違法ダウンロードに関する法律・対象コンテンツ・問われたらすべきことを徹底解説!

最終更新日: 2023年06月22日

違法ダウンロードに関する法律・対象コンテンツ・問われたらすべきことを徹底解説!

  • 違法ダウンロードに関する法律とは何かを知りたい
  • 違法ダウンロードの対象となるコンテンツには何があるのか知りたい
  • 違法ダウンロードを疑われた場合はどうすればよいのか

制作された映画やアニメ、ゲーム、漫画からコンピュータープログラムまで、著作権の保護対象となります。

その著作物・著作権者の権利を規定した法律が「著作権法」です。

しかし、著作権法が制定されているものの、違法にアップロードされたコンテンツが後を絶ちません。もちろん、違法サイトへアップロードする行為や、ダウンロードする行為は違法です。

そこで本記事では、多くの著作権問題に携わってきた専門弁護士が、著作権法の成立の経緯や保護対象、そして違法ダウンロードで法律に問われたケース・問われないケース等を詳しく解説します。

本記事のポイントは以下です。お悩みの方は詳細を弁護士と無料相談することが可能です。

  • 著作権法は著作物・著作権者の権利を保護する目的で成立した
  • 法律で問われる違法ダウンロードの対象は著作物全てに及ぶ
  • 違法ダウンロードを自覚して行っても、身に覚えがなくとも、告訴・逮捕された場合は弁護士へ相談する

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この記事を監修したのは

代表弁護士 春田 藤麿
代表弁護士春田 藤麿
第一東京弁護士会 所属
経歴
慶應義塾大学法学部卒業
慶應義塾大学法科大学院卒業
都内総合法律事務所勤務
春田法律事務所開設

詳しくはこちら

違法ダウンロードに関する法律

違法ダウンロードを規制・処罰する法律が「著作権法」です。ここでは、著作権法の特徴や改正の流れについて解説します。

著作権法

著作権法は、著作物・著作権者の権利を明確にしたうえで保護し、文化の発展に寄与する目的で制定されました(著作権法第1条)。

本法では違法ダウンロードで著作権を侵害した場合、「2年以下の懲役若しくは200万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する」と定めています(著作権法第119条第3項)。

違法ダウンロードで逮捕されてしまうと、罰金刑だけではなく懲役刑を受ける可能性もあります。

出典:著作権法 | e-Gov法令検索

著作権法改正の流れ

著作権法は明治32年に制定された古い法律です。その後、1970年に全面的な改正が行われ現行の著作権法となります。

著作権法では主に次のような利益が保護されています。

  • 著作物創作者:著作権・著作者人格権
  • 実演家・レコード製作者・放送事業者等:著作隣接権

一方、現代ではインターネットの普及により、インターネットを介した著作権侵害が発生しました。

現行法の規定内容だけでは、インターネットによる著作権侵害を十分規制できない事態が問題となります。

そこで2012年、著作権法で違法ダウンロードに対する罰則を新設し、違法ダウンロードを取り締まる体制が整いました。

法律で問われる違法ダウンロードコンテンツ

著作権で保護される著作物は、映像や音楽だけではなく漫画や論文、コンピュータープログラムも含みます。

ここでは違法ダウンロードとなってしまうコンテンツを紹介します。

動画コンテンツ

アニメや映画、TVドラマをはじめとした動画DVDの複製はもちろん、データの違法ダウンロードも著作権法違反です。

有償の著作物が、違法配信されている映像と知りながらダウンロードした場合、刑事罰に問われる可能性があります。

音声コンテンツ

レコードやCDの複製はもちろん、データの違法ダウンロードも著作権法違反です。

音声コンテンツの場合も、有償の著作物が、違法配信されていると知りながらダウンロードした場合、刑事罰に問われる可能性があります。

静止画コンテンツ

以前の著作権法の規制では、有償で販売されている音楽・映像のダウンロードが禁止されているのみでした。

しかし、2021年に改正された著作権法では、漫画・書籍・論文等の静止画コンテンツも保護の対象となっています。

漫画・書籍・論文等の正規版が有償で提供されている場合、違法ダウンロードをすると刑事罰に問われる可能性があります。

コンピュータープログラム

2021年の改正著作権法に保護対象として、「コンピュータープログラム」もあげられます。

改正著作権では、保護されるコンピュータープログラムの定義として、電子計算機を機能させ、1つの結果を得られよう、これに対する指令を組み合わせたものとして表現したもの、と明記しています(著作権法第2条第1項10号の2)。

つまり、コンピューターを作動させ、1つの結果が得られるプログラムであれば保護されます。

このようなコンピュータープログラムを違法にダウンロードをすると、刑事罰に問われる可能性があります。

法律で違法ダウンロードにあたらないコンテンツ

様々なコンテンツが著作権で保護されているとはいえ、ダウンロードを行った者が全員、著作権侵害で刑事罰を受けるわけではありません。

ここでは、ダウンロードを行った場合でも、違法行為にあたらないケースを取り上げます。

軽微なもの

ダウンロードは行ったものの、ダウンロードしたのがコンテンツのごく一部だった場合や画質が低く鑑賞できないほど粗い画像だった場合は、違法ダウンロードにならず処罰はされません(著作権法119条第3項2号)。

また、著作権者から不法行為を理由に、損害賠償を請求されるケースはありますが、ダウンロードが軽微なケースならば、やはり民事責任も問われないでしょう。

著作権者の権利を侵害していないもの

違法ダウンロードは録画や録音を伴う行為です。つまり、動画や音声を再生するだけならば、録画や録音とはいえず、著作権者の権利を侵害していません。

その他にあげられるのが、いわゆる「二次創作・パロディもの」です。二次創作等をアップロードすること自体は、著作物創作者を侵害する可能性があるので注意しましょう。

逆に、二次創作等をダウンロードするのは、違法ダウンロードとはみなされません。

ただし、二次創作者以外の第三者が二次創作者に無断で二次創作等をアップロードし、その二次創作物をダウンロードした場合、二次創作者の著作権を侵害する行為となります。

違法であることを全く知らずにダウンロードしたもの

コンテンツをダウンロードしたWebサイトが海賊版サイト(違法サイト)だと知らなかった場合、違法ダウンロードに該当しません。

海賊版サイトは正規のサイトと見分けが付きにくいケースもあります。そのため、正規のサイトの証である「ABJマーク」または「エルマーク」を確認後、利用しましょう。

違法ダウンロードで法律に問われた場合にすべきこと

違法ダウンロードで告訴された、告訴されたが全く身に覚えがないといった場合、自分で解決しようとは考えず、著作権問題に詳しい弁護士の力を借りて対応しましょう。

ここでは弁護士のサポートの有効性、疑われた場合にどのような姿勢で応じるべきかを解説します。

弁護士への相談

著作権者が刑事告訴を行い、捜査機関から受理されると本格的な捜査に移ります。逃亡・証拠隠滅の恐れがあると判断されれば、加害者は逮捕されてしまうので注意が必要です。

刑事告訴されても慌てずに弁護士へ相談しましょう。

弁護士は違法ダウンロードをするに至った経緯、今後どのような対応をとるのかについてわかりやすくアドバイスします。

告訴されたが全く身に覚えがないといった場合は無実の証明を、違法ダウンロードと知りながら行った場合、まずは示談交渉での解決が図られます。

呼び出しには応じる

警察からの呼び出しの方法に決まりはありません。警察署から電話で「〇月〇日〇時くらいに△△△警察署に来てください。」と言う形で呼び出しを受ける場合があります。

また、突然自宅に警察官がやってきて、「任意同行をお願いする。」等と言われる場合もあるでしょう。

手法は色々とあるものの、いずれも任意の出頭であるため、出頭後いきなり逮捕されてしまうわけではありません。

呼び出しの拒否はできますが、拒否すると逮捕のリスクを高める可能性はあります。呼び出しには必ず応じましょう。

警察署に行くのが心配であれば、弁護士の同行も可能です。弁護士と相談したとき受けたアドバイスに従い、取り調べに応じましょう。

違法ダウンロードで法律に問われたら今すぐ弁護士に相談を

今回は多くの著作権問題に携わってきた専門弁護士が、著作物・著作権者の権利を保護する著作権法の内容、告訴された場合の対応策等について詳しく解説しました。

違法とわかってダウンロードした場合は、弁護士を介し、示談成立を目指しましょう。ただし、著作権侵害は単に被害者へお金を支払って済む問題ではないことを理解しておく必要があります。

加害者が二度と違法ダウンロードをしないという意思表示と、真摯な謝罪が必要不可欠です。

違法ダウンロードを疑われ告訴された場合は、速やかに弁護士と相談し、対策を協議しましょう。

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