不倫はお金で解決できる!?不倫問題の解決法を弁護士が解説
最終更新日: 2023年06月30日
配偶者に不倫をやめさせるにはどうすればいい?
家族に知られずに不倫を解決したい!
示談したのにまた不倫相手と接触しているからやめさせたい!
不倫問題に遭遇した方からはこのような疑問や要望をお聞きすることがよくあります。ほとんどの方は初めて抱える問題ですから、どのように解決すれば良いのかと悩むことは自然なことです。
今回は不倫問題を数百件解決してきた専門弁護士が、様々な不倫問題の局面に関する解決法を解説します。
不倫はお金で解決できる!?
不倫をされた配偶者は、法律上、自身の配偶者や不倫相手に対して慰謝料を請求することができます。この慰謝料とは精神的苦痛に対する賠償です。
しかし、お金をもらえば精神的苦痛はやわらぐのでしょうか。
たとえどんなに大金をもらったとしても、配偶者に裏切られた心の傷が癒えることはありません。不倫はお金で解決できるものではないのです。
不倫問題で慰謝料を支払ってもらうことは通常ですが、これは夫婦関係の修復や離婚後の新しい人生をスタートするために、不倫問題に一応の区切りをつける意味があるに過ぎません。
配偶者に不倫をやめさせる解決法は?
不倫をしている配偶者に不倫をやめるよう言っても不倫をしていないと否定される、不倫を認めて不倫関係は解消すると言っているのに未だに不倫を続けている。
このような場合に配偶者に不倫をやめさせるための解決法についてご説明します。
- まずは証拠を押さえる
- 不倫相手に慰謝料請求をする
- 配偶者とは夫婦間契約を結ぶ
まずは証拠を押さえる
まずは言い逃れをされないために不倫の確たる証拠を押さえましょう。
配偶者の携帯電話を確認し、性行為をしていることがわかる写真、動画や、性行為をしていることがわかるLINEなどのメッセージやり取りを探します。
これによって証拠を掴めないときは探偵に調査依頼をすることを検討しましょう。探偵への調査依頼のポイントについて下記の記事をご覧ください。
不倫相手に慰謝料請求をする
証拠を押さえたら次は不倫相手に対して慰謝料請求をします。不倫関係を解消してくれればよく、お金は要らないという場合であっても慰謝料請求はするべきです。
なぜなら、慰謝料請求をしなければ不倫相手はこちらからの連絡に対してまともに対応しない可能性がありますし、金銭的な痛手がなければ不倫がばれても大事にはならないと思ってしまい、不倫を継続、再開するケースが多いからです。
慰謝料請求をして不倫相手と示談をして解決するときは、示談書に接触禁止と違反した場合の違約金を設定します。これによって、不倫相手から配偶者に対して接触してくることを防ぎます。
配偶者とは夫婦間契約を結ぶ
不倫相手から接触してくることを防いだとしても、配偶者から不倫相手に対して接触する可能性あります。そのため、配偶者からの接触も防ぐ必要があります。
その方法が夫婦間契約です。離婚をせずに夫婦関係を続ける約束事とそれに違反したときの離婚条件などを定めます。
例えば、以下のような内容を夫婦間契約に定めます。
- 妻が求めたときは携帯を直ぐに見せる
- 不倫相手と接触したときは離婚する
- 離婚するときは親権者を母親にする
- 離婚の慰謝料は300万円とする
- 財産分与は妻へ8割とする
- ダブル不倫の場合
ダブル不倫の場合には一方の配偶者のみに不倫がばれており、他方の配偶者にはばれていないことがあります。
この場合には、他方の配偶者にも不倫の事実を知らせて、4者で話し合いをして不倫当事者に二度と接触しないよう誓約書を作成させて解決する方法が一つです。
もう一つは、再度接触したときは他方の配偶者に知らせることにして、接触しないことを誓約させる方法です。接触をすれば自身の配偶者に知られてしまうことから、接触することの抑止力となります。
不倫問題を家族に知られずに解決する方法はある?
不倫がばれてしまい、不倫をされた配偶者から慰謝料を請求すると言われ、配偶者がいるので自宅に内容証明が来ては困る、実家に住んでいるので両親にばれないようにしたい、このようなご相談はよくあります。
この場合、不倫問題を家族に知られないようにする方法は一つで、弁護士に依頼をして弁護士から相手に連絡をして、全ての連絡は弁護士宛てにするよう求めることです。
このようにすることで相手から自宅に書類が届くことはなくなりますので、家族に知られずに済みます。
また、相手が裁判を起こしたときは、裁判所から訴状等の書類が自宅に送られてきます。これについても予め相手やその弁護士に訴状の送達先を弁護士事務所にするよう連絡をしておくことによって、ほとんどの場合、自宅に送られてくることを防ぐことができます。
不倫をばらすと脅されているときの解決法
不倫相手が不倫をされた配偶者から家族や職場にばらすと脅されたり、不倫をしている既婚者が不倫相手から家族や職場にばらすと脅されるケースはよくあります。
このような場合、弁護士はつけずに、相手の求めるとおりに慰謝料や手切れ金を支払って早期に示談をしたにもかかわらず、再び脅しが始まることがあります。当事者だけで解決をすると示談を軽視される、示談の重みを理解されないことがあるのです。
そのため、このようなケースでは必ず弁護士をつけて示談をしましょう。弁護士が代理人として話し合いをして、弁護士が作成した示談書によって解決した場合に、脅しが再発することは非常に稀です。
不倫問題の解決後のトラブル
不倫相手と示談をして解決した後、再び不倫相手との間でトラブルが発生することがあります。典型的には、示談書において配偶者との接触禁止を約束したにもかかわらず、配偶者と接触したというケースです。
配偶者から不倫相手に連絡をしてしまうケースもあれば、不倫相手から配偶者に連絡をしてしまうケースもあります。お互いに少しなら大丈夫だろう、ばれないだろうと考えて連絡を取り続け、そのうち会うようになり、最後には不倫が再開してしまうというのが典型です。
示談の際に弁護士が入っておらず、当事者間で解決した場合にこのような接触禁止違反が多い傾向にあります。弁護士が入っていないと、不倫相手も不倫をした配偶者も示談書の意味合いを軽く考えてしまうのかもしれません。
接触禁止違反のケースではまずはLINEのメッセージや、配偶者との電話での通話履歴などの違反事実の証拠を押さえます。その上で、不倫相手に違約金の請求をします。
前回の示談の際には弁護士をつけていなかったのであれば、今回は必ず弁護士をつけて、示談書の重みを理解させるべきです。
不倫の慰謝料と解決金は同じなの?
ところで、不倫問題について調べていると「解決金」という言葉を見聞きしたことのある方もおられるでしょう。日常的には使わない言葉ですから、慰謝料と同じなのか、全く別物なのか疑問に思うのではないでしょうか。
解決金とは不倫問題を解決するにあたって支払うお金という意味です。和解金と同義に考えて構いません。
慰謝料というと、自身の賠償義務を認めている、つまり不倫を認めていることが前提となります。一方、解決金という言葉には不倫を認めているというニュアンスは含まれません。
不倫を認めている場合にも解決金という名目を使うことがありますが、不倫を認めていない場合には解決金という名目を使います。
なお、解決金を支払う場合、それで不倫問題は解決した、つまりこれ以上お互いに何も請求しないということになりますから、別途に慰謝料を請求することはできません。
不倫問題の解決事例
最後に、ここまでにご説明したケースについて、実際の解決事例を見てみましょう。
- 不倫相手からは慰謝料を配偶者とは夫婦間契約をした解決事例
- 不倫相手に手切れ金を払った解決事例
- 接触禁止に違反した場合の解決事例
- 家族に知られずに解決した事例
不倫相手からは慰謝料を配偶者とは夫婦間契約をした解決事例
Aさんは探偵に依頼をして夫が不倫をしている証拠をつかみました。夫は不倫を謝罪し、不倫をやめるということからしばらく様子を見ていましたが、夫の携帯を見ると相手との不倫が続いていることが発覚しました。
Aさんは、離婚をしたいわけではなく、不倫をやめさせたいと考え、当事務所に相談をしました。
不倫をやめさせるためには不倫相手から夫に接触してくるのを断つとともに、夫から不倫相手に接触することもやめさせる必要があります。
そこで、まずは不倫相手に慰謝料を請求し、違約金条項とともに夫に接触しないことを約束させる示談書を作成しました。
その次に、夫婦間契約を作成しました。今度不倫をしたときは離婚すること、離婚するときは慰謝料は500万円、財産分与は8割を妻とすることなどを契約内容としました
このように不倫相手との関係でも夫との関係でも示談をしたことでAさんの不倫問題は解決となりました。
不倫相手に手切れ金を払った解決事例
20代前半のAさんは、交際クラブで知り合った50代の会社社長の不倫相手でした。会える時に会いたいからという理由で仕事を辞めて近場に用意したマンションに転居するよう求められ、その代わりに毎月35万円の手当をもらっていました。
1年ほど不倫関係を続けていましたが突如として不倫関係を解消され、マンションから出ていくよう求められました。急に生活拠点と収入を奪われることになったAさんは当事務所に相談をしました。
不倫関係のための契約ですから手当を請求することはできませんし、法的措置をとられればマンションも出て行かなければなりません。もっとも、妻子のある相手は大ごとにはしたくないだろうと考え、不倫関係解消のための交渉をすることとしました。
相手にも弁護士が就き、話し合いを重ねた結果、解決金として350万円、退去時期を3か月後とする内容で示談が成立し解決となりました。
接触禁止に違反した場合の解決事例
Aさんは、不倫相手の配偶者から慰謝料請求を受け、慰謝料を支払って示談しました。示談書には今後配偶者に接触したら1回につき違約金50万円を支払うという条項がありました。
ところが、Aさんは、半年ほどして元不倫相手からLINEが届き、ついそれに反応してしまい、そこからしばらくLINEのやり取りをしてしまいました。これが不倫相手の配偶者に見つかり、Aさんが送信したメッセージを接触1回とカウントして数百万円の違約金を請求されました。
到底そのような違約金を支払うことができないため、Aさんは当事務所に相談をしました。
確かに、示談書には接触禁止条項と違約金条項があることから違約金は払わないといけません。しかし、メッセージの送信1回を接触1回とカウントする解釈は合理的ではなく、相手妻にばれるまでに送ったメッセージのやり取り全体を1回の接触と解釈すべきだと主張しました。
相手妻と話し合いを重ねた結果、解決金50万円を支払うことと、今後接触したときは違約金100万円を支払う内容にて示談が成立し解決となりました。
家族に知られずに解決した事例
Aさんは、マッチングアプリで知り合った女性と不倫をしていたました。昨日から相手女性のLINEのメッセージが既読にならないので不思議に思っていたところ、LINEのメッセージが届きました。それはその女性の夫からのものでした。
法的措置をとると言われたことから、Aさんは妻に不倫をばれることを恐れて当事務所に相談しました。
弁護士が代理人として間に入り、連絡の窓口を弁護士にすることで自宅に内容証明が届くことを避けられることから、Aさんから相手夫に弁護士を依頼した旨と当事務所の連絡先をLINEで送ってもらいました。
その後、相手夫から当事務所に連絡があり、慰謝料金額について交渉を重ね、和解が成立しました。Aさんは、幸い今回は妻に不倫を知られずに解決したことに感謝し、二度と不倫はしないと固く決意していました。
まとめ
以上、様々は不倫問題の局面について解決法をご説明しました。
不倫をやめさせたいという方も、不倫をしてしまったという方も、後悔のない解決をするためには不倫問題を専門とする弁護士にご相談ください。