不倫の証拠の集め方|自分でできる方法・違法収集のリスク・証拠がない場合の対処を弁護士が解説
2026年06月11日

「配偶者の不倫を疑っているが、どうやって証拠を集めればいい?」「やってはいけない証拠の集め方はある?」「証拠が全然ない…どうしたら?」
不倫の慰謝料請求で重要なのは、証拠を「適法に・効率よく」集めることです。方法を誤ると証拠が無効になるだけでなく、収集した自分が法的リスクを負うことがあります。
この記事では、自分でできる証拠収集の具体的な方法、絶対にやってはいけない違法な収集手段、証拠がない・足りない場合の対処法を弁護士が解説します。
この記事を監修したのは
職員が丁寧にお話を伺います初回無料
証拠収集を始める前に確認すること
「不貞行為」の証明に必要なもの
慰謝料請求が認められるのは「不貞行為(肉体関係)があった」と認定された場合です。
つまり「二人で食事した」「頻繁に連絡している」だけでは証拠として不十分で、肉体関係があったことを「推認」させる証拠が必要です。
証拠に求められる2つの条件
①証拠力
肉体関係があったことを合理的に推認できる内容であること
②適法性
違法な手段で収集していないこと(違法収集証拠は裁判で排除される可能性がある)
自分でできる証拠の集め方4つ
費用をかけずに自分でできる証拠収集の方法を紹介します。いずれも適法な範囲で実施してください。
LINEやSNSのスクリーンショット保存
自分のスマホに届いた通知・自分が見られる状態のメッセージをスクリーンショットで保存します。
- 自分宛のLINEや、配偶者が自分に見せた画面であれば適法
- 性的な内容・「また会いたい」などの具体的なやり取りを優先して保存
- 日時・送受信者が確認できる状態で保存する(スクリーンショットはできるだけメタデータが残る形式で)
会話の録音
自分が参加している会話を録音することは原則として適法です。
- 配偶者に問い詰めた際の「ごめん、本当のことを言う」などの発言を録音
- スマホのボイスメモ機能で十分。衣服のポケットに入れておくだけでも可
- 録音の前に「これから話す」ことを意識せず、自然な会話の中で録音するのがポイント
- 第三者の会話を当事者の同意なく録音することは違法になる場合があります
クレジットカード明細・領収書の確認
配偶者の金銭の動きは重要な間接証拠になります。
- ホテル名・旅館名が記載されたクレカ明細(オンライン明細からスクリーンショット)
- 外食・プレゼント購入の領収書
- 家計とは別の支出(ATM引き出しの増加など)
- クレカ明細は自分名義のものを確認するのは当然適法。配偶者名義のものを無断で見ることには注意が必要です
公道での行動記録・外出時間のメモ
公道での撮影・尾行は原則として適法です(私有地侵入・つきまとい行為はNG)。
- 深夜の外出・帰宅時間を日付と合わせてメモする
- 公道でのツーショット写真(望遠レンズ使用も可)
- 外出先の記録(駐車場のレシート・交通系ICカードの履歴)
ただし自分で尾行することはリスクも伴います。発覚した場合のトラブルを避けるため、探偵への依頼も検討してください。
収集方法 | 適法性 | ポイント |
自分の会話の録音 | ○ 適法 | 自分が参加している会話はOK。第三者の会話は要注意 |
LINEのスクリーンショット(自分宛) | ○ 適法 | 自分が受け取ったメッセージの保存はOK |
クレカ明細(自分名義) | ○ 適法 | 自分名義の明細確認は問題なし |
公道での撮影・記録 | ○ 適法 | 私有地侵入・つきまといはNG |
配偶者名義クレカの無断確認 | △ グレー | 状況による。弁護士に要相談 |
配偶者のスマホの無断ロック解除 | × 違法リスク | 不正アクセス禁止法違反の可能性 |
GPSの無断設置(第三者の車) | × 違法 | ストーカー規制法等違反 |
盗聴器の設置 | × 違法 | 電波法等違反 |
違法な証拠収集のリスク
GPSトラッカーの無断設置
配偶者の車や荷物にGPSトラッカーを無断で設置して位置情報を追跡する行為は、状況によってストーカー規制法違反・不正競争防止法違反に該当するリスクがあります。
ただし、配偶者の車(夫婦の共有財産)への設置については、判例が分かれており一概に違法とは言えません。弁護士に相談したうえで判断することをおすすめします。
スマホの無断ロック解除・アカウント閲覧
配偶者のスマホのパスコードを無断で解除してLINE・メールを閲覧する行為は、不正アクセス禁止法に違反する可能性があります。
ただし、夫婦間でパスワードを共有していた・過去に許可を得ていたなどの事情がある場合は、適法と判断されるケースもあります。
違法収集証拠の証拠能力
違法な手段で収集した証拠は、民事裁判において証拠として排除される可能性があります(違法収集証拠排除法則)。
ただし民事訴訟では刑事訴訟より排除の基準が緩やかであり、違法性が軽微な場合は証拠として採用されるケースもあります。
いずれにせよ、違法な証拠収集は自身のリスクを高めるため、弁護士に相談したうえで適法な方法で証拠を集めることが最善です。
収集方法 | 適法性 | リスク |
自宅内での会話の録音 | 原則適法 | 録音者が会話に参加している場合は問題なし |
公道での尾行・撮影 | 原則適法 | 私有地侵入・つきまとい行為はNG |
配偶者のSNSの公開投稿確認 | 適法 | 公開情報のため問題なし |
配偶者のスマホの無断ロック解除 | 違法リスクあり | 不正アクセス禁止法違反の可能性 |
GPSの無断設置(第三者の車) | 違法 | ストーカー規制法・不正競争防止法違反 |
GPSの無断設置(配偶者の車) | 判例が分かれる | 弁護士に要相談 |
盗聴器の設置 | 違法 | 電波法・不正競争防止法違反 |
私有地への無断侵入・撮影 | 違法 | 住居侵入罪・建造物侵入罪 |
証拠がない場合はどうするか
今から集める
「まだ証拠がない」という状況でも、今から収集を始めることができます。
- 不審な外出や帰宅時間をメモ・記録する
- クレジットカードの明細を定期的に確認する
- 公道でのツーショットを撮影する(違法にならない範囲で)
- 会話の録音(自分が参加している会話)
探偵(興信所)に依頼する
探偵による調査は、適法な範囲での尾行・撮影・報告書作成を専門とするため、証拠力の高い調査報告書を得られます。
費用は調査内容・期間によりますが、数十万円〜が目安です。
弁護士に相談してから探偵に依頼すると、必要な証拠の種類・水準を事前に確認できるため効率的です。
不倫調査の費用相場や、自分で調べる方法と探偵に頼む場合の比較については、こちらの記事で詳しく解説しています。
弁護士に相談する
証拠が不十分な状況でも、弁護士が現状の証拠を評価し「このまま交渉できるか」「追加で何が必要か」を判断します。
証拠が薄くても示談交渉で解決するケースはあります。また訴訟より調停の方が証拠の要求水準が低い場合があります。
「証拠がないから請求できない」と諦める前に、まず弁護士に相談することをおすすめします。
不倫問題で弁護士に依頼するメリットや費用については、こちらの記事で詳しく解説しています。
集めた証拠をもとに行う慰謝料請求の示談の進め方や示談書の作り方については、こちらの記事で詳しく解説しています。
弁護士と探偵の使い分け
弁護士 | 探偵(興信所) | |
主な役割 | 法的判断・交渉・訴訟代理 | 証拠収集(尾行・撮影・報告書作成) |
証拠収集 | 直接の調査はしない | 専門の調査が可能 |
交渉・請求 | 代理人として対応可能 | 交渉・法的手続きは不可 |
費用 | 着手金+成功報酬 | 調査費用(固定または日当制) |
相談タイミング | まず最初に相談 | 証拠収集の必要が明確になってから |
最も効率的な進め方は「①弁護士に相談して方針を決める→②必要なら探偵に依頼→③証拠をもとに弁護士が交渉・請求」という流れです。
よくある状況と対応例
LINEのスクリーンショットと録音で示談成立したケース
状況
配偶者のスマホに表示されたLINEの通知を偶然目にし、性的な内容のやり取りを発見。スクリーンショットを撮影した。また後日、配偶者に問い詰めた際の「ごめん、本当のことを言う」という配偶者が不貞を認める内容の発言を録音していた。
対応
弁護士が証拠を評価し、LINEと自白録音の組み合わせで不貞行為の推認が十分と判断。弁護士名義の内容証明を送付すると、不倫相手はすぐに弁護士を立てて交渉に応じた。
※こちらはあくまで参考であり、実際の案件とは異なります。
相手弁護士に証拠を否定されたが、法的戦略で慰謝料を獲得したケース
状況
SNSのDMのスクリーンショットや二人で写った写真を持っていたが、不倫相手が弁護士を立て「これでは肉体関係の証明にならない」と反論してきた。法律の知識がなく言い返せず、交渉が完全に行き詰まった状態で弁護士に相談に来た。
対応
弁護士が証拠を精査したところ、DMの内容・送受信日時・写真のExifデータを組み合わせることで複数回の密会が裏付けられると判断。さらに配偶者のクレジットカード明細(ホテル名の記載あり)も証拠として活用できることを指摘。弁護士名義の内容証明で証拠の具体的な内容を提示しながら交渉を再開した。
※こちらはあくまで参考であり、実際の案件とは異なります。
よくある質問(FAQ)
Q:LINEのスクリーンショットは証拠になりますか?
A:性的な内容や肉体関係を示すやり取りであれば証拠力があります。ただし相手が「加工・捏造された」と主張する可能性があります。取得した端末・日時のメタデータが残っているとより信頼性が高まります。また相手のスマホを無断でロック解除して取得した場合は適法性が問題になり得ます。
Q:録音は証拠になりますか?
A:自分が会話に参加している(会話の一方当事者が自分)場合の録音は原則として適法で、証拠力があります。「体の関係があった」「不貞をした。ごめんなさい」などの自白・謝罪が録音されていれば非常に有効です。ただし第三者の会話を無断で録音することは違法になる場合があります。
Q:探偵に頼まないと証拠は集められませんか?
A:ご自身で証拠を集めることも可能です。LINEのスクリーンショット・録音・領収書の確認などは自分で行えます。ただし「肉体関係があった」ことを確実に立証する写真・動画を取得するには探偵の専門的な調査が有効です。まず弁護士に現状の証拠を評価してもらい、探偵が必要かを判断することをおすすめします。
Q:証拠がまったくない状態で慰謝料請求できますか?
A:証拠なしでの請求は困難ですが、不可能ではありません。相手が示談交渉に応じて事実を認めた場合は合意できることがあります。また調停では証拠の要求水準が訴訟より低い場合があります。「証拠がないから無理」と諦める前に弁護士に相談することをおすすめします。
Q:不倫相手のSNSの投稿を証拠にできますか?
A:できます。公開されているSNSの投稿・写真は適法に取得できる証拠です。ただしSNSの投稿だけでは肉体関係の証明には不十分なことが多く、他の証拠と組み合わせることが必要です。投稿は削除される可能性があるため、発見したらすぐにスクリーンショットで保存してください。
Q:証拠を集めているときに配偶者にバレたらどうなりますか?
A:証拠収集中にバレると、相手がLINEを削除したり言い訳を準備したりするリスクがあります。また証拠収集の方法が違法だった場合に問題が生じることもあります。バレるリスクを最小化するためにも、証拠収集の前に弁護士に相談し、適法かつ効率的な方法でアドバイスを受けることをおすすめします。
まとめ
不倫の証拠収集について重要なポイントを整理します。
ポイント | 内容 |
自分でできる収集 | LINE保存・録音・クレカ明細確認・公道での記録が基本の4手段 |
絶対NGの収集 | GPSの無断設置・スマホの不正アクセス・盗聴・不法侵入は自分が法的リスクを負う |
グレーゾーン | 配偶者の車へのGPS・配偶者名義のクレカ確認は弁護士に相談して判断 |
証拠がない場合 | ①今から適法に収集②探偵に依頼③弁護士に現状の証拠を評価してもらう |
探偵と弁護士の順番 | まず弁護士に相談→さらなる証拠獲得が必要なら探偵→証拠をもとに弁護士が交渉・請求 |
諦めないこと | 証拠が薄くても交渉で解決するケースあり。まず弁護士に相談を |
証拠の集め方を誤ると、せっかく集めた証拠が使えなくなったり、自身が法的リスクを負ったりすることがあります。
「どんな証拠が必要か」「今ある証拠で請求できるか」は、弁護士に相談することで明確になります。まずはお気軽にご相談ください。
証拠が揃ったら、内容証明郵便で慰謝料を請求する方法と法的効力について、こちらの記事で詳しく解説しています。
※内容によってはご相談をお受けできない場合がありますので、ご了承ください。
職員が丁寧にお話を伺います初回無料
不倫・離婚などの実績









