横領で示談しないとどうなる?示談のポイントや示談金相場も解説

最終更新日: 2024年01月27日

横領では示談が大事!金額・発生しがちな問題・成功ポイントを徹底解説

  • 横領では示談すべきだろうか?
  • 横領で示談しないと何が起こるのだろう
  • 横領事件で示談を成功させるポイントを知りたい

横領事件を起こしてしまった方にとって気になるのは、示談による事件解決の可否ではないでしょうか。横領によって不安な日々を送る方には、「事実を周囲に知られることなく示談によって事件解決を図りたい」などと、悩みを抱え込むことが少なくありません。

そこで本記事では、横領事件の示談に詳しい弁護士が示談が重要な理由・発生する問題・成功するためのポイントを解説します。

本記事のポイントは以下です。お悩みの方は詳細を弁護士と無料相談することが可能です。

  • 横領事件では示談が重要!処罰にも大きく関わる可能性が高い
  • 横領事件で示談しない場合逮捕や刑を科せられることもある
  • 横領事件で示談を成功させるポイントは専門弁護士に相談して事実を話すこと

刑事事件に強い弁護士はこちら

この記事を監修したのは

代表弁護士 春田 藤麿
代表弁護士春田 藤麿
第一東京弁護士会 所属
経歴
慶應義塾大学法学部卒業
慶應義塾大学法科大学院卒業
都内総合法律事務所勤務
春田法律事務所開設

詳しくはこちら

横領事件は示談が重要

横領事件における示談とは、会社との協議の元で横領したお金を返済、または返済する約束をした上で謝罪して会社と和解することを指します。

会社が警察に被害届を出すことなく内々で問題を解決することができれば、事件が公になることはなく、10年以下の懲役刑といった前科がつくこともありません。また、仮に刑事事件へと発展してしまった場合でも、会社と和解が成立して被害届を取り下げてもらえれば、検察判断で不起訴処分となる可能性もあります。

会社との示談が成立しているか否かで、処罰の内容は大きく変わるでしょう。事件を公にされたくない、1日でも早く日常生活を取り戻したい、という想いがあるのであれば、示談による事件解決が必須です。

刑事事件に強い弁護士による逮捕・不起訴・裁判の無料相談!

横領で示談しないと起こり得ること

横領で示談しないと起こり得ることについて、以下2点を説明します。

  • 逮捕
  • 刑が課せられる可能性

逮捕

横領事件において示談が成立しなかった場合には、会社から被害届を提出される可能性が極めて高くなるでしょう。

被害届を提出された場合には、警察からの取調べを受けることとなり、必要に応じて最大で20日間の勾留(身体拘束)を受ける可能性があります。

勾留期間中は、当然留置場から出ることができないため、一度身体拘束を受けてしまうと日常生活に大きな影響を及ぼします。

この間、家族や友人などとの面会も一定の制限を受けますが、弁護士であれば逮捕直後から時間制限なしに、被疑者との接見が可能です。引き続き会社との示談、和解の成立などに向けてサポートを受けることができます。

刑が課せられる可能性

残念ながら、日本の刑事裁判における有罪率は統計上99.9%だといわれています。会社との示談が成立せずに起訴されてしまった場合には、起訴事実を否定しても、無罪を勝ち取ることは極めて困難でしょう。

業務上横領罪の刑期は、横領した者の立場、横領した額やその理由などを考慮した上で判断されます。横領した金額が数百万円など高額であり、被害弁済もされていない場合は、初犯であっても起訴されて実刑となってしまうケースは珍しくありません。

少しでも有利な裁判結果を勝ち取るためには、専門弁護士によるサポートを受けながら、取調べや刑事裁判に臨むことが極めて重要となります。

刑事事件に強い弁護士が逮捕・不起訴・裁判を強力解決!

横領の示談で発生しがちな問題

横領の示談で発生しがちな問題について、以下3点を説明します。

  • 企業側の交渉拒否
  • 勾留中のため自分で交渉できない
  • 金額への認識違い

企業側の交渉拒否

横領事件においては、被害を受けた会社側が、示談による事件解決を断固拒否するといったケースも珍しくありません。

加害者から裏切られたといった感情から直接の交渉には応じたくなかったり、加害者に刑事罰を科すために話し合いを拒否して、捜査機関への被害届の提出を考えていたりなど、さまざまな理由が考えられます。

いかなる場合でも、まずは会社に対して謝罪の意を表すことが重要です。口頭で伝えることが困難な場合には、謝罪文を郵送することも検討しましょう。

勾留中のため自分で交渉できない

逮捕・勾留による身体拘束を受けると、会社側との直接示談交渉が難しくなります。

そのため、逮捕直後から直ちに弁護士との接見の場を設け、弁護士に対して、会社側と示談交渉を行う意思がある旨を伝えなければなりません。

なお、逮捕直後に接見可能な弁護士には、私選弁護士と当番弁護士の2種類が存在します。私選弁護士であれば事件の円満解決に向けて、会社側との示談交渉を行うことが可能です。

逮捕前でも逮捕後でも、正式に弁護を依頼すれば、toいつでも弁護士との接見が行えます。

金額への認識違い

実際に自身が横領した金額は100万円であるにも関わらず、会社側は500万円を横領されたと主張するなど、両者の認識が異なるケースもしばしば見られます。

このような場合は、会社に対して主張の根拠となる資料や、証拠の提示を求める必要があります。

両者の主張があまりにもかけ離れている場合には、いずれかの認識が誤っている可能性が高いため、感情的になることなく、慎重に対応を進めなければなりません。

会社から提示された資料や証拠を検討した上で、実際の横領額とそうでない部分を客観的に証明できれば、会社側が減額に応じることもあります。

ただし、両者の協議をもっても主張に折り合いがつかない場合には、早期の事件解決を図るために、あえて会社側の主張する金額で示談成立を目指すことも検討すべきです。

横領事件で示談を成功させるポイント

横領事件で示談を成功させるポイントについて、以下3点を説明します。

  • 事実を話す
  • 弁償の意思を示す
  • 実績豊富な弁護士への相談

事実を話す

横領事件において示談の成立を目指すためには、まずは、横領した金額・動機・経緯・態様などを、正直に話す必要があります。

生活に困っていた、借金の返済に苦しんでいた、遊ぶ金欲しさに魔が差してしまったなど、横領に至ってしまう理由はさまざまでしょう。会社側に嘘をついていると勘付かれてしまうと、示談交渉にすら応じてもらえなくなる可能性もあるため、事実を正直に話すことが大切です。

横領事件を起こした方の多くは、自身の過ちを悔いると共にその動機を伝えることに抵抗感を抱いてしまいますが、包み隠さず正直に会社へと伝えることが、示談成立のための一歩となります。

弁償の意思を示す

横領してしまった金額をしっかりと弁償する意思があること、返済能力の有無を示すことも、示談成立の観点では重要なポイントです。

会社側は、きちんと被害金額を弁償してもらえるか、という点に不安を抱えています。その不安を払拭するための弁償の意思、能力を示すことは極めて重要です。

横領した金額が高額で一括での返済が困難な場合は、分割払いによる返済を提案する・保証人を立てる・支払いを怠った場合の期限の利益喪失条項を示談書内に設ける、といった対策を講じる必要があります。

横領事件に強い専門弁護士であれば、依頼者の資産状況などを考慮した上で、会社側との示談交渉を行うことも可能です。

実績豊富な弁護士への相談

横領事件で示談の成立を目指すためには、実績豊富な専門弁護士への相談が必要不可欠です。

特に、会社側が断固として本人との示談交渉に応じない、という姿勢を取っている場合は、弁護士のサポートを受けながら示談交渉を進めていく必要があります。

横領事件の解決実績が豊富な専門弁護士であれば、会社側が必要としている情報(謝罪・弁償の意思や返済能力の有無など)を、きちんと伝えることができます。

また、豊富な知識や経験を元に、スムーズに示談交渉を進めることができるため、早期に事件解決を目指すことも可能です。

事件を起こしてしまった罪悪感などから、一人で問題を抱え込んでしまう方も少なくありませんが、まずは専門弁護士への相談をご検討ください。

横領事件の示談金

ここまで、横領で示談するべきかと、示談で発生しがちな問題、示談を成功させるポイントについて解説しました。ここからは横領事件の示談金について、以下3点を説明します。

  • 相場
  • 基本は一括払い
  • 保証人が必要

相場

横領事件の示談金には明確な相場は定められていません。一般的には、横領した金額に一定の迷惑料を加えた金額が、示談金として提示されるケースが多いです。

示談金の金額は、基本的には当事者間の協議と合意によって決定されます。ごく少額の示談金で和解が成立するケースがある一方、被害を受けた会社側が厳しい処罰感情を抱いているケースもあります。横領によって被害が生じている場合は、より高額な金額を提示されることも珍しくありません。

両者が納得した上で示談の成立を目指すためにも、実績豊富な専門弁護士のサポートが必要不可欠です。

基本は一括払い

示談金の支払いは一括払いが基本となります。

生活苦や借金の返済などを理由に横領事件を起こしてしまった方の中には、高額な示談金を支払えない、という問題に直面する方も少なくありません。

一括払いでの支払いが困難な場合は、会社との交渉で分割払いを認めてもらったり、保証人を立てた上で返済を行うことを認めてもらったりする必要があります。

ただし、会社側には分割払いに応じる義務がないため、一括払いしか認めないというケースも珍しくありません。

専門弁護士によるサポートの元、弁償の意思や返済能力の有無をしっかりと伝えた上で、交渉を進めていくことが望ましいでしょう。

保証人が必要

示談金を分割払いで支払う場合には、家族や友人などを保証人にすることを条件として、提示されるケースがあります。

場合によっては、横領事件を起こしてしまった当事者と、同等の責任を負う連帯保証人を付けることを条件に、示談成立を承諾することもあります。

一括での支払いが困難な場合には、家族や友人の協力を仰ぐことも必要です。

横領で示談を考えているなら今すぐ弁護士に相談を

本記事では、横領事件では示談すべきか、示談しないと何が起こるのか、示談を成功させるポイントについて解説しました。

横領事件では、専門弁護士によるサポートの元で示談を進めることで円満な事件解決を目指すことができます。場合によっては、不起訴処分や減刑になるケースもあるため、示談による事件解決を目指しましょう。

示談による解決を望む場合は、横領事件に強い専門弁護士にご相談ください。

家族が逮捕されたら!即日の接見を専門弁護士に依頼!

刑事事件に強い弁護士はこちら

刑事事件のコラムをもっと読む