不倫の内容証明が届いた後の流れを弁護士が解説|まず取るべき対応と解決までの目安

2026年02月24日

不倫の内容証明が届いた後の流れを弁護士が解説|まず取るべき対応と解決までの目安

ポストを開けると、突然届いた「内容証明郵便」の不在通知。差出人が弁護士や不倫相手の配偶者になっていて、驚かれた方も多いかもしれません。

「このまま裁判になるのだろうか」
「職場や家族に知られてしまうのではないか」

さまざまな不安が頭をよぎると思います。

結論として、内容証明が届いたというだけで、直ちに財産が差し押さえられたり、刑事責任を問われたりするわけではありません。ただし、その後の対応次第では、交渉が長引いたり、裁判に進む可能性が高まったりすることはあります。

この記事では、不倫に関する内容証明を受け取った後の一般的な流れと、まず取るべき対応について、時系列に沿ってわかりやすく解説します。

この記事を監修したのは

代表弁護士 春田 藤麿
代表弁護士春田 藤麿
第一東京弁護士会 所属
経歴
慶應義塾大学法学部卒業
慶應義塾大学法科大学院卒業
宅地建物取引士

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【重要】内容証明が届いた直後に避けたい3つの行動

まずは落ち着くことが大切です。そのうえで、次の行動は慎重に判断しましょう。

何もせず放置すること

「対応しなければそのまま終わるのでは」と考える方もいますが、回答がない場合、相手が次の手段(訴訟など)を検討する可能性はあります。必ずしもすぐ裁判になるとは限りませんが、何らかの対応を検討することが望ましいでしょう。

感情的に相手や相手方弁護士へ連絡すること

驚きや怒りから直接電話をしてしまうケースもあります。しかし、そのやり取りが後の交渉や裁判で資料として扱われる可能性があります。事実関係が整理できていない段階での連絡は、慎重に考える必要があります。

書類を処分してしまうこと

内容証明は、相手の主張や請求内容を確認するための重要な資料です。今後の対応を検討するうえで必要になりますので、必ず保管しておきましょう。

不倫の内容証明が届いた後の一般的な流れ(時系列)

解決までの流れは事案によって異なりますが、一般的には次のような段階をたどります。

内容の確認(届いた当日〜数日)

記載されている事実関係や請求金額、回答期限などを確認します。事実に誤りがないか、金額が相場から大きく外れていないかを整理します。

回答の検討・送付(受取から1〜2週間程度)

多くの場合、一定の回答期限が設けられています。期限内に、こちらの立場や認識をまとめた回答書を送付することが一般的です。

示談交渉(1〜3か月程度)

金額や支払方法、接触禁止条項などについて話し合いを行います。合意に至れば示談書を作成し、解決となります。

不倫問題における示談交渉のポイントや進め方については、以下の記事をご覧ください。

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訴訟(交渉がまとまらない場合)

交渉で合意できない場合、相手が裁判を提起することがあります。裁判に進むと、解決まで半年以上かかるケースもあります。

不倫慰謝料請求の訴訟の流れについては、以下に記事で解説しています。

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内容証明で確認しておきたい4つのポイント

請求内容が妥当かどうかを判断するため、次の点を確認しましょう。

 

①事実関係:
不貞行為の有無や時期など、記載内容に誤りがないか。

②慰謝料の金額:
一般的な相場(おおむね50万〜300万円程度とされることが多い)と比較して著しく高額でないか。

③証拠の有無:

相手がどの程度の証拠を把握している可能性があるか。

④その他の条件:
接触禁止や守秘義務などの条件が提示されているか。

 

これらを整理したうえで、対応方針を検討することが重要です。

不倫慰謝料の相場については、以下の記事で詳しく解説しています。

不倫慰謝料の計算方法と相場:判例で知る適正額

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解決までの期間の目安

事案によって差はありますが、一般的な目安は次のとおりです。

 

比較的早期に解決するケース(約1か月)
事実関係に争いがなく、金額面でも大きな対立がない場合。

標準的なケース(2〜3か月)
減額交渉や分割払いの調整などを行う場合。

長期化するケース(半年以上)
裁判に進んだ場合など。

 

あくまで目安であり、証拠の状況や当事者の意向によって変動します。

弁護士に相談するタイミングとサポート内容

内容証明が届いた段階は、今後の方針を決める重要なタイミングです。

弁護士に相談することで、次のようなサポートが受けられます。

 

・相手方との交渉対応の代行
・請求金額の妥当性の検討や減額交渉
・求償権の整理(配偶者との関係を踏まえた負担割合の検討)
・裁判に発展した場合の対応

 

 

必ず依頼しなければならないわけではありませんが、法的な見通しを早い段階で把握しておくことは、安心材料の一つになります。

不倫をした側の弁護士費用や依頼するメリットについては、以下の記事で詳しく解説しています。

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まとめ:落ち着いた対応が解決への近道です

内容証明が届くと、大きな不安を感じるのは当然です。しかし、それは直ちに重大な結果につながるという意味ではありません。

重要なのは、感情的にならず、書面の内容を正確に把握し、適切な対応を検討することです。

一人で判断することに不安がある場合は、早めに専門家へ相談し、今後の見通しを確認しておくとよいでしょう。冷静な初動が、結果として負担の軽減につながることも少なくありません。

当事務所は初回相談を無料で承っております。お困りごとがございましたら、お気軽にお問い合わせください。

よくある質問(FAQ)

Q. 回答期限を過ぎてしまったのですが、もう手遅れですか?

いいえ、数日の遅れであればすぐに挽回可能です。

内容証明に書かれている「回答期限(例:1週間以内)」は、相手方が設定した「希望」であり、法的強制力はありません。

しかし、放置が続くと「交渉の意思なし」とみなされ、予告なく裁判を起こされるリスクが高まります。期限を過ぎていても、早めに弁護士を通じて連絡を入れることで、最悪の事態を防げる可能性が高いです。

Q. 会社や家族に知られずに解決することはできますか?

弁護士を介入すればリスクを減らせることがあります。

相手が感情的になっている場合、嫌がらせ目的で職場や実家に連絡してくるケースがあります。弁護士が介入し、「窓口はすべて弁護士にする」「不当な連絡は法的に対処する」と相手に告げることで、周囲への露呈を食い止める抑止力が働きます。

Q. 相手の配偶者から「直接会って話したい」と言われています。会うべきですか

おすすめしません。

当事者同士の話し合いは、怒声や罵倒、強要、最悪の場合は暴力に発展する危険があります。また、不用意な発言を録音され、後の裁判で不利な証拠とされるリスクも高いです。「交渉はすべて弁護士を通してください」と突っぱねるのが、安全な解決への近道です。

Q. 相手の請求額が300万円と非常に高いです。満額払うしかないのでしょうか?

いいえ、相場から大きく乖離しているケースがほとんどです。

内容証明に記載される請求額は、いわば「言い値」です。不倫の期間、婚姻期間の長さ、相手夫婦が離婚に至ったかどうか等の事情により、相場(50万〜200万円程度)まで大幅に減額できる余地があります。そのまま合意せず、弁護士に相場を確認しましょう。

Q. 不倫相手(既婚者側)と口裏を合わせても大丈夫ですか?

おすすめしません。

一貫性のない嘘や無理な口裏合わせは、相手が持っている証拠(LINEの履歴、探偵の調査報告書など)によって崩さることがあります。嘘が露呈すると「反省の情がない」とみなされ、慰謝料が増額される原因になります。事実関係については、弁護士と相談した上で、戦略的に回答した方が安全です。

Q. 「求償権(きゅうしょうけん)」とは何ですか?

不倫相手(既婚者側)に対して、支払った慰謝料の一部を請求できる権利です。

不倫は共同で行った行為であるため、本来は二人で責任を負うものです。あなたが100万円支払った場合、そのうちの半分程度を不倫相手に請求できる可能性があります。この権利を交渉材料に使うことで、実質的な出費を抑える交渉も可能です。

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