盗撮で実名報道される基準はある?タイミングと回避策を弁護士が解説

最終更新日: 2025年03月09日

盗撮で実名報道される基準はある?タイミングと回避策を弁護士が解説

  • 盗撮で逮捕されてしまった。実名報道され盗撮事件が発覚するのは嫌だ。
  • 盗撮で逮捕されると必ず実名報道されるのだろうか?不安だ。
  • 実名報道を回避できる方法があれば、教えてほしい。

盗撮すれば、逮捕される可能性が高いです。

盗撮が発覚すると、処罰を受ける可能性がある他、インターネットや新聞、TVで実名報道されるおそれもあります。

実名報道されると家族だけではなく、自分が勤務する会社や学校、近所にも逮捕された事実が知れ渡ってしまうでしょう。

そこで今回は、刑事問題に携わってきた弁護士が、盗撮で実名報道される基準、実名報道されるまでの流れや回避策等を詳しく解説します。

本記事のポイントは以下です。お悩みの方は詳細を弁護士と無料相談できます。

  • 盗撮で実名報道される基準は明確でないが、盗撮犯が有名人などの場合、実名報道になるケースが多い
  • 実名報道については警察内部で検討してから、盗撮犯に関する情報をマスコミに提供する
  • 盗撮に関する罪で実名報道されるか不安なときは弁護士と相談した方がよい

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この記事を監修したのは

代表弁護士 春田 藤麿
代表弁護士春田 藤麿
第一東京弁護士会 所属
経歴
慶應義塾大学法学部卒業
慶應義塾大学法科大学院卒業
都内総合法律事務所勤務
春田法律事務所開設

詳しくはこちら

盗撮で実名報道される基準

盗撮が発覚したときどのような基準で実名報道されるかは、明確に決まっていませんが、次のような場合は、実名報道される傾向があります。

  • 有名人:芸能人、スポーツ選手など
  • 公務員や教員
  • 社会的責任がある立場の人:国会議員、大企業の役員など

特に有名人は逮捕されず在宅事件となっても、実名報道されるケースがほとんどです。

また、一般の人でも責任のある職業に就いている方は、逮捕されると実名報道が行われる場合もあります。

ただし、一般の人の場合、盗撮が発覚しても逮捕されずに在宅事件となれば、実名報道されるリスクはほとんどありません。

盗撮で実名報道される可能性が高いケース

一般的に、有名人や社会的な責任のある立場の人は、実名報道される可能性が高いでしょう。

また、常習犯や手口が巧妙で悪質な盗撮事件の犯人も、実名報道となる場合があります。

教員による事件

教員による盗撮事件は、実名報道される可能性が高いです。

教員は、生徒を教育・指導する立場で、高い倫理性が求められます。

教員による次のような盗撮行為は、生徒へ及ぼす影響も大きい深刻な問題であり、実名報道される傾向があります。

  • 階段から生徒のスカートの中を撮影していた
  • 更衣室やトイレに隠しカメラを仕込み、生徒の下半身を撮影していた 等

公務員による事件

公務員も国および地方自治体の公共サービスを執行する職員として、高い倫理性が求められます。

電車やバス等で公務員が行った盗撮も、実名報道される可能性が高いです。

ただし、逮捕されずに在宅事件となった場合は、基本的に実名が情報提供されることはないでしょう。

社会的立場がある人による事件

国会議員や首長・地方議員、大企業の役員(会社員)などによる盗撮行為が該当します。

特に国会議員や地方議員、首長などが盗撮行為などの非違行為をすれば、実名報道となるでしょう。

他にも、大企業の役職員や、医師・弁護士・大学教授などの、社会的責任がある立場の人の場合、実名報道となる可能性が高いです。

手口が巧妙な事件

盗撮行為が悪質な場合、次のような事実が発覚すれば実名報道となる可能性が高いでしょう。

  • 盗撮行為の常習犯である:何回も警察に逮捕され有罪となっている常習者
  • 悪質かつ巧妙な手口で盗撮行為を行った:前もって靴の上部に穴を開け、小型カメラを通してスカートの中を撮影する等、計画性が高い盗撮犯

上記に該当しなくても、最初から盗撮目的で電車やバスに乗車し、盗撮行為に及んだ場合、悪質性が高いと判断され、実名報道の対象になることもあります。

盗撮で実名報道となるタイミング

実名報道されるタイミングは、検察庁に送致された日が一般的です。

警察は、被疑者の逮捕後、原則として48時間以内に検察官へ身柄を送致します。逮捕の翌日か翌々日に連行され、検察官の取調べを受けるケースも多いでしょう。

そのときに、報道カメラマンによって護送バスへ乗り込む直前の容姿などが撮影されることもあります。

当日の昼過ぎ以降には、実名・映像付きで報道されるケースが多いです。

ただし、検察庁へ身柄送致される日までに実名報道が行われなければ、以後も報道されない可能性は高くなります。

盗撮で実名報道されるまでの流れ

盗撮行為が発覚しても逮捕されなければ、実名報道は行われない可能性が高いでしょう。

また、警察が情報提供しても、実名報道をするかどうかはマスコミの判断次第です。

逮捕

盗撮行為は現行犯で逮捕されるケースが多いです。

電車やバスに乗り込み、盗撮行為中または盗撮を終えた直後、私服警察官に逮捕される可能性が高いでしょう。

現行犯逮捕は、警察官の他、盗撮された被害者や周囲の乗客も犯人を逮捕できます(私人逮捕)。私人逮捕の場合、犯人を警察官へ引き渡さなければなりません。

現行犯逮捕を免れても、後日逮捕(通常逮捕)される場合もあります。

被害者が被害届を警察署に提出すれば、捜査を開始する可能性があるからです。

警察は被害者・目撃者の証言の他、監視カメラの映像、周囲の乗客が盗撮の犯行を撮影した動画等も確認し、犯人を特定していきます。

盗撮犯はたとえ現行犯逮捕されなくとも、しばらく経ってから逮捕状を持参した警察官に逮捕される場合もあります。

警察内部での検討

盗撮行為の被疑者を逮捕後、マスコミに情報提供するか否かを判断するのは、捜査を担当する警察署長です。

ただし、警察署長が独断で決めるわけではなく、都道府県警察本部と協議し、情報提供をするかについて検討することになるでしょう。

被疑者が有名人や公務員・教員、社会的立場のある人、常習犯の場合などに情報提供を決める可能性が高いです。

情報提供

警察がマスコミへ情報提供を行います。盗撮犯の氏名や住所・職業、盗撮に至った経緯等が詳しく説明されるでしょう。

有名人でない場合に盗撮で実名報道されるのは、一般的には逮捕されたケースです。

ただし、盗撮犯の実名報道をするかどうかは、マスコミの判断次第です。他に緊急に報道すべき事件や事故があれば、そちらが優先されることもあります。

盗撮で実名報道を回避するための対策

盗撮行為が発覚し実名報道されるのを避ける対策は、まず逮捕される事態を回避することです。

たとえ逮捕されたとしても、マスコミへの情報提供を回避する方法はあります。

弁護士への相談

盗撮行為で逮捕されるおそれがある場合は、事前に弁護士と相談しておいた方がよいです。

弁護士は事情を聴いたうえで、次のアドバイスをします。

  • 盗撮で有罪となればどのような罪に問われるか
  • 実名報道される可能性
  • 自首して逮捕を回避する方法
  • 逮捕後に実名報道されない対応策
  • 弁護士が行う弁護活動 等

相談後、弁護士に弁護を依頼しておけば、警察・検察への説得など逮捕回避のための行動・意見書の提出等を委任できます。

ただし、刑事事件に強い弁護士に依頼することが重要です。インターネットを利用し、ニーズに合った弁護士を選びましょう。

  • 法律事務所のホームページに、刑事事件の相談実績が具体的に明記されている
  • 法律事務所のサイトでは、盗撮に関する話題や相談事例が豊富である
  • 刑事手続の流れや、弁護士費用(目安)がわかりやすく掲示されている

上記の内容が確認できれば、刑事事件に実績のある弁護士・法律事務所であると判断してよいでしょう。

現行犯逮捕され自分で弁護士を選任できない場合は、警察に「家族と連絡をとりたい」と申し出、家族を通じて弁護士に依頼する方法もあります。

逮捕回避

盗撮の疑いで逮捕される前に弁護士が弁護活動を進めれば、逮捕を回避し、実名報道を阻止できる可能性があります。

逮捕は、被疑者が住所不定で、帰宅させると逃亡や証拠隠滅の可能性があるため、身柄を拘束する措置です。

被疑者に生活の本拠があり、逃亡や証拠隠滅のおそれもなければ逮捕に至る可能性は低くなるでしょう

逮捕を回避できた場合は在宅事件となり、被疑者は身柄を拘束されることなく、自宅に戻れます。ただし、「在宅事件=無罪放免」ではありません。

捜査自体は続けられるため、警察や検察から呼び出しを受けたときは、応じる必要があります。

自首

警察に自首すれば、盗撮の疑いで後日逮捕されるリスクを軽減できます。

自首とは、捜査機関から盗撮行為の発覚または犯人が特定される前に、自分が盗撮した事実を申告し、処分に服するという意思表示です。

そのため、捜査機関は逃亡・証拠隠滅のおそれはないと判断し、逮捕を回避できる場合もあるのです。

自分だけで警察署に出向くのが不安なときは、弁護士に同行を依頼しましょう(自首同行)。

弁護士が同行するメリットは次の通りです。

  • 弁護士が警察と自首する日程を調整するため、スムーズに手続きが進む
  • 弁護士が警察に、逃亡や罪証隠滅のおそれはないと説得力を持って主張する
  • 自首後の取り調べのときも弁護士が署内で待機しているので、返答に困ったときアドバイスを受けられる

被疑者の真摯な反省・供述と、弁護士の主張も考慮して、警察が逮捕せずに在宅事件で捜査を進める可能性があります。

意見書の提出

被疑者が現行犯逮捕や後日逮捕された場合でも、意見書(申入書)を提出すれば、警察の情報提供を止められるケースもあるでしょう。

意見書は弁護士が作成を代行し、警察署長に提出しますが、情報提供の最終判断は警察署長が行います。そのため、意見書を提出しても必ず実名報道を回避できるわけではありません。

盗撮での実名報道回避は春田法律事務所まで

今回は刑事事件の示談交渉に尽力してきた弁護士が、盗撮で実名報道される基準や報道までの流れ、実名報道を回避する対応方法等について詳しく解説しました。

実名報道を避けるには、まず警察に逮捕されないことです。逮捕後であっても、弁護士の尽力で実名報道を回避できる場合もあります。

春田法律事務所は刑事事件に関するアドバイスや、弁護活動に実績豊富な法律事務所です。盗撮での実名報道が不安なときは、弁護士との相談を検討しましょう。

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