不倫を自白された時、自白をさせたい時はどうする?不倫専門弁護士が解説します!
最終更新日: 2024年01月27日
配偶者から不倫を自白されて離婚したいと言われた
自白だけで不倫を証明できるの?
不倫を自白させるにはどうすればいいの?
突如として配偶者から自白をされてどう対応すればいいのか、不倫を自白させるにはどうすればいいのか、いずれも初めてのことでしょうから、適切な対応がわからなくて当然です。
今回は不倫問題を数百件解決してた専門弁護士が不倫における自白について解説いたします。
不倫を自白してくるのはこのようなとき
夫や妻がわざわざ不倫していることを自白してくることがあります。ここではどのような場合に自ら自白してくるのかについて見てみましょう。
離婚したいとき
まずは、離婚したいときです。
不倫相手と一緒になりたいから離婚したいという場合もありますし、未だ不倫相手との将来は具体的に考えてはいないものの、不倫状態を続けることが苦しくなって離婚したいという場合もあります。
わざわざ不倫を自白せず、ただ離婚したいと言えば良いのではないかとも思えますが、ただ離婚したいと言っても離婚に応じてくれないだろうと考えたり、不倫していることの罪悪感から正直に不倫を自白しようと考えることもあるようです。
不倫相手と揉めたとき
不倫相手に別れを告げたところストーカー行為などの嫌がらせを受けたり、手切れ金を払わないなら奥さんに不倫をばらすと脅されたりした場合など不倫相手と揉めることがあります。
このように揉めてしまい、自身の手に負えなくなったときや、不倫相手からばらされるくらいなら自分から不倫を告白しようと考えたときに、配偶者に不倫を自白することがあります。
独身と偽って訴えられたとき
3つ目のケースは、不倫相手に実は既婚者だったとばれて訴えられた場合です。最近は、独身と身分を偽って出会い系サイトや出会い系アプリを利用し、不倫をする男性が増えています。
特に相手が真剣に交際していたときには、既婚者とばれた後に弁護士を付けて訴えてくることがあります。このような場合に、もう妻には隠し通せないと考えて、不倫を自白することがあります。
不倫を自白して離婚を求められたらどうする?
配偶者から実は不倫していたと自白されて離婚を求められた場合、どのように対応したら良いのでしょうか。以下3つの対応について見ていきます。
離婚に応じる
不倫していた配偶者とは一緒にやっていけないと考え離婚に応じることが考えられます。
この場合、配偶者の勝手な都合で生活、人生を激変させられるわけですから、通常の離婚条件で離婚に応じるべきではありません。
慰謝料はもちろんですが、財産分与、養育費、いずれも通常よりもできる限り有利なものとすることを離婚に応じる条件としましょう。
離婚を断固拒否する
不倫をしたから離婚したいと勝手なことを言われて、離婚に応じられるわけがないと考える方も多いでしょう。
不倫をした配偶者から離婚裁判を起こしても離婚は認められません。不倫をされた配偶者が了承しない限り離婚はできないのです。
そのため、離婚をしたくないということであれば、不倫をした配偶者に対して断固として離婚を拒否することになります。
とりあえず別居する
配偶者から突如として不倫を自白され、離婚を求められた場合、大きなショックを受けることでしょう。
不倫をした配偶者とこのまま結婚を続けるべきなのか、離婚をすべきなのか即断はできないかもしれません。そのような場合は、しばらく冷静になって検討するためにとりあえず別居をするという対応も良いでしょう。
ご自身が自宅を出て実家などに戻るのも良いですし、配偶者に出て行ってもらうことでも良いでしょう。
不倫は自白だけでも証明できる?
不倫をした配偶者に責任追及する場合も、不倫相手に責任追及する場合も不倫をしたことの証拠が必要です。
探偵の調査や性交渉の写真などが典型的ですが、配偶者や不倫相手の自白も強力な証拠となります。内容によっては自白だけでも不倫を証明することは可能です。
しかし、「不倫したと私に自白しました」、「不倫を自白していたと友人から聞きました」というだけでは不十分です。
いずれもそんな自白はしていないと相手から言われてしまえば、それまでだからです。そのため、自白によって不倫を証明するためには自白したことを証拠化する必要があります。
不倫の自白はどのように証拠化すればいい?
不倫の自白を証拠にする場合、仮に裁判になった場合にも通用するものとする必要があります。
そこで、ここでは、どのような自白内容を記録すればよいのか、またその記録方法についてもご説明します。
「不倫しました」だけで良いの?
「私は○○さんと不倫していました」という一文だけが記載され、署名捺印がなされているメモ書きを不倫の証拠としているケースがしばしばあります。
しかし、これだけでは「不倫」に性交渉などが含まれているのか不明確ですから、後からそういう意味の不倫じゃないなどと反論される可能性があります。
相手からの反論を許さない証拠とするためには、以下の内容を自白に含ませるようにしましょう。
- ・性交渉をした相手の氏名、住所、電話番号
- ・初めて性交渉をした日、場所
- ・その後の性交渉をした日、場所を判る限り全て
- ・相手は既婚者と知っていたこと
- ・自白した日付
書面や録音・録画いずれが良いか
上記の内容を含めた不倫の自白をまずは書面に残します。
上記内容全てを相手に直筆で書かせて末尾に署名をさせても良いですし、上記内容はご自身で書いたり、パソコンで作成して末尾に相手に署名させることでも良いです。
基本的にこの自白書だけで不倫を証明することができ、裁判で勝つことができます。
もっとも、書面だけですと、偽造だと反論されたり、脅されて書かされたと反論される可能性があります。
そこで、自白書を作成させる一部始終を録音しておくことが考えられます。これによって、自白書を書いたのが相手であることがわかりますし、脅して書かされたのではないことの証拠にもなります。
このような反論は稀ですからそこまで心配する必要はありませんが、録音の音声は自分ではないなどという反論も絶対ないとは言いきれません。
そこで、一切の反論を封じるためには、録音ではなく動画撮影をしておくとなお良いでしょう。動画撮影であれば自分ではないという反論は不可能ですし、表情などから脅されて自白したものではないことはわかるでしょう。
できれば裏付けも
上記の不倫の自白の証拠だけで基本的には十分なのですが、記憶違いや意図的な嘘によって自白書にかかれた日にアリバイが出てくる可能性があります。そうなると自白書にかかれていることの信用性が揺らいできます。
このような事態を防ぐためには、自白書にかかれた不倫に関する事実の裏付けとなる証拠も相手に提示させると良いでしょう。相手の手帳にその予定が記載されていたり、LINEのやり取りでその日に不倫があったことがわかるかもしれません。
全ての不倫のあった日についてこのような裏付けが得られるとは限りませんが、可能な限り裏付けをとっておくと、自白書の信用性は一層高まります。
不倫の自白をさせるには?
今回は配偶者から不倫を自白された場合のことをご説明しましたが、最後に、配偶者や不倫相手に自白をさせるための方法についてご説明します。
まず、相手を問い詰める前にできる限り証拠や情報を集めましょう。問い詰めますと警戒をして証拠や情報を得にくくなるからです。
不倫の確たる証拠を得た場合には、自白がなくても不倫を証明できますので、自白させることは必須ではありませんし、その証拠を突きつければ言い逃れはできないでしょう。
このように不倫の確たる証拠がない場合に自白をさせるためには、確たる証拠があると思わせる、全て知られていると思わせることが必要です。
そのためには、知っているはずのない情報をできる限り集め、それを効果的に提示して揺さぶりをかけていくことが有効です。
まとめ
以上、不倫の自白についてご説明しました。
自白した配偶者との離婚を考えている場合や、自白した不倫相手に慰謝料請求などの責任追及をしたい場合など、不倫の自白に関する問題は、不倫専門の弁護士にご相談ください。