Googleの口コミで誹謗中傷されたときの対処法!問える罪を弁護士が解説

2024年11月24日

Googleの口コミで誹謗中傷されたときの対処法!問える罪を弁護士が解説

  • Google口コミで私の店舗が誹謗中傷を受けている。誹謗中傷した相手を特定したい。
  • Google口コミである店舗を誹謗中傷したが、店側から個人情報が特定される可能性はあるのだろうか?
  • 発信者の開示請求をする前に、弁護士に相談した方がよいのだろうか?

Google口コミを参考に、お店の評判をチェックする方々も多いことでしょう。

しかし、口コミの中にはお店を誹謗中傷する投稿も存在します。お店側は誹謗中傷した相手を特定し、損害賠償請求や刑事責任の追及を行いたいものです。

そこで今回は、ネット上の口コミ・トラブル解決に携わってきた専門弁護士が、Google口コミに開示請求を行う流れや開示請求の進め方等を詳しく解説します。

本記事のポイントは以下です。お悩みの方は詳細を弁護士と無料相談することが可能です。

  • Google口コミへの開示請求は可能だが、開示依頼に応じるかどうかは運営側次第
  • 運営側が開示に応じない場合は、裁判所に申し立てて開示を求められる
  • 誹謗中傷した側が個人情報を特定されたら、弁護士に相談し今後の方法を協議しよう

発信者情報開示・削除に強い弁護士はこちら

この記事を監修したのは

代表弁護士 春田 藤麿
代表弁護士春田 藤麿
第一東京弁護士会 所属
経歴
慶應義塾大学法学部卒業
慶應義塾大学法科大学院卒業
都内総合法律事務所勤務
春田法律事務所開設

詳しくはこちら

Google口コミで開示請求できるか?

Google口コミであなたの企業や店舗が誹謗中傷を受けている場合、あなたの主張が正当であると認められると、開示請求で誹謗中傷した投稿者の特定が可能です。

企業や店舗を選ぶとき、Google口コミを参考にするユーザーは多いことでしょう。

よい口コミが多ければ、企業や店舗にとっては更なる集客や利益を得るチャンスとなりますが、誹謗中傷の口コミを放置すると、評判や売上の低下を招くおそれがあります。

Google口コミであなたの企業や店舗を誹謗中傷する投稿が行われているなら、口コミの削除依頼が有効といえます。

ただし、誹謗中傷の投稿の再発防止や、投稿者に民事責任・刑事責任を追及したい場合、投稿者の個人情報の特定が必要です。

個人情報の特定のときに利用される手続きが、「発信者情報開示請求(プロバイダ責任制限法第5条)」「発信者情報開示命令(同法第8条)」です。

出典:プロバイダ責任制限法 | e-Gov法令検索

Google口コミで開示請求する流れ

あなたの企業や店舗が誹謗中傷を受けたら、まずGoogle口コミを運営しているGoogle社に開示請求を行いましょう。

ただし、開示請求はGoogle社だけでなく、投稿者の利用しているプロバイダにも必要となります。

IPアドレス開示依頼

あなたが発信者情報開示請求を行う場合、Google社に対し「任意開示請求」が可能です。

Google社は投稿者の「IPアドレス」情報を保有しているので、IPアドレスから投稿者の利用しているプロバイダが判明します。

プロバイダが投稿者の詳細な個人情報を管理しているので、IPアドレスの情報開示がなされなければ、開示請求手続きは進まなくなります。

ただし、任意開示請求に応じるかどうかはGoogle社次第です。Google社から請求を拒否された場合は、裁判所に「発信者情報開示仮処分」を申し立てましょう。

あなたの申立てが裁判所から認められた場合、Google社はIPアドレス・タイムスタンプ等を開示します。

プロバイダーへ開示請求

誹謗中傷した投稿者が利用するプロバイダーの特定後、IPアドレス情報を参考に、投稿者(発信者)の情報開示請求が可能です。

ただし、プロバイダーは投稿者(発信者)に対し、情報開示をしてよいか確認するものの、あなたからの責任追及をおそれる投稿者は、開示を拒否することでしょう。

プロバイダー側も投稿者(発信者)の意思を尊重し、情報開示に応じる可能性は低いと考えられます。

結局、あなたはプロバイダーを相手に、「発信者情報開示請求訴訟」を提起し、情報開示を求めることになるでしょう。

訴訟の提起

裁判所に「発信者情報開示請求訴訟」を提起します。

訴訟提起したあなたを原告、Google社を被告として、裁判官は開示請求が妥当かどうかを審理します。

あなたは証拠を提示しつつ、誹謗中傷の投稿で、どのような権利侵害があったのかを明確に主張しなければなりません。

あなたの主張が認められれば原告勝訴となり、裁判所は被告であるGoogle社に投稿者(発信者)の個人情報の開示を命じます。

Google社は投稿者(発信者)の氏名、住所、電話番号、メールアドレス等をあなたに開示します。

投稿者(発信者)を特定したあなたは、損害賠償請求や刑事告訴を行い、企業・店舗の権利救済を進められることでしょう。

Google口コミで開示請求するときにすべきこと

投稿者(発信者)の投稿が永遠に残るわけではありません。プロバイダの保存期間は約3〜6か月と言われています。

一定の期間が経過すると投稿は消去され、投稿者(発信者)の特定は不可能となるでしょう。

あなたは迅速に様々な準備を行い、開示請求手続きを進める必要があります。

証拠収集

誹謗中傷の投稿はスクリーンショットで撮影し、証拠を保存しましょう。

保存する場合は投稿内容の他、投稿日時、URL等も確認できるように撮影します。なお、投稿URLは「共有」ボタンを押し、「リンクを送信する」欄で確認が可能です。

パソコン画面の方が大きく見やすいので、スクリーンショットで撮影する場合はパソコン画面を利用しましょう。

慎重な判断

あなた自身が選んだ開示請求方法が正しいかどうか、冷静に判断しましょう。

発信者情報開示請求の場合、Google社に任意開示請求が利用でき、裁判所の関与も不要なので、円滑に手続きが進む可能性はあります。

しかし、任意である以上、Google社が開示に応じるとは限りません。Google社との交渉が難航する事態も想定されます。

また、プロバイダの投稿を保存する期間は約3〜6か月であり、時間の制約も存在します。

発信者情報開示請求を行っていたのでは間に合わないと感じたら、2022年にプロバイダ責任制限法で新設された「発信者情報開示命令」を利用しましょう。

発信者情報開示命令は、あなたが最初から裁判所に「発信者情報開示請求(非訟)」を申し立てる方法です。

開示命令は簡易迅速な手続きで、裁判所がGoogle社・プロバイダにまとめて情報開示を命じられるので、発信者情報開示請求よりスピーディーに、投稿者(発信者)の特定が可能となります。

弁護士への相談

あなたが「開示請求を自分だけの力で進めるのは難しい。」と感じていたら、法律の専門家である弁護士に相談しましょう。

弁護士は誹謗中傷の投稿内容等を確認し、次のようなアドバイスを提供します。

  • 誹謗中傷の投稿がどのような罪にあたるのか
  • 開示請求の手順
  • 開示請求のポイント
  • 裁判手続きの説明
  • 投稿者(発信者)が特定された後の対応

弁護士に相談をするうち「弁護士に開示請求の代理人を請求したい。」と思ったら、そのまま委任契約を締結して構いません。

弁護士はあなたに発信者情報開示請求、発信者情報開示命令いずれの方法で進めるのかを聴いたうえで、手続きを開始します。

Google口コミでの開示請求が相手に伝わるタイミング

あなたがGoogle口コミで企業や店舗を誹謗中傷した場合、企業や店舗側はあなたの個人情報の特定を進めている可能性があります。

企業や店舗側が開示請求を行った場合、契約中のプロバイダからあなたの自宅に、「発信者情報開示請求に係る意見照会書」の通知が届きます。

なお、あなたのメールアドレスに意見照会の通知を送信するケースもあるでしょう。

通知は「あなたがGoogle口コミに意見を投稿した企業や店舗側から、個人情報の開示を求められているので、情報開示に応じてよいですか?」と、あなたに尋ねる内容となっています。

情報開示に同意するか拒否するかはあなた次第です。ただし、プロバイダはいずれ裁判所から、情報開示を命じられてしまう可能性があります。

意見照会の通知が届いたら、速やかに弁護士と相談し、今後の対応を協議した方がよいでしょう。

Google口コミで開示請求されたらすべきこと

Google口コミで企業や店舗を誹謗中傷したあなたは、個人情報を特定され、損害賠償請求や刑事告訴される可能性があります。

意見照会書の内容を確認したうえで、刑事裁判や民事裁判に実績豊富な弁護士と相談し、サポートを受けましょう。

落ち着いた対応

プロバイダから意見照会書が送られてきても、あなたの個人情報が現段階で、強制的に企業や店舗側へ開示されるわけではありません。

照会書の内容を確認し、企業や店舗側の主張内容に心当たりがあるのか、慎重に思い返しましょう。

Google口コミに投稿はしたものの、投稿内容が正当な批判であり、名誉毀損や侮辱行為にあたらないと感じたら、反論の準備をはじめます。

なお、あなたが誹謗中傷の投稿をしたと認めても、認めなくても、法律の専門家である弁護士と相談した方がよいでしょう。

弁護士への相談

「発信者情報開示請求に係る意見照会書」の通知が届いたら、なるべく早く法律の専門家である弁護士に相談しましょう。

弁護士は意見照会書の内容を確認し、次のようなアドバイスを提供します。

  • 意見照会書の内容が真実かどうかの確認
  • 意見照会書の内容が正しくない場合の対応
  • 意見照会書の内容が正しい場合の措置
  • 特定された場合、企業・店舗側がどのような対応をとるかの説明

弁護士に相談後「企業・店舗側から、自分の個人情報が特定されるのは時間の問題だ。」と思ったら、弁護士を代理人として積極的に問題解決へ動いた方がよいでしょう。

あなたの代理人となった弁護士には、意見照会書の返答や企業や店舗側との示談交渉、刑事裁判や民事裁判への対応を、全て委任できます。

権利侵害がない場合は拒否も可能

Google口コミの誹謗中傷に全く身に覚えがない場合、投稿内容に権利侵害が認められない場合は、開示を拒否する返答も可能です。

ただし、あなたがプロバイダに拒否する返答を行う場合、プロバイダ側が納得するような、説得力のある反論を行う必要があります。

弁護士と協議したうえで反論内容を記載し、プロバイダ側に返送しましょう。

権利侵害がある場合は示談交渉

あなたがGoogle口コミで誹謗中傷の投稿をしたと認め、企業や店舗側の権利を侵害したと反省しているなら、プロバイダの情報開示に同意した方がよいです。

プロバイダに同意の返答後、企業や店舗側に示談交渉を申し込みましょう。

示談交渉で取り決める内容は、あなたが企業や店舗側に謝罪し、以後誹謗中傷を行わない、投稿を削除し投稿の拡散防止に努める、示談金額の支払い等があげられます。

また、企業や店舗側に、告訴をしない、示談成立後に問題の蒸し返しをしない等を、要求できます。

あなたが直接企業や店舗側と交渉するより弁護士を交渉役にした方が、理性的かつ迅速に示談交渉が進められることでしょう。

Google口コミの開示請求なら今すぐ春田法律事務所にご相談を

今回はネット上の口コミ・トラブル解決に尽力してきた専門弁護士が、Google口コミに開示請求する手順やポイント等を詳しく解説しました。

Google口コミで誹謗中傷された企業や店舗も、誹謗中傷した投稿者も、理性的に問題の解決を図りましょう。

春田法律事務所は、ネット上の口コミ・トラブルの交渉や裁判を得意とする事務所です。まずは弁護士に、Google口コミの誹謗中傷に関する悩みや不安を相談し、今後の対応を取り決めていきましょう。

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