養育費を弁護士がわかりやすく解説!メリット・相談窓口・費用も詳しく紹介
2024年12月28日
- 相手に養育費の支払いを請求したい。まずは弁護士に相談した方がよいだろうか?
- 養育費を請求されたが重い負担となりそうだ。なんとか減額できないだろうか?
- 養育費の問題解決のため弁護士に依頼したい。弁護士費用はどれくらいになるのだろう?
離婚を話し合うときは、子どもの親権をどちらにするか必ず決めなければいけません。養育費は子どもの生活・教育面を支える大切なお金となります。
夫婦間で、養育費の支給額・支給期間を慎重に検討する必要があります。
そこで今回は、養育費問題の解決に携わってきた専門弁護士が、養育費を弁護士に相談するメリット、養育費請求に関する弁護士費用等を詳しく解説します。
本記事のポイントは以下です。お悩みの方は詳細を弁護士と無料相談することが可能です。
- 養育費は子どもの生活や教育面を支える大切な資金である
- 養育費の交渉を弁護士に依頼すれば、適正な金額の算定、円滑な取り決めが可能
- 養育費に詳しい弁護士を代理人として、夫婦間の対立を調整した方がよい
養育費を弁護士が解説!
養育費とは、子どもが成人して自立するまでに必要な費用です。
夫婦が離婚しても親権者となった親、非親権者となった親の別なく、子どもと法的な親子関係は継続します。
子どもと同居しているかどうかを問わず、親である以上は子どもを支える義務があるのです(民法第877条第1項)。
養育費の対象となる費用は主に「衣食住に関する費用」「教育に関する費用」等があります。
養育費 | 内容 |
衣食住に関する費用 | 衣服代や食費、家賃等 |
教育に関する費用 | 学校の入学金や授業料、教材費、塾代等 |
医療に関する費用 | 医療機関への入院費、通院治療費、薬剤費等 |
その他 | お小遣い、交通費等 |
養育費を弁護士に相談するメリット
子どもが健やかに成長できるよう、資金面で子どもを支える必要性は高いです。養育費を慎重に取り決めたいなら、弁護士に相談してみましょう。
弁護士は様々なアドバイスやサポートを行い、夫婦が離婚・養育費の合意を図られるように、全力を尽くします。
適正額がわかる
弁護士は、夫婦の経済状態や子どもの状況に応じた養育費の適正額を算定します。
養育費を算定するときは、裁判所が公表している「養育費・婚姻費用算定表」の利用も可能です。しかし、算定表は難解であり、一人だけの力では算定しにくい内容となっています。
弁護士に養育費の算定を頼んだ場合、養育費を支払う非親権者と、受け取る親権者の年収・職業(自営業、給与所得者、パート等)、子どもの数・年齢を踏まえ、次のように算出することでしょう。
たとえば、非親権者である夫がサラリーマン(年収900万円)で、親権者の妻がパート従業員(年収150万円)の場合、養育費の目安は次の通りです。
もちろん、算定された養育費がそのまま支払条件となるわけではなく、夫婦で金額の増減を交渉し、合意を図っていきます。
精神的な負荷軽減
弁護士が養育費の相談に乗れば、交渉のポイントや支給期間の調整方法、養育費決定後の未払い分の回収方法までアドバイスします。
弁護士が代理人となれば、相手との交渉を任せられるので、理性的に話し合いが進められることでしょう。
依頼者と相手が直接交渉すると感情的になる可能性もあるので、弁護士に任せればストレスも軽減できます。
未払い分の回収もできる
弁護士に依頼すれば、養育費の未払い分を回収できる可能性が高まります。
離婚が成立して養育費を取り決めたものの、離婚後に非親権者が養育費を支払わない可能性もあるでしょう。
弁護士に依頼すれば、非親権者へ養育費を支払うように説得します。非親権者が説得に応じない場合は次の方法をとります。
- 離婚交渉が成立し、強制執行認諾文言付き離婚公正証書を作成していた場合→親権者の代わりに強制執行の申立てを行う
- 強制執行認諾文言付き離婚公正証書を作成していなかった場合→養育費請求調停のサポートを行う
強制執行認諾文言付き離婚公正証書は、「離婚当事者が約束を破った場合、直ちに強制執行へ服する旨を受諾する」という文言を付加した公正証書です。
この公正証書があれば、訴訟を提起せずに強制執行の申立てが可能です。
一方、養育費請求調停では弁護士も同席し、申立人(親権者)の立場に立った主張を行います。最終的には非親権者との合意を図る方法なので、非親権者の自主的な支払いの再開が期待できます。
減額交渉もできる
養育費を請求する側(親権者)の金額があまりに大きい場合は、請求された側(非親権者)は弁護士に相談し、減額交渉を依頼できます。
養育費を請求する側との話し合いがつかない場合は、家庭裁判所に養育費請求調停を申し出て、減額を話し合う方法も可能です。調停の場でも、弁護士は依頼者側に立って減額の必要性を主張します。
なお、養育費の支給額に夫婦が合意して支払を続けていたものの、次のような事態が発生する場合もあります。
- 養育費を支給する中で、非親権者が失職した
- 養育費を支給する中で、非親権者がケガや病気で入院した
- 親権者が再婚した
上記のような場合でも、同じ支給額・支払期間で養育費を支払っていくのは、非親権者にとって困難です。
弁護士は、親権者に対し養育費の減額または支給終了を交渉していきます。
離婚問題全般の相談もできる
弁護士には離婚や養育費だけでなく次のような問題もあれば、遠慮なく相談してみましょう。
- 財産分与を適切に分けたい→共有財産の確認と、夫婦それぞれの収入に見合った配分をアドバイス
- 慰謝料請求を行いたい→パートナーの問題行動(例:不倫、DV等)が原因で離婚する場合、証拠の収集方法や慰謝料額の算定の仕方をアドバイス
- 子どもの面会交流の取り決めを行いたい→夫婦の希望だけではなく、子どもの意見も尊重する等をアドバイス
弁護士のアドバイスを参考にすれば、相手との交渉も円滑に進められることでしょう。
養育費を弁護士に相談できる場所
養育費をどうするかで悩んだら、できるだけ早く弁護士に相談したいものです。
弁護士と無料相談が可能なのは地方自治体の相談窓口、法テラス、各法律事務所となります。
自治体
地方自治体には無料の相談窓口があり、離婚や養育費の相談も利用可能です。
担当者の弁護士が当番制で対応する形をとります。無料の相談窓口サービスは概ね次のような内容となります。
- 無料相談時間は30分
- 地域住民ならば誰でも利用可
- 無料の相談窓口は予約が必要
- 相談窓口を開設する曜日が決まっている
- 開庁時間以外の相談利用はできない
- 住民の公平性を確保するため、「〇か月に1回のみ利用可」と回数制限がある
各地方自治体によって利用条件は異なります。まずは自治体窓口に連絡し、詳細な内容を確認しましょう。
法テラス
法テラスとは法務省所管の法人「日本司法支援センター」の通称です。
養育費等をはじめとした法律問題で悩む人たちが、より身近に法律相談を受けられるよう設置された相談窓口です。
法テラスでは、経済的に余裕のない方々を対象として、「民事法律扶助制度」を利用できます。
民事法律扶助制度では、弁護士等の無料法律相談が可能ですが、次のような制約に注意しましょう。
- 1回の相談時間は30分
- 1つの問題につき3回が上限
つまり、養育費の無料相談は3回が限度となります。
法律事務所
法律事務所の中には、無料相談を行っているところもあります。
無料相談サービスの特徴は概ね次の通りです。
- 無料は初回相談のみ
- 相談時間は30分
- 事前に相談予約をする
- 無料相談から、弁護士との契約に進む必要はない
なお、法律事務所ごとに様々な形で無料相談を行っており、24時間365日メールやLINEで相談を受け付けたり、電話対応専門のオペレーターに相談できたりする場合もあります。
ただし、無料相談を受ける場合、弁護士ではなく事務員が対応するケースもあります。そのため、相談予約のとき弁護士が相談に対応するのかを確認しておきましょう。
養育費に詳しい弁護士の見つけ方
弁護士は法律の専門家ですが、得意分野は刑事関係、特許関係、そして養育費を含めた民事関係と様々です。
養育費問題を解決したいなら、民事関係に実績のある弁護士を選びましょう。
実績豊富
養育費問題の解決に実績豊富な法律事務所を選びましょう。
友人や知人からの紹介の他、法律事務所のホームページを確認する方法もあります。
- ホームページ上で、養育費を含めた離婚交渉・裁判の「解決実績年間〇〇件」と明記されている
- ホームページ上で養育費に関するトピック、相談事例が豊富に掲載されている
- 養育費等の離婚に関する手続きの流れ、弁護士費用の目安が明示されている
上記の内容が確認できたら、養育費を含めた民事関係に経験豊かな法律事務所といえます。
迅速な対応
迅速に対応できる法律事務所を選びましょう。
弁護士に相談したいものの、「案件が重なっているので受け付けは来週になる。」などと弁護士にいわれては、どんどん対応が遅れていきます。
法律事務所の中には24時間365日、相談を受け付けている法律事務所もあります。深夜に連絡しても翌朝には相談が可能な法律事務所ならば、対応が遅れる心配もないでしょう。
親身な対応
相談者に寄り添う親身な対応ができる弁護士なら安心です。
養育費を含めた民事関係に実績が豊かな法律事務所でも、相談者に親切・丁寧な対応を行う弁護士かは相談してみないとわかりません。
弁護士と相談するとき、次の点をチェックしてみましょう。
- 相談者の現状や悩みをしっかりとヒアリングしているか
- 相談者の質問へ満足に応えず、弁護士からの説明ばかりを優先していないか
- アドバイスは押し付けではなく、有益な内容といえるか
- 口調は穏やかで、わかりやすく相談に回答しているか
相談を行う中で、「この弁護士ならば養育費の問題を任せられる。」と感じたら、そのまま委任契約を締結しましょう。
養育費請求に関する弁護士費用
弁護士を立てて、養育費の問題解決を図る場合は弁護士費用がかかります。
弁護士費用になるのは「着手金」「成功報酬金」「日当」の3つです。
着手金
着手金は弁護士との契約のときに必ず支払うお金です。
どのように問題解決を図るかでも、着手金の金額に差が出てきます。目安は次の通りです。
- 交渉:22~44万円
- 調停:44~66万円
- 訴訟:33~66万円
なお、調停に関しては交渉からの継続の場合、交渉の着手金額分を控除する良心的な事務所もあります。
法律事務所の中には着手金を受け取らず、成功報酬金のみを設定しているところが存在します。ただし、着手金を受け取らない分、成功報酬金が高額化する可能性もあるので注意しましょう。
成功報酬金
弁護士に依頼して交渉や調停が成立した、裁判で勝訴したという場合に支払うお金です。こちらは分割請求に応じる事務所もあります。
離婚に関する成功報酬金は11〜55万円が目安です。ただし、養育費の問題を解決した場合は、経済的利益の2年分の〇%と設定されている事務所も多いです。
たとえば、経済的利益の2年分の11%と設定されていた場合、養育費2年分100万円の受給に成功したなら、11万円を支払う必要があります。
日当
日当とは、弁護士が裁判や出張等で、時間的な拘束を受けた場合に発生する費用です。
1日で約3〜5万円が相場です。裁判期日に弁護士が出廷する分だけ、日当の支払いが必要となります。
ただし、法律事務所の中には無料となる回数上限を設定し、「〇回までなら日当無料」としているところもあります。
養育費に強い弁護士なら春田法律事務所
今回は養育費問題の解決に尽力してきた専門弁護士が、養育費問題を弁護士に相談するポイント等について詳しく解説しました。
春田法律事務所は養育費をはじめとした、民事事件に実績のある事務所です。まずは弁護士に相談し、養育費問題の解決策を話し合ってみましょう。
※内容によってはご相談をお受けできない場合がありますので、ご了承ください。