再開発問題で後悔しない!弁護士に相談するメリット・費用も詳しく解説
最終更新日: 2024年11月14日
- 所有する賃貸物件が再開発エリアに含まれた。再開発事業の施行者と、どのような話し合いをすればよい?
- 再開発問題を弁護士に相談するメリットが知りたい。
- 再開発に関する交渉を弁護士に依頼するとき、費用はどれくらいかかるのだろうか?
賃貸物件の所在地が再開発の対象地域となったため、困惑している土地・建物の賃貸人・賃借人もいるでしょう。
再開発事業の施行者とどのように交渉すればよいかわからないときは、再開発問題に詳しい弁護士へ相談し、サポートを求める方がよいです。
そこで今回は、再開発問題の解決に携わってきた専門弁護士が、再開発とは何か?再開発で弁護士に依頼するメリット等を詳しく解説します。
本記事のポイントは以下です。お悩みの方は詳細を弁護士と無料相談することが可能です。
- 主に人口や建物の多い都市部で、再開発が頻繁に行われている
- 弁護士のサポートを得れば交渉力が向上し、立退料の交渉が有利となる
- 弁護士を代理人にたてるときは、実績豊富で誠実な人物を選ぶ
再開発問題を弁護士に相談する理由
再開発には不動産開発事業者(デベロッパー)の他、地権者による準備組合や地方公共団体が絡み複雑です。再開発にかかる費用は膨大で数百億円に上るケースもあります。
再開発を行えば大きな経済効果が得られますが、再開発エリア内の住居・店舗・ビルなどは、大部分が取り壊される可能性があります。
そのため、退去しなければならない賃貸人や賃借人も出てきますが、退去する場合などに有利な条件を得るためには、弁護士のサポートが必要です。
再開発とは
再開発とは既存の住宅・商業施設等を作り直して、地区全体を効率的な土地の高度利用へ更新する事業を指します。人口が増加し流通が活発化すると、既存の住宅・商業施設のままでは、安全かつ快適な経済活動が難しくなる場合があります。このような問題を解決する方法が「再開発」です。
再開発には、都市再開発法に基づく「市街地再開発事業」の他、任意の再開発などもあります。
- 第1種市街地再開発事業:都市再開発法に基づき、不動産開発事業者と地権者などの組合や地方公共団体などが行う権利変換方式(権利を買い取らず新しい建物等の権利に変える)の再開発事業で、通常、道路・駅前広場等の公共施設整備を一体的に行う
- 第2種市街地再開発事業:都市再開発法に基づき、公共性や緊急性が著しく高い地区で、地方公共団体などが主体となって管理処分(権利を強制的に買い取る)の手法を用いて強力に進める再開発事業
- 防災区域整備事業:密集市街地整備法に基づいて、防災性の高い建築物や道路等の公共施設を整備する事業
- 優良建築物等整備事業:市街地環境の向上、良質な市街地住宅の供給への誘導を目的として、任意の共同建替え等に対し行政が支援する事業
- マンション建替事業:老朽化したマンションを建て替える事業 など
市街地再開発事業の流れ
再開発は数百億円に上る費用を要することもある巨大な事業です。関係するデベロッパー・組合・地方公共団体が慎重に協議し、事業が進められていきます。
- 1.準備組合設立:権利者の組合組織をつくる
- 2.再開発の計画策定:デベロッパー・準備組合・行政で協議
- 3.都道府県知事による事業計画の認可・再開発の組合を設立
- 4.再開発ビルの設計、権利変換計画の作成・認可
- 5.仮店舗の建設
- 6.現在の建物の除去
- 7.再開発ビルの建築
賃貸物件の賃借人は、場合によっては仮店舗への移転も可能です。再開発ビルのテナントとして入居しない場合は、自主的に別の移転先を検討して構いません。
主な問題
再開発事業の施行者は、土地・建物の権利者である賃貸人や賃借人への補償を行わなければなりません。
市街地再開発事業では、地区内の賃貸人の権利の種類・資産額に応じ、再開発ビルの敷地・床に関する権利が与えられます(権利変換)。
道路・公園整備のような公共事業予定地内の賃貸人は、権利変換に変えて、買収の代価として金銭の支払いを受けることも可能です。
その場合、自分の所有する土地や除去される建物の損失に見合った補償を得られなければ、再開発事業の施行者とトラブルが生じる可能性もあるでしょう。
賃貸人と賃貸借契約を締結していた賃借人も同様で、退去に見合った立退料または権利変換を得られなければ、不公平感を抱き、再開発事業の施行者と対立するおそれがあります。
相談すべき理由
補償内容が十分か否かを確認し、適正な補償を得るため、弁護士へ相談しましょう。
再開発事業の施行者から、権利変換や買収金額を提案されても、再開発の協力に見合った補償内容なのか、賃貸人だけでは判断が難しいものです。
賃借人も、立退料が妥当な金額なのかわからないでしょう。
一時金が大きいからと、安易に提案を受け入れると、後から補償額が低く見積もられていた事実に気付き、後悔する可能性があります。
弁護士は、賃貸人や賃借人の事情に応じた適正な補償金額を算定し、適正な補償が受け取れるよう、再開発事業の施行者との交渉に尽力します。
再開発の交渉を弁護士に依頼するメリット
再開発の交渉を、賃貸人や賃借人が有利に進めていくため、法律のプロである弁護士にサポートを求めましょう。
弁護士をあなたの代理人にすれば、希望する補償内容で交渉が成立する可能性が高まります。
法的な対応支援
弁護士は、再開発の対象となった地域の賃貸人や賃借人の事情を踏まえ、対応を支援します。
たとえば、あなたが店舗を経営していた場合、退去後の事業継続を弁護士に相談すると、次のようなサポートが得られます。
- 再開発ビルで事業を再開したい→権利変換:賃料が以前より高くなる場合、適正な内容で再開できるように交渉
- 新しい土地で事業を再開したい→地区外移転:立退料(移転費用・休業補償・従業員の休業手当等)の交渉
弁護士はあなたの希望に合わせ、十分な補償が得られるよう再開発事業の施行者と粘り強く交渉します。
交渉力向上
弁護士を代理人にすれば、再開発事業の施行者との交渉力が大きく向上します。賃貸人や賃借人は、再開発事業の施行者と一度も交渉した経験のない場合がほとんどでしょう。
再開発に関する法律もよくわからず、再開発事業の施行者から提案されるがまま、補償内容に同意してしまうおそれがあります。
弁護士は、提案された補償内容を確認後、あなたの立場に立って不足部分を鋭く指摘し、補償額の上乗せ要求を行うことが可能です。
弁護士は法律の知識を利用しつつ、理性的に交渉を進めていくので、再開発事業の施行者の譲歩が得られやすくなります。
立退料の交渉
弁護士は再開発事業の施行者と、立退料の交渉を粘り強く行います。
賃貸人から土地や建物を借りていた賃借人は、別の土地に住居や店舗を移す可能性が高いです。
弁護士は次の立退料を算定したうえで、再開発事業の施行者の補償額が十分かについて検討します。
- 移転費用:引越し先の住居(店舗)と現住居(店舗)との家賃差額分の補償・移転先の礼金や仲介手数料・引越し費用
- 店舗の移転の場合:内装費用・広告宣伝費用・休業による営業利益の補償・店員の休業手当・損失補償等
算定した費用よりも補償額が低い場合は、調整を図り、算定した立退料へ近づけるよう尽力します。
再開発の交渉を弁護士に依頼するときの費用
弁護士に交渉を任せる場合、弁護士費用が必要です。弁護士費用は法律事務所ごとに金額の設定が可能なため、費用には大きな差が出てしまう場合もあります。
主な弁護士費用は、「着手金」と「成功報酬金」です。費用は基本的に一括払いですが、分割払いに応じる法律事務所もあります。
着手金
弁護士に交渉を依頼した場合、必ず支払わなければならないお金です。着手金の支払いを確認後、弁護士は交渉を開始します。
なお、再開発事業の施行者との交渉が失敗しても、成功しても着手金の返還はありません。
着手金の相場は、22万円〜33万円程度です。ただし、賃借人の依頼のときは無料となっている法律事務所もあります。
成功報酬金
再開発事業の施行者との交渉が成功した場合に支払う費用です。
成功報酬金の相場は22万円〜55万円程度です。ただし、再開発事業の施行者と合意した立退料の〇%という形で、費用を設定している法律事務所もあります。
なお、再開発事業の施行者との交渉で全く立退料が受け取れなかった場合、成功報酬金は発生しません。
しかし、あなたの希望する金額に満たなくとも、一部でも立退料を得られた場合(一部成功)は成功報酬金を支払う必要があります。
再開発の交渉に強い弁護士の選び方
再開発の法令に精通しており、交渉経験が豊富で、依頼人の立場にたった対応ができる弁護士を選びましょう。
友人・知人や同業者の方々からの紹介の他、あなた自身がインターネットを利用し選ぶことも可能です。
実績豊富
再開発の交渉に実績豊富な弁護士を、法律事務所のホームページの内容を確認して選びます。
- ホームページに立ち退き等の相談実績、解決実績が明記されている
- 再開発の立ち退き問題に関する解決事例、コラムが豊富に掲載されている
- 再開発の交渉に関する手順や費用の目安が掲示されている
上記のような内容が確認できれば、再開発の交渉を得意とする法律事務所であるとわかります。
法律事務所の中には初回相談無料のところもあるので、気軽に訪問し、再開発の交渉に関する悩みや不安を相談してみましょう。
細やかな経過報告
交渉を依頼後、再開発事業の施行者との交渉がどのくらい進んでいるのか、逐一報告を行う弁護士であれば安心です。
交渉の経過がよくわからないと、依頼人は「もしや再開発事業の施行者が、こちらの条件を拒否しているのでは?」と不安を感じてしまうことでしょう。
こまめに経過報告をする弁護士であれば、依頼者と弁護士が話し合い、現状に合わせて交渉条件の調整が図れます。
納得できる形で、交渉成立となる可能性が高まります。
依頼人に寄り添った対応
依頼人の事情を把握し、希望に沿った対応ができる弁護士を選びましょう。
たとえば、依頼人が現在の住居を退去する場合、次のような不安を抱くかもしれません。
- 新たな住居が仕事場から遠い場所になると困る
- 子供の通う学校を変更するのは避けたい
- 現在の賃貸物件より部屋が狭くなり、家賃が高くなるのは嫌だ
- 新たな住居に車を置けるスペースはあるだろうか
依頼人の希望に沿った住居で新たな生活を送れるよう、再開発事業の施行者に対し、粘り強く交渉できる弁護士ならば安心です。
いつでも相談可能
平日はもちろん土日・祝日でも24時間365日、相談できる法律事務所を選びましょう。
なぜなら、再開発に関する不測の事態が発生しても、速やかに弁護士へ相談できるからです。
法律事務所の中には、24時間365日オペレーターが常駐しているところもあります。また、電話やメールの他、LINEでいつでも相談できる法律事務所もあります。
24時間365日相談ができて、かつ相談する方法が豊富な法律事務所であれば安心です。
再開発なら春田法律事務所の弁護士に相談を
今回は、再開発問題の交渉に長年携わってきた専門弁護士が、再開発の交渉を弁護士が担う有効性等について詳しく解説しました。
再開発事業の施行者の提案に従うだけだと、十分な補償が得られないおそれがあります。適正な補償額で話し合いがまとまるよう、弁護士にサポートを依頼した方がよいです。
春田法律事務所は再開発の交渉に実績のある事務所です。再開発の問題に悩んだときには、気軽に弁護士と相談し、有益なアドバイスを受けましょう。
※内容によってはご相談をお受けできない場合がありますので、ご了承ください。