SNSでの嫌がらせ問題を弁護士が解説!スムーズに対処するポイント・活動内容も詳しく紹介

最終更新日: 2024年01月11日

SNSでの嫌がらせ問題を弁護士が解説!スムーズに対処するポイント・活動内容も詳しく紹介

  • SNSで嫌がらせを受けている。どこに相談すればよいのか?
  • SNSでの嫌がらせを弁護士に相談したら、問題解決のためにどのような対応をするのだろう?
  • SNSでのトラブルに精通した弁護士の見つけ方を教えて欲しい!

SNSは匿名で利用できる場合が多く、気兼ねなく書き込みできる利点がある反面、相手の嫌がらせを目的とした投稿が後を絶ちません。

SNSで嫌がらせを受けたら、自分一人で悩まず、法律の専門家や行政機関等に相談してみましょう。

今回は、SNSトラブルへの対応経験が豊富な専門弁護士が、SNSによる嫌がらせを相談できる窓口や、弁護士へサポートを依頼する有効性等について詳しく解説します。

本記事のポイントは以下です。お悩みの方は詳細を弁護士と無料相談することが可能です。

  • SNSで嫌がらせを相談する窓口としては、法律事務所や警察、みんなの人権110番等がある
  • 弁護士に依頼すれば、様々な手続きや法的措置を駆使してトラブル解決を図る
  • SNSでの嫌がらせを解決するためには、ネットに関する法的トラブルの交渉・訴訟に実績のある弁護士を選ぶ

発信者情報開示・削除に強い弁護士はこちら

この記事を監修したのは

代表弁護士 春田 藤麿
代表弁護士春田 藤麿
第一東京弁護士会 所属
経歴
慶應義塾大学法学部卒業
慶應義塾大学法科大学院卒業
都内総合法律事務所勤務
春田法律事務所開設

詳しくはこちら

SNSでの嫌がらせに対する弁護士と警察・相談窓口の役割

SNSで嫌がらせを受けたときは、一人で悩んでいるだけでは解決できません。

どのような対応をとればよいのか、一緒に考えてくれる法律の専門家や行政機関等へ相談してみましょう。

弁護士

法律事務所ではSNSに関する法的トラブルの相談を受け付けています。

ただし、相談相手が弁護士なら誰でもよいわけではありません。

SNSや掲示板サイト等での法的トラブルの相談、交渉・訴訟等に携わってきた弁護士を選びましょう。

弁護士はSNSで嫌がらせの状況、被害者がどのような解決を望むかについてヒアリングします。

そのうえで、次のようなアドバイスを行います。

  • SNSで投稿されている内容は嫌がらせに当たるのか
  • 嫌がらせの投稿を削除する方法
  • 投稿削除とあわせて進める手続(例:発信者情報開示請求や命令等)
  • 嫌がらせをした投稿者への法的措置 等

基本的に30分で5,000円の相談料がかかります。法律事務所の中には初回相談が無料のところもあります。

警察

各都道府県警察には「サイバー犯罪相談窓口」が設けられています。

サイバー犯罪に関する相談や情報提供については、サイバー犯罪対策課等で受け付けています。相談はもちろん無料です。

SNSで嫌がらせを行っている投稿者の身元が特定できていて、刑事告訴を希望する場合は、最寄りの警察署で手続きを進めましょう。

みんなの人権110番

法務省では法務局・地方法務局・支局内に相談所を設けています。

「みんなの人権110番(全国共通人権相談ダイヤル)」から、気軽に相談が可能です。

  • 電話番号:0570-003-110
  • 受付時間:平日午前8時30分~午後5時15分

なお、相談所ではSNSによる嫌がらせの他、差別や虐待、ハラスメント等、様々な人権問題についての相談を受け付けています。

インターネットや窓口も相談を受け付けているので、自分の利用しやすい方法で相談しましょう。

SNSでの嫌がらせに弁護士とスムーズに対処するポイント

SNSでの嫌がらせを解決するために、できるだけ早く弁護士と相談して対応を話し合いましょう。

こちらでは、弁護士と相談するときに提示すべきもの、そして弁護士と共に進める手続きを説明します。

証拠収集

SNSでの嫌がらせを放置していると、その投稿が削除される可能性もあります。

弁護士と相談する前に、しっかり証拠を保全しましょう。

SNSに投稿された次のような嫌がらせの内容等をスクリーンショットで撮影し、証拠として残すとよいです。

  • 誹謗中傷の書き込み
  • 無許可で撮影された画像、動画
  • 嫌がらせの書き込み等が投稿された日時

弁護士にこれらの証拠の画像を見せれば、深刻な状態であることがわかります。

弁護士への相談

証拠の画像を見せ、深刻な嫌がらせの状態を伝えたうえで、対応をどうするかについて話し合います。

弁護士に代理人を依頼すれば次のような対応を任せられます。

  • 投稿者の身元を特定する手続き→発信者情報開示請求または発信者情報開示命令
  • 嫌がらせの削除要請→投稿者やSNS管理者への削除要請、削除の仮処分申立て
  • 投稿者との話し合いによる解決→和解(示談)交渉
  • 民事裁判での解決→損害賠償請求訴訟の提起
  • 警察等に被害を報告する→刑事告訴

誹謗中傷をした投稿者の処罰を望むのであれば、投稿者を名誉棄損罪や侮辱罪に問うことができます。

ただし、どちらも親告罪であるため、被害者本人による告訴が必要です。

被害者本人が、損害賠償は望むが処罰までは望まないのであれば告訴は不要です。

どのような法的措置をとるか慎重に協議後、被害者本人の意向に従い弁護士が手続きを進めていきます。

発信者情報開示請求・命令

投稿者との和解や法的措置をとりたくても、嫌がらせをした相手の氏名・住所等がわからなければ、その後の手続きを進められません。

そこで、弁護士はプロバイダ責任制限法に基づき、発信者情報開示請求(同法第5条)や発信者情報開示命令(同法第8条)の手続きを進めていきます。

  • 発信者情報開示請求:SNS管理者、経由プロバイダ(例:ソフトバンク等)に対して投稿者(発信者)の情報開示を請求する方法
  • 発信者情報開示命令:裁判所に発信者情報開示命令を申し立て、SNS管理者、経由プロバイダに一括で開示請求をする方法

発信者情報開示命令は2022年10月に新設された請求方法で、SNS管理者と経由プロバイダに対してまとめて投稿者(発信者)の情報開示を要求できます。

迅速に投稿者の身元を特定したいときは、開示命令を裁判所に申し立てましょう。

出典:プロバイダ責任制限法 | e-Gov法令検索

削除要請

いつまでも嫌がらせの投稿をSNS内に放置しておくと、その投稿が拡散されてしまうおそれがあります。

投稿者の身元の特定や法的措置を進めると共に、投稿を早急に削除しましょう。

自分のSNSに書き込まれた嫌がらせであれば、自分で削除できます。

しかし、投稿者のSNSに嫌がらせの投稿がなされている場合は、投稿者本人やSNS管理者に削除してもらわなければなりません。

この場合も弁護士が削除要請をすれば、投稿者側に大きなプレッシャーを与えられます。削除に応じる可能性も高くなるでしょう。

なお、弁護士がSNS管理者に削除要請をしても、削除に応じないケースがあります。

その場合、弁護士は被害者の承諾の下で削除の仮処分を裁判所に申し立て、管理者に削除を命じるよう働きかけます。

SNSにおける嫌がらせに対して弁護士が行う活動内容

弁護士にSNSのトラブル解決を依頼すれば、解決のためのいろいろな対応をスムーズに進めることができます。

代行手続き

SNS管理者・経由プロバイダへの請求や、裁判手続きを進める場合は、様々な書類や証拠物の提出等が必要です。

法律の知識がなければ、どのような書類を収集・作成してよいかわからず、提出しても不備を指摘されることもあります。

弁護士に任せれば、代理人となって適切に手続きを進めるので、スピーディに問題を解決できます。

交渉

被害者と投稿者(加害者)の和解(示談)が成立すれば、迅速な問題解決が図れます。

和解を進めるのも弁護士の役割です。こちらの主張だけでなく、相手の言い分も聴き、双方が納得できる和解条件を話し合います。

和解が成立すれば、訴訟の提起や刑事告訴されるリスクを避けられるため、被害者だけでなく、加害者側にも交渉のメリットがあります。

双方が弁護士を立てて交渉すれば、冷静に交渉を進められます。弁護士が交渉の窓口となれば、被害者と加害者が直接会うことはまずありません。

慰謝料請求の対応

和解(示談)交渉では、慰謝料の金額や支払い方法、支払期限が話し合われます。

交渉で最も難しいのは慰謝料の金額をどうするかです。

弁護士は、SNSでどのような嫌がらせを受けたかによってどのくらいの慰謝料になるのかを把握しています。弁護士は被害者本人と話し合いながら、被害者が納得できる慰謝料額に近づける努力をします。

SNSでの嫌がらせに強い弁護士の特徴

SNSに関するトラブルを解決したいのであれば、その分野の交渉や裁判について豊富な実績がある弁護士に依頼しましょう。

こちらでは、弁護士を選ぶときのポイントやメリットについて説明します。

実績豊富

SNSのトラブルに関する交渉や訴訟に精通した弁護士か否かを確認する場合、まず法律事務所のホームページをみてみましょう。

  • ホームページに「ネットトラブル相談実績〇〇件」「解決実績〇〇件」等と明記されている
  • SNSの嫌がらせ等の相談事例、解決事例、コラム等が豊富に掲載されている
  • SNSに関するトラブルの解決の流れ、弁護士報酬が明記されている

以上のような内容が紹介されていれば、SNSトラブル解決に実績のある法律事務所と言えます。

強い味方になってくれる

弁護士は、SNSで嫌がらせをされた被害者、嫌がらせをした加害者、そのいずれであっても、サポートの依頼を受けたときは、問題解決のために全力を尽くします。

被害者側の弁護士になれば、被害者が納得できる慰謝料や処罰の獲得を目指し、対応をします。

加害者側の弁護士になれば、警察によって逮捕されたときは早期の釈放を求めるとともに、検察官に不起訴処分を働きかけます。また、起訴されて刑事裁判となったとしても、無罪の主張や減刑を目指し、最後まで、決して弁護を諦めません。

SNSでの嫌がらせで困っているなら当事務所に相談を

今回はSNSに関するトラブル解決に尽力してきた専門弁護士が、SNSで嫌がらせを受けた場合の対処法について詳しく解説しました。

問題解決には法律の知識が必要なため、被害者も加害者も弁護士と相談して対応をしっかりと話し合った方がよいといえます。弁護士のサポートを受けて、迅速な問題解決を目指しましょう。

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