賃貸物件の立ち退き交渉を不動産会社がするときに注意すべきこと

最終更新日: 2022年08月23日

賃貸物件の立ち退き交渉を不動産会社がするときに注意すべきこと

  • 賃貸の立ち退き交渉に不動産会社が介入する理由は何か
  • 賃貸の立ち退きで不動産会社ができることを知りたい
  • 賃貸の立ち退きで不動産会社ができないことを知りたい

賃貸物件で立ち退き交渉を行うときには、オーナーと入居者の間に不動産会社が介入することもあります。物件のことは不動産会社の担当者に任せたいと考えているオーナーもいるかもしれません。しかし、不動産会社にはできること・できないことがあるため、立ち退き交渉を行うときには、どこまで不動産会社に任せるか注意が必要です。

そこで今回は、立ち退き交渉の経験が豊富な専門弁護士が、賃貸の立ち退き交渉において不動産会社が介入する理由、不動産会社ができること・できないことを解説します。

この記事を監修したのは

篠田 匡志
弁護士篠田 匡志
第一東京弁護士会 所属
経歴
立教大学法学部 卒業
慶應義塾大学法科大学院 卒業
金沢市内の総合法律事務所 勤務
春田法律事務所 入所

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賃貸物件の立ち退き交渉を不動産会社が行うケース

ここでは、賃貸の立ち退き交渉に不動産会社が介入する理由を2つを紹介します。

  • オーナーとの管理契約
  • オーナーの交渉力不足

オーナーとの管理契約

賃貸の立ち退き交渉に不動産会社が介入する理由の1つ目は、オーナーとの管理契約です。

管理規約の一環として立ち退き交渉に関するやり取りが含まれるときには、オーナーではなく不動産会社が入居者と立ち退き交渉を行います。また、不動産会社が仲介者になって顧客対応を事実上行っているときには、立ち退きについても入居者に交渉・相談を行うことになります。

オーナーの交渉力不足

賃貸の立ち退き交渉に不動産会社が介入する理由の2つ目は、オーナーの交渉力不足です。

普段は入居者と直接やり取りしていないオーナーも少なくありません。そのようなオーナーは、交渉力不足の場合があるので立ち退き交渉は行わず、不動産分野の交渉知識・経験が豊富な不動産会社に任せた方が効率的と考えても無理はありません。

賃貸の立ち退きで不動産会社ができること・できないこと

続いて、賃貸の立ち退きで不動産会社ができること・できないことをそれぞれ紹介します。

不動産会社ができること

まずは、賃貸の立ち退きで不動産会社ができることを紹介します。不動産会社ができることとしては、物件の貸出しや売却の手続きがあります。特に、立ち退き不動産の売却を行うときには、不動産会社が直接物件を買取ってもらうこと(不動産買取)がおすすめです。

不動産買取を行うことで、長い時間をかけて購入者を見つけなくとも、早期に物件を売却できます。また、物件を早いうちに現金化できることや、仲介者として業務を行ってもらうわけではないため、仲介手数料がかからないこともメリットです。

不動産会社ができないこと

一方、賃貸の立ち退きで不動産会社ができないことを紹介します。

不動産会社ができないことは、報酬を得て、オーナーの代理人となって入居者と立ち退き交渉を行うことです。弁護士資格をもたない方が、オーナーから報酬を得て紛争に介入し、立ち退き交渉を行うことは認められていません。もし不動産会社が入居者と立ち退き交渉を行った場合、弁護士法第72条に定める非弁行為に該当する恐れがあるのです。

この非弁行為に該当したと判断されたときは、刑事告訴される可能性もあるため注意が必要です。

賃貸物件の立ち退き交渉を不動産会社がするときの注意点

ここまでの内容を踏まえ、不動産会社が賃貸物件の立ち退き交渉を行うときに注意すべきポイントを、下記の通り解説します。

  • 賃貸物件からの立ち退きに必要な手続きは全てオーナーの名前で行わなければならない
  • 非弁行為ができないのでオーナーのメッセージを届ける以上のことはできない
  • 立ち退き料の相場を正確に把握して交渉するわけではない

それでは、1つずつ見ていきましょう。

賃貸物件からの立ち退きに必要な手続きは全てオーナーの名前で行わなければならない

注意すべきポイントの1つ目は、賃貸物件からの立ち退きに必要な手続きは全てオーナーの名前で行わなければならないということです。

賃貸借契約とは、特定の目的物(物件)を有償で使用収益させる契約を指します。物件を貸し出すオーナーは貸主・賃貸人として扱われるため、この賃貸借契約に関わる手続きはすべてオーナーの名前で行わなければなりません。

不動産会社は、この手続きを代行できません。これに対して弁護士は、代理人としてオーナーと契約を結ぶことで、入居者との立ち退き交渉をオーナーの代理として行うことができます。

 

非弁行為ができないのでオーナーのメッセージを届ける以上のことはできない

注意すべきポイントの2つ目は、オーナーのメッセージを届ける以上のことはできないことです。

不動産会社は、入居者と立ち退き交渉を行ってしまうと非弁行為に該当する恐れがあるため、その役割としては、オーナーの名で作成した書類を入居者に渡すこと、また、入居者から受け取った書類をオーナーに渡すことなどの連絡事項の取次ぎにとどまります。

とはいえ、不動産会社は、オーナーよりも立ち退き交渉や、借地借家法の規定に詳しいことが多いので、事実上、立ち退きの正当事由を理解したうえでメッセージを伝えるなど、オーナーに助言をすることも多いでしょう。オーナーの名で作成した文書についても、内容を全て不動産会社が作成していることもよくあります。

立ち退き料の相場を正確に把握して交渉するわけではない

注意すべきポイントの3つ目は、立ち退き料の相場を正確に把握できないことです。

立ち退き料とは、オーナーが入居者に対して物件からの立ち退きを求めるときにその代償として支払う費用のことです。オーナーが入居者に立ち退き料を支払うことは、法律で義務付けられているわけではありません。しかし、オーナー都合で立ち退きを要求するときには、入居者に立ち退き料を支払うことが通例です。

立ち退き料には、新居の契約費用(礼金などの初期費用)、引っ越し代金、現在の家賃と新家賃の差額(最大で3年分が目安)などが含まれます。しかし、必ずしも不動産会社がこれらの内訳や相場を把握して交渉を行うわけではありません。そのため、不動産会社による立ち退き交渉で立ち退き料の話が出たときには、トラブルになるリスクも考えられます。

しかし、不動産会社は、立ち退き料を算定する専門家ではありません。不動産会社と立ち退き料の交渉をしておりますと、どこに根拠があるのか不明ですが、よく「立ち退き料は家賃の6か月分」という主張がなされます。このように多くの不動産会社が、立ち退き料の算定方法を正しく理解しているわけではないのです。

賃貸物件の立ち退き交渉は不動産会社よりも弁護士が得意

賃貸の立ち退き交渉をスムーズに進めるには、不動産会社の前に弁護士に相談するようにしましょう。立ち退き交渉のプロである弁護士に依頼すれば、オーナーと入居者双方の事情を考慮したうえで、効率的かつスピーディーに交渉を進めてくれます。

弁護士に相談すると、弁護士費用がかかるのは確かです。しかし、法律的な専門知識や経験がないオーナーが、立ち退き料の決定や入居者との立ち退き交渉を行うことは困難です。また、不動産会社が立ち退き交渉を行うことは非弁行為として法律違反に該当する可能性もあります。

非弁行為は、これを行った不動産会社はもちろん、事情を知って非弁行為を依頼した者も罰せられる可能性もあります。そのため、交渉リスクを回避してスムーズに立ち退き交渉を進めたいときは、弁護士への相談をおすすめします。

まとめ

今回は、賃貸の立ち退き交渉において不動産会社が介入する理由を解説したうえで、不動産会社ができること・できないことを紹介しました。

賃貸物件の立ち退きに、不動産会社が介入することは珍しくありません。しかし、不動産会社にはできること・できないことがあるため、トラブル回避のためには事前に立ち退きに関する知識をつけておくことが重要です。

さらに、トラブル回避のためには前もって弁護士に相談しておくことも重要です。立ち退き交渉においてはトラブルはつきものなので、弁護士に相談したうえでスムーズに立ち退き交渉を進めていきましょう。

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この記事を監修したのは

篠田 匡志
弁護士篠田 匡志
第一東京弁護士会 所属
経歴
立教大学法学部 卒業
慶應義塾大学法科大学院 卒業
金沢市内の総合法律事務所 勤務
春田法律事務所 入所

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