発信者情報開示請求が届いたときの正しい対処法を専門弁護士が徹底解説!

2022年08月03日

発信者情報開示請求が届いたときの正しい対処法。専門の弁護士が徹底解説

  • 発信者情報開示請求に係る意見照会書が届いたが、どうすれば?
  • 発信者情報開示に同意をしたらどうなるの?
  • 意見照会書を拒否したり、無視したらどうなるの?

近年、SNSや掲示板への投稿、ファイル共有ソフトを利用した違法ダウンロードに関して、発信者情報開示請求を受け、プロバイダから意見照会書が届くケースが増えています。ほとんどの方が経験の無いことで正しい対処法がわからず不安を覚えています。

そこで今回は、発信者情報開示請求の基礎知識から正しい対処法まで専門弁護士が徹底解説します。

この記事を監修したのは

代表弁護士 春田 藤麿
代表弁護士春田 藤麿
愛知県弁護士会 所属
経歴
慶應義塾大学法学部卒業
慶應義塾大学法科大学院卒業
都内総合法律事務所勤務
春田法律事務所開設

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発信者情報開示請求が届いた?どういうこと?

ある日突然、自宅に発信者情報開示請求に係る意見照会書が届きます。ほとんどの方が経験したことのないものでしょう。これに対してどのように対処すべきか検討する前に、まずは発信者情報開示請求とは何であるのか確認しておきましょう。

  • 発信者情報開示請求とは?
  • 意見照会書とは?

発信者情報開示請求とは?

発信者情報開示請求とは、プロバイダ責任制限法第4条1項に定められた手続きで、SNSや掲示板などへの投稿やファイル共有ソフトの利用によって権利を侵害されたと主張する人が、プロバイダに対して発信者の氏名や住所等を開示するよう求める手続きです。

なぜ、このようにして発信者を特定するのかといえば、損害賠償請求などの民事責任の追及や、捜査機関に捜査・起訴を求める刑事告訴をするためです。つまり、発信者情報開示請求がなされた場合、次の段階として、これらの法的責任追及がなされるのです。

なお、発信者情報開示請求は専門性の高い手続きのため、ほとんどの場合、請求者には代理人弁護士が就いています。

意見照会書とは?

発信者情報開示請求をされたことを初めて知るのは、プロバイダから発信者情報開示請求に係る意見照会書を受け取った時です。

この意見照会書とは、請求者に対して氏名や住所等を開示しても構わないかどうか、プロバイダが契約者にその意見を確認するものです。プロバイダはその意見を参考にして発信者情報を開示するかどうか判断します。

5チャンネルや爆サイなどコンテンツプロバイダの管理者から意見照会が届くことも稀にありますが、ほとんどの場合はNTTぷらら、ソニーなどインターネットサービスプロバイダから届きます。

回答期限は7日から14日と比較的短い期間となっていますので、意見照会書が届いたら直ぐに対応を検討することが必要です。なお、意見照会書はインターネットサービスプロバイダの契約者宛に届きますので、例えば契約者が父親など同居する家族の場合、回答するのは発信者本人です。

発信者情報開示請求が届いたときの対応方法

次に、発信者情報開示請求に係る意見照会書が届いたらどのような対処をするべきかについて、身に覚えがないという場合、権利侵害はない場合、そして権利侵害がある場合それぞれに分けてご説明します。

  • 身に覚えがない場合
  • 権利侵害がない場合
  • 権利侵害がある場合

身に覚えがない場合

SNSや掲示板に指摘されているような投稿をした覚えはない、指摘されているファイル共有ソフトを使用したことがないという場合です。

まずはご家族に意見照会書を見せて、身に覚えがある方がいないか確認をしましょう。

アダルト作品をダウンロードしたなど名乗り出にくい場合もあるでしょう。しかし、後に説明しますように身に覚えがあるにもかかわらず、誤った対応をしますと大事に発展しますので、そのことを説明して正直に名乗り出てもらうことが重要です。

それでも誰も身に覚えがある方がいない場合はどのように対処すべきでしょうか。

意見照会書が届いたということはご自身のアカウントやインターネット環境を利用して投稿などがされたことは間違いありません。そのため、自分ではないということを証明することができない限りは、証拠上は、ご自身が投稿などをしたという認定になってしまいます。

そのため、自分ではないことを証明することが難しい場合には、発信者はご自身であることを前提として以下2つの場合と同様の対応をとることになります。

権利侵害がない場合

確かに指摘されている投稿などをしたものの、それが名誉権、プライバシー権、著作権などの権利を侵害する違法行為とはいえない場合があります。この場合、発信者情報開示には同意せず、その理由として権利侵害はないことについて法的主張を展開します。

権利侵害に該当するかどうかの判断、法的主張の展開は弁護士でなければできません。意見照会書への回答書において説得力のある法的主張を展開することで、請求者がその後の訴訟提起を断念するケースもあります。

このように、回答書は単に同意する、同意しないという内容にとどまるものではありませんので、その作成は必ず弁護士に依頼しましょう。

なお、ファイル共有ソフトのケースの場合、著作権などの権利侵害の事実が明白なケースがほとんどです。そのため、発信者情報開示を拒否したとしても、プロバイダが任意に開示したり、そうでなくとも裁判所が開示を命じる判決を出す可能性が高いです。

権利侵害がある場合

一方、指摘されている投稿などをしたのが事実であり、かつ、権利侵害に該当することが明らかな場合もあります。この場合、発信者情報開示には同意をし、請求者と示談(和解)することを目指すのが得策です。

なぜなら、請求者は民事訴訟や刑事告訴を予定しており、民事訴訟になりますと解決までに時間と費用を要しますし、刑事告訴をされれば逮捕・起訴され日常生活に多大な不利益が生じるからです。

なお、氏名や住所を請求者に開示されるとその情報を晒されたり、私生活に悪影響が生じる恐れがある場合には、弁護士に依頼をしたうえで、請求者本人には情報を伝えないよう配慮してもらう対応が必要です。

発信者情報開示請求が届いたのに無視や拒否をしたら?

以上、発信者情報開示請求に係る意見照会書への対応についてご説明しました。

開示に同意をすれば発信者情報は請求者に開示されますが、開示に同意しなかった場合や無視して回答自体をしなかった場合にはどうなるのでしょうか。

  • 発信者情報は開示されるのか
  • 開示されるまでの期間
  • 弁護士費用も賠償させられる

発信者情報は開示されるのか

発信者情報開示請求に係る意見照会書を無視した場合、プロバイダは特に意見はないものとみなします。また、開示に同意しなかった場合には、プロバイダは同意しない理由を踏まえて開示するかどうか判断します。

権利侵害の事実が明白な場合にはプロバイダが任意に発信者情報を開示するケースもありますが、安易に開示しますとプロバイダは契約者から損害賠償請求を受けるリスクを負いますので、同意がない限り、プロバイダは発信者情報を任意には開示しないのが通常です。

発信者情報の開示が得られなかった請求者は、今度は、プロバイダに対して発信者情報開示請求訴訟という裁判を起こして発信者情報の開示を求めます。

裁判所が発信者情報の開示をすべきかどうか審理し、開示すべきと判断したときは、プロバイダから請求者に対して発信者情報の開示がなされます。一方、開示すべきではないと判断されたときは、発信者情報は開示されません。

開示されるまでの期間

請求者がプロバイダに対して発信者情報開示請求をしてから、意見照会書が届くまでの期間はまちまちです。プロバイダが比較的小さい会社の場合には1、2か月ほどで意見照会書が届くこともありますし、大手の場合には半年ほど後に届くことも多くあります。

そして、開示に同意したときは、1か月ほどでプロバイダから請求者に対して発信者情報が開示されます。

一方、開示を拒否又は意見照会書を無視した場合、そこから裁判が行われますので、請求者が勝訴したときは3か月から半年ほどで発信者情報が開示されることになります。

弁護士費用も賠償させられる

権利侵害に身に覚えがある場合でも、責任を逃れたい一心で発信者情報開示に係る意見照会書を無視する、発信者情報開示を拒否するという対応をする方もおられます。

しかし、このような対応は非常にリスクが高いです。なぜなら、前記のとおり、その後に請求者はプロバイダに対して発信者情報開示請求訴訟をしますが、この訴訟に勝訴した場合、訴訟に要した弁護士費用の全額の賠償を求められる可能性があるからです。

発信者情報開示請求は、専門性が高く、弁護士に依頼しなければ行うことが困難なため、弁護士費用の全額の賠償を命じる判断をした裁判例もあります。弁護士費用は50万円から100万円ほどかかることが多いです。

責任を逃れたい一心で無視したり、拒否する態度を取りたくなる気持ちも理解できなくはありませんが、無用に損害賠償額を増加させる結果となってしまいます。

発信者情報開示請求が届いたときの法的責任

発信者情報開示を受けて加害者を特定した請求者は、いよいよ加害者に対して法的責任を追及してきます。最後に、どのような法的責任を追及されるのかご説明します。

  • 民事手続で損害賠償
  • 刑事手続で刑事罰

民事手続で損害賠償

まずは、民事手続での損害賠償請求です。

名誉権、名誉感情、プライバシー権を侵害した場合には、慰謝料として10万円~50万円、内容が酷い場合には100万円ほどが認められる可能性があります。

ファイル共有ソフトで著作権を侵害したケースでは、数百万円から数千万円の損害賠償を求められることも珍しくありません。

刑事手続で刑事罰

一方、民事責任の追及とともに刑事告訴をして捜査機関に捜査と起訴を求め、加害者に刑事罰を科すことを求める、刑事責任の追及をされることもあります。

この場合、権利侵害が悪質であったり、逃亡や罪証隠滅の恐れがあると判断されたときは、逮捕・勾留され20日以上もの期間、身柄拘束される可能性があります。そして、起訴されて有罪判決を受けたときは前科が付くことになります。

有罪判決を受けた場合の刑事罰について以下の表にまとめておきます。

 

名誉棄損罪
(刑法第230条1項)
3年以下の懲役・禁固
又は50万円以下の罰金
侮辱罪
(刑法第231条)
1年以下の懲役・禁固
又は30万円以下の罰金、拘留、科料
著作権侵害
(著作権法第119条1項)
10年以下の懲役若しくは1000万円以下の罰金
又はこれらの併科

 

まとめ

以上、発信者情報開示請求の基礎知識から正しい対処法まで解説しました。

プロバイダから意見照会書が届いたときは、その内容を法的見地からしっかりと検討した上で正しい対処法をとる必要があります。対応を誤ると多額の損害賠償を強いられたり、逮捕・起訴される恐れがあります。

プロバイダから発信者情報開示に係る意見照会書が届いたときは、回答期限も迫っていますので、一日も早く専門の弁護士に無料でご相談ください。

最後までお読みいただきありがとうございました。ご不明な点があるときやもっと詳しく知りたいときは、下にあるLINEの友達追加ボタンを押していただき、メッセージをお送りください。弁護士が無料でご相談をお受けします。

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この記事を監修したのは

代表弁護士 春田 藤麿
代表弁護士春田 藤麿
愛知県弁護士会 所属
経歴
慶應義塾大学法学部卒業
慶應義塾大学法科大学院卒業
都内総合法律事務所勤務
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