的立場であるため、安心して話をしてくれることが期待できます。

逮捕されても面会が可能

3つ目は、逮捕されても面会が可能なことについてです。

被疑者が逮捕された場合、逮捕後の最大72時間は家族でも被疑者と面会できません。

しかし、弁護士は、被疑者が逮捕された場合でも、自由に接見(面会)することが可能です。弁護士は、被疑者と相談することができる他、家族の状況を伝えたり、被疑者から家族への伝言を仲介したり、さらに着替え・書籍・現金を差し入れたりすることができます。

そして、弁護士の初動が早いと、被害者との折衝が早期に可能になり、示談交渉によって解決も早まる可能性が高くなります。さらに、24時間いつでも受け付けて動いてくれる弁護士もいますので、そのような弁護士であれば、被疑者と家族との架け橋となって、被疑者やその家族をフォローしてもらえることも可能です。

まとめ

今回は、刑事事件に精通している専門の弁護士が、脅迫で示談を求めるときに知っておくべきこと・脅迫で逮捕されても示談が可能なこと・脅迫をした場合の示談は弁護士に相談するのが望ましいことなどについて解説しました。

脅迫事件では、被害者との示談成立が、被疑者の早期釈放につながります。その場合には、示談金が適正であることも重要になってきます。

被疑者の家族が被害者との示談交渉に当たることは、一般的に望ましいことではありませんので、どうしても法律のプロである弁護士の力を借りなければなりません。

弁護士であれば、被害者から請求されている示談金が適正なのか、過去の実績と経験を踏まえて判断できます。

脅迫事件を起こして逮捕された被疑者はもちろん、その家族の方も、被害者との示談を望まれるのであれば、ぜひ一度専門の弁護士にご相談ください。

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