立ち退き料と弁護士費用は経費にできる?専門弁護士が解説

最終更新日: 2023年12月03日

立ち退き料と弁護士費用は経費にできる?専門弁護士が解説

・立ち退き交渉の弁護士費用は経費にできるのか
・弁護士費用のうち経費にできるものとそうでないものがあるのか
・立ち退き料は経費になるか

賃貸物件で老朽化による建て替えなどを理由として、大家が賃借人に立ち退きを求めることがあります。この場合、大家が弁護士に立ち退き交渉を依頼することもありますし、賃借人も弁護士に依頼することもあります。

いずれにしても法人か個人かを問わず事業主であれば、弁護士費用が経費になるかどうか、支払った立ち退き料が経費になるかどうかは関心事と思います。

今回は、立ち退き交渉の弁護士費用や立ち退き料が経費になるのか専門弁護士が解説します。

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この記事を監修したのは

代表弁護士 春田 藤麿
代表弁護士春田 藤麿
第一東京弁護士会 所属
経歴
慶應義塾大学法学部卒業
慶應義塾大学法科大学院卒業
都内総合法律事務所勤務
春田法律事務所開設

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立ち退きに伴う弁護士費用は経費にできる?弁護士費用の基礎知識

立ち退きに伴う弁護士費用は経費にできるかみていく前にまずは弁護士費用の基礎を確認しましょう。

弁護士費用の内訳の基本は以下の3つです。

  • 相談料
  • 着手金
  • 成功報酬金

相談料

弁護士費用の内訳の1つ目は、相談料です。

相談料とは、弁護士に法律相談を行うときに発生する費用のことです。法律相談では、弁護士から法律的な解決方法やアドバイスをもらえます。相談料は、日本弁護士連合会の旧基準に合わせて30分5,000円から1万円に設定している事務所が多いです。

一方で、最近では当事務所のように相談料を無料としている事務所も増えてきています。少しでも弁護士費用を抑えたいときは、無料相談ができる事務所も検討しましょう。

依頼をした後は、同じ案件では相談料はかからない事務所がほとんどです。ただし、依頼した案件と別件で相談するときは、新たに相談料が請求されることが一般的です。

着手金

弁護士費用の内訳の2つ目は、着手金です。

着手金とは、弁護士に相談後、正式に依頼するときに発生する費用のことです。着手金は委任契約後に指定された口座に振り込む事務所が多いですが、依頼当日に現金で支払う事務所もあります。

注意点としては、着手金は手付金や内金ではありません。そのため、途中解約や問題の未解決があっても着手金は原則返還されません。着手金の金額は、定額または依頼者の経済的利益の〇%としていることが多いですが、当事務所のように着手金無料の報酬体系を設けているところもあります。

成功報酬金

弁護士費用の内訳の3つ目は、成功報酬金です。

成功報酬金とは、依頼した仕事の一部または全てが完了した後に事務所に支払う費用のことです。依頼者が得られた経済的利益の〇%と設定するのが通常です。また、経済的利益である立ち退き料が代理人である弁護士事務所の口座に入金されるときは、その中から成功報酬金を相殺することが多いです。

弁護士費用は、一括支払いのほか、分割払いに対応してくれる事務所もあります。資金面に不安があるときは、分割払いのできる事務所の利用を検討しましょう。

立ち退き料と弁護士費用は経費にできる?

さて、それでは立ち退き料や弁護士費用が経費になるかどうかです。

弁護士費用は経費になる

立ち退き交渉を弁護士に依頼してかかった相談料、着手金、成功報酬はいずれも全額経費になります。

国税不服審判所の昭和54年6月29日裁決は、立ち退き料を得るためにかかった弁護士費用も経費と認めています。

立ち退き料は経費になる

所有して賃貸している物件の立ち退き交渉で立ち退き料を支払う場合であっても、これから取得する物件の立ち退き交渉であってもいずれにしても経費となったり所得から控除されたりと支払った立ち退き料の金額は控除されることになります。

まとめ

今回は、立ち退きに伴う弁護士費用に関する前提知識と、立ち退き料や弁護士費用が経費になるのかについて解説しました。

立ち退き交渉が難しいと感じた場合には、一度、専門の弁護士へ相談してみてください。

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