不同意わいせつで逮捕されたら?会社に知られず不起訴を目指す方法

最終更新日: 2026年04月13日

強制わいせつで逮捕されるのか?状況・リスク・すべきことを徹底解説!

2023年の刑法改正により「不同意わいせつ罪」が新設され、従来の強制わいせつ罪よりも処罰の範囲が広がりました。

もし、あなたやご家族が不同意わいせつの容疑で逮捕されてしまったら、真っ先に懸念されるのは「長期の身柄拘束」と「会社への発覚」ではないでしょうか。

本記事では、不同意わいせつ罪の定義から、逮捕後の具体的な流れ、そして会社に知られずに事件を解決するためのポイントを徹底解説します。

この記事を監修したのは

代表弁護士 春田 藤麿
代表弁護士 春田 藤麿
第一東京弁護士会 所属
経歴
慶應義塾大学法学部卒業
慶應義塾大学法科大学院卒業
都内法律事務所勤務
当事務所開設
資格
宅地建物取引士
情報処理安全確保支援士

「家族が逮捕された」「示談したい」など、300件以上の刑事事件のご相談に対応してきました。(※2026年3月時点)これまでの実務経験をもとに、法律のポイントを分かりやすく解説しています。

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目次

不同意わいせつ罪とは?逮捕される可能性のある行為

2023年の法改正で新設された「不同意わいせつ罪」

2023年(令和5年)の刑法改正により、従来の「強制わいせつ罪」と「準強制わいせつ罪」が統合され、新たに「不同意わいせつ罪」が新設されました。

この法改正の最大のポイントは、被害者が「同意しない意思を形成、表明、または全うすることが困難な状態」に乗じてわいせつな行為をした場合、暴行や脅迫がなくても犯罪が成立することが明確化された点です。

アルコールや薬物の影響、恐怖によるフリーズ状態、地位に基づく影響力なども対象となり、処罰の範囲が実質的に広がりました。

逮捕につながる具体的な行為の例

不同意わいせつ罪で逮捕される可能性のある行為には、多様なケースが含まれます。

例えば、満員電車内での痴漢行為、路上での胸や臀部への突然のタッチ、飲み会で泥酔して抵抗できない状態の相手に対するわいせつな行為などが挙げられます。

また、職場の地位を利用して断れない状況を作り出し、無理やりキスをしたり身体を触ったりする行為も、同意がないと判断されれば不同意わいせつ罪として逮捕・立件される対象となります。

16歳未満が相手の場合は同意があっても犯罪になる可能性

今回の法改正により、性行為の同意能力があるとみなされる「性交同意年齢」が、従来の13歳から16歳に引き上げられました。

したがって、相手が16歳未満の場合、たとえ相手の同意があったとしても、原則として不同意わいせつ罪が成立します(ただし、加害者が5歳以上年上の場合に限るなどの例外規定はあります)。

未成年者とのトラブルは警察も厳格に対処するため、逮捕されるリスクが極めて高くなります。

不同意わいせつで逮捕された後の流れ【時間との勝負】

逮捕から勾留決定までの72時間

不同意わいせつ事件で逮捕されると、まずは警察署の留置場に身柄を拘束されます。

警察は逮捕から48時間以内に、事件の記録と被疑者を検察官に送ります(送検)。

その後、検察官は24時間以内に被疑者をさらに拘束し続ける「勾留」を裁判所に請求するかどうかを判断します。

この最初の72時間は、家族であっても面会ができず、被疑者と会えるのは弁護士(当番弁護士や私選弁護人)のみとなります。

検察官による勾留請求と裁判所の判断

検察官が「逃亡の恐れがある」「証拠隠滅の恐れがある」と判断した場合、裁判所に勾留を請求します。

裁判官が被疑者と面接(勾留質問)を行い、勾留の要件を満たしていると判断すれば、勾留決定が下されます。

不同意わいせつ事件は被害者の供述が重要な証拠となるため、被害者への接触(証拠隠滅)を疑われやすく、勾留が認められやすい傾向にあります。

起訴・不起訴の決定(最長23日間の身体拘束)

勾留が決定すると、原則として10日間、延長されればさらに最大10日間(逮捕期間と合わせて最長23日間)、警察署での身体拘束が続きます。

この期間中に、警察と検察による本格的な取り調べが行われ、検察官は最終的に刑事裁判にかける(起訴)か、裁判にかけない(不起訴)かを決定します。

不起訴になれば、その時点で釈放され、前科もつきません。

起訴された場合は刑事裁判へ

検察官によって起訴(公判請求)されると、被疑者は「被告人」となり、刑事裁判を受けることになります。

起訴後は保釈を請求することができますが、保釈金が必要となり、裁判所の許可が下りるまでは引き続き拘置所などで身柄を拘束されます。

不同意わいせつ罪の法定刑は「6ヶ月以上10年以下の拘禁刑」と重く、有罪になれば実刑判決を受けるリスクも十分にあります。

不同意わいせつが会社に知られる3つのケースと対策

ケース1:逮捕・勾留による長期欠勤

逮捕・勾留されると、最大23日間も身体を拘束されるため、当然ながら会社に出勤できなくなります。

無断欠勤が数日続けば、会社は不審に思い、家族に連絡を入れるでしょう。

家族が逮捕の事実を隠そうとして「病気」や「急用」などとごまかしても、長期欠勤となれば診断書の提出を求められるなど、最終的に嘘が発覚し、逮捕の事実が知られるケースが非常に多いです。

ケース2:警察からの在宅確認や職場への連絡

逮捕前や在宅捜査に切り替わった場合、警察が本人の身元や勤務状況を確認するために、職場へ連絡を入れることがあります。

また、職場での地位を利用した犯行の場合など、捜査の必要性から警察が会社に直接聞き込みに行ったり、職場を捜索したりすることもあります。

このような捜査活動から、同僚や上司に事件のことが発覚してしまいます。

ケース3:実名報道

不同意わいせつは社会的な関心が高い重大犯罪です。

特に、公務員や大企業の社員である場合、または手口が悪質である場合は、テレビや新聞、ネットニュースなどで実名報道されるリスクがあります。

一度ネット上に実名や事件のニュースが掲載されると、完全に削除することは難しく、会社だけでなく取引先や社会一般に知れ渡る事態になります。

会社に知られずに解決するための弁護士の役割

会社に知られずに事件を解決するには、弁護士のサポートが不可欠です。

弁護士は、逮捕直後から検察官や裁判官に対して「逃亡や証拠隠滅の恐れがない」ことを主張し、勾留を阻止(早期釈放)するための活動を行います。

早期釈放が実現できれば、欠勤を数日で抑えることができ、有給休暇の範囲内で処理できる可能性が高まります。

また、報道機関への発表を控えるよう警察に申し入れるなどの対策も行います。

不起訴処分を獲得し、前科を回避するための3つのステップ

ステップ1:速やかに弁護士に相談し、方針を立てる

逮捕されたら、あるいは警察から呼び出しを受けたら、早い段階で弁護士に相談することが最重要です。

刑事手続きは時間との勝負であり、初動の遅れが致命傷になります。

弁護士と接見し、取り調べでの受け答えのアドバイスを受け、事実関係を整理した上で、自白して示談を目指すのか、無罪を主張して争うのか、明確な防御方針を立てます。

ステップ2:被害者との示談交渉を弁護士に依頼する

なぜ示談が重要なのか?

不同意わいせつ事件において、不起訴処分を獲得するために最も重要なのが「被害者との示談」です。

性犯罪は親告罪ではありませんが、被害者の処罰感情が非常に重視されます。

示談が成立し、被害者から「処罰を望まない(宥恕)」という意思表示を得られれば、検察官が「これ以上処罰する必要はない」と判断し、起訴猶予(不起訴)になる確率が飛躍的に高まります。

示談金の相場と弁護士に依頼すべき理由

不同意わいせつ事件の示談金相場は、行為の悪質性や被害者の精神的苦痛の度合いにより、数十万円から百万円以上と幅広いです。

加害者本人やその家族が被害者に直接連絡を取ろうとすることは、被害者に強い恐怖を与えるため警察から固く禁じられており、証拠隠滅とみなされる危険があります。

弁護士が第三者として間に入ることで、被害者も安心して交渉に応じやすくなり、適正な金額での示談成立が期待できます。

ステップ3:再犯防止への取り組みを具体的に示す

示談に加えて、再犯防止に向けた具体的な取り組みを検察官に示すことも、不起訴処分を勝ち取るための重要なステップです。

例えば、性犯罪の専門クリニックやカウンセリングに通院する、家族が今後の監督を誓約する上申書を提出する、などの環境調整を行います。

これにより、本人が深く反省し、二度と犯罪を繰り返さない仕組みができていることを証明します。

不同意わいせつの容疑を否認する場合の対処法

やってもいないのに疑われた場合の初動対応

痴漢の冤罪や、完全な合意の上だったにもかかわらず後から被害届を出されたなど、身に覚えがない場合は絶対に虚偽の自白をしてはいけません。

厳しい取り調べや「認めれば早く帰してやる」といった警察の言葉に屈して自白調書に署名してしまうと、後から覆すことは極めて困難です。

やっていないことは「やっていない」と一貫して主張することが重要です。

黙秘権の行使と弁護士との連携

否認事件の場合、捜査機関はあらゆる手を使って自白を引き出そうとします。

不用意な発言が文脈を切り取られて不利な調書にまとめられる危険があるため、弁護士が到着するまでは「黙秘権」を行使し、一切の質問に答えないのが最も安全な対応です。

弁護士と面会し、どの質問に答え、どの質問に黙秘すべきか、詳細なアドバイスを受けた上で取り調べに臨みます。

アリバイや無実の証拠を集める

容疑を晴らすためには、無実を裏付ける客観的な証拠を集める必要があります。

事件当時の防犯カメラの映像、Suicaなどの交通系ICカードの履歴、スマートフォンのGPS記録、LINEやメールでの相手との親密なやり取り(同意があったことの証明)などが有力な証拠となります。

防犯カメラの映像は保存期間が短いため、弁護士を通じて早急に証拠保全の手続きを行う必要があります。

不同意わいせつ事件を弁護士に相談するメリット

逮捕直後から接見し、適切なアドバイスをもらえる

逮捕直後の最大72時間は家族すら面会できませんが、弁護士であればいつでも警察署の面会室で制限なく接見(面会)できます。

孤独と恐怖の中で厳しい取り調べを受ける被疑者にとって、法的なアドバイスだけでなく、精神的な支えとなる弁護士の存在は非常に大きなメリットです。

早期の身柄解放(釈放)が期待できる

弁護士は、検察官や裁判官に対して意見書を提出し、身柄拘束の必要性がないことを論理的に主張します。

家族の身元引受書を準備し、逃亡や証拠隠滅の恐れがないことを証明することで、勾留請求が却下され、逮捕後数日で釈放される可能性が高まります。

会社や家族への影響を最小限に抑えられる

早期釈放が実現すれば、職場に逮捕の事実を知られるリスクを大幅に下げることができます。

また、マスコミに対する報道自粛の働きかけや、家族への適切な状況報告を行うことで、被疑者本人の社会生活や家庭生活が崩壊するのを未然に防ぐサポートを行います。

被害者との示談を円滑に進められる

不同意わいせつ事件の被害者は加害者に対して強い恐怖と嫌悪感を抱いているため、弁護士以外の連絡を一切拒絶するケースがほとんどです。

経験豊富な弁護士が介入することで、被害者の感情に配慮しながら冷静に交渉を進めることができ、不起訴獲得への最大の鍵となる示談成立の可能性を高めることができます。

まとめ

不同意わいせつ罪は、2023年の法改正によって処罰範囲が広がり、逮捕されるリスクが高まっている重大な犯罪です。

逮捕されれば長期の身体拘束が避けられず、会社への発覚や実名報道、最悪の場合は実刑判決による刑務所行きなど、取り返しのつかない事態を招きかねません。

会社に知られずに事件を解決し、不起訴処分による前科の回避を目指すためには、逮捕直後から弁護士に相談し、早期釈放と被害者との示談交渉を進めることが何よりも重要です。

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