トレントで発信者情報開示請求を受けたら?専門弁護士が徹底解説!

最終更新日: 2022年07月11日

トレントで発信者情報開示請求を受けたら専門弁護士に無料相談!

  • 発信者情報開示請求の意見照会書が届いたがどのように回答すればいいの?
  • アップロードはした覚えはないけどどのように対応すればいいの?
  • 違法ダウンロードで逮捕されてしまうの?

ここ数年、P2P方式のファイル共有ソフト、特にトレント(BitTorrent)を利用した著作権侵害について、著作権者が法的措置をとるケースが非常に増えています。著作権法違反で逮捕された、損害賠償を命じる判決が出たという報道もしばしばなされています。

アダルト動画や漫画・アニメをダウンロードして楽しんでいたところ、ある日、発信者情報開示の意見照会書が届いたというご相談はよくあります。多くの方は単にダウンロードをしただけで、アップロードをしたという意識がありません。トレントの仕組み上、意図せず違法アップロードをしてしまっているのです。

今回は、トレントを利用して発信者情報開示請求受けた場合について、基本的なことから対処法まで専門弁護士が徹底解説します。

この記事を監修したのは

代表弁護士 春田 藤麿
代表弁護士春田 藤麿
愛知県弁護士会 所属
経歴
慶應義塾大学法学部卒業
慶應義塾大学法科大学院卒業
都内総合法律事務所勤務
春田法律事務所開設

インターネットのトラブルでお困りの方へ

  • ・無料相談受付中
  • ・全国対応

24時間・土日祝日も受付0120-655-995

トレントで発信者情報開示請求を受ける理由

著作権者には公衆送信権(送信可能化権)があります(著作権法23条)。そのため、合法的に著作物を利用するためには著作権者の許可を得る必要があります。

トレントなどのP2P方式のファイル共有ソフトは、それを利用してファイルをダウンロードすると、同時にそのファイルをアップロードして他者に送信する仕組みとなっています。そのため、トレントで著作物をダウンロードすると、著作物を他者に送信して著作権を侵害することになってしまうのです。

権利を侵害された著作権者は、権利侵害をした加害者に対して、刑事告訴や損害賠償請求をすることができます。そのような法的措置をとるためには、まずは権利侵害した人を特定する必要があります。

この権利侵害者を特定する手続きとして、著作権者は、次に説明する発信者情報開示請求を行うのです。

(公衆送信権等)
第二十三条 著作権者は、その著作物について、公衆送信(自動公衆送信の場合にあつては、送信可能化を含む。)を行う権利を専有する。
2 著作権者は、公衆送信されるその著作物を受信装置を用いて公に伝達する権利を専有する。

トレントの発信者情報開示請求とは?

従前はP2P方式のファイル共有ソフトで著作権侵害があったとしても権利侵害者に対して法的措置をとることは容易ではありませんでした。

しかし、現在では、権利侵害者に対して法的措置をとるハードルが下がりました。

「P2PFINDER」などのP2Pネットワークの監視システムを利用すれば、ファイル共有ソフトを利用してファイルをアップロードしているIPアドレスを特定することができます。

そして、IPアドレスを特定した後は、当該IPアドレスを割り当てたプロバイダに対して当該IPアドレスを割り当てられた契約者情報(氏名、住所など)を開示するよう請求することができます。これが発信者情報開示請求です。

つまり、発信者情報開示請求は、その後に続く刑事告訴や損害賠償請求などの法的措置の準備段階ということができます。このような技術進歩や法律の整備によって、近年、トレントの利用者に対して著作権者が法的措置をとるケースが増加しているのです。

トレントで発信者情報開示請求を受けたら?

もし、トレントを利用してプロバイダから「発信者情報開示に係る意見照会書」が届いたらどのように対処すれば良いのでしょうか。

発信者情報開示請求後の流れや法的責任、具体的な対処方法について順に見て行きましょう。

  • P2Pファイル共有ソフトで発信者情報開示請求を受けた後の流れ
  • 複数回の発信者情報開示請求が来ることも
  • 民事責任の追及
  • 刑事責任の追及
  • 発信者情報開示請求に対する対応

発信者情報開示請求を受けた後の流れ

著作権者がプロバイダに発信者情報開示請求をすると、プロバイダは、その氏名、住所等を請求者に対して開示しても良いかどうか意見を照会する「発信者情報開示に係る意見照会書」をプロバイダの契約者に送ります(プロバイダ責任制限法第4条2項)。

プロバイダは契約者からの回答の有無、回答内容を踏まえて発信者情報の開示をするかどうか判断します。

プロバイダが発信者情報の開示を拒否した場合、著作権者は発信者情報開示を求めて訴訟を提起します。トレントの場合、訴訟提起まですれば大抵のケースで裁判所は発信者情報開示を認めます。

また、先ほどご紹介しましたP2Pネットワークの監視システムのP2PFINDERは、その信用性を裁判所も認めており、P2PFINDERによって権利侵害を特定している場合には、契約者が情報開示を拒否しても任意に発信者情報を開示するプロバイダもあります。

プロバイダ責任制限法第4条2項
開示関係役務提供者は、前項の規定による開示の請求を受けたときは、当該開示の請求に係る侵害情報の発信者と連絡することができない場合その他特別の事情がある場合を除き、開示するかどうかについて当該発信者の意見を聴かなければならない。

複数回の発信者情報開示請求が来ることも

近時、株式会社ケイ・エム・プロデュースや株式会社Exstudioが著作権を有するアダルト動画の作品をアップロードし、著作権を侵害したとして発信者情報開示請求を行うケースが増加しています。

また、音楽や漫画・アニメの著作権侵害についても同様に発信者情報開示請求が行われるケースが増加しています。

著作権で保護される作品をトレントでダウンロードしている利用者は、多数の作品をダウンロード(アップロード)し、多数の著作権侵害を犯してしまっていることが通常です。そのため、発信者情報開示請求を受け、自分がダウンロードした作品であるのか明確に覚えていないという方も多くおられます。

このように多数の著作権侵害を犯してしまっていることから、1作品について和解が成立してもその後に他の作品について再び発信者情報開示請求が来ることもあります。そのため、包括示談など一回的な解決を目指すことも検討の必要があります。

民事責任の追及

このように発信者情報開示請求によって権利侵害者が特定された後は、損害賠償請求がなされます。著作権法第114条1項は損害額の計算方法が定めています。

これによればダウンロード回数×販売利益という計算式によって数百万円、数千万円という高額な請求がなされることもあります。このような計算になることから人気作品ほど賠償金額は高くなります。

刑事責任の追及

また、まず刑事告訴をして、その後に損害賠償請求もしてくる著作権者もいます。刑事告訴された場合に逮捕されるかどうかはケースバイケースですが、起訴されると10年以下の懲役又は1000万円以下の罰金又はこれを併科され前科がつきます(著作権法第119条1項)。

刑事告訴された場合、必ず逮捕されるわけではありませんが、警察の判断で逮捕されることもありますので、早期の対処によって逮捕を回避することが重要です。

発信者情報開示請求に対する対応

プロバイダから意見照会書が届いた場合、初めての経験という方がほとんどでしょうから、どのように対応するのが正解なのかわからなくても当然です。

インターネットの掲示板情報で無視すればいいという投稿を見たので無視をしたという方もおられます。しかし、無視をしても著作権者が発信者情報開示請求の訴訟を提起すれば、裁判所が情報開示を認める可能性は高いです。

そして、訴訟に至った場合、訴訟に要した弁護士費用の全額の賠償を求められることがあります。また、刑事告訴され刑事罰を受けて前科が付く恐れもあります。

つまり、意見照会書を無視したとしても結局は開示されますし、いきなり訴訟や刑事告訴をされる恐れがあるのです。

もちろん、著作権侵害の事実はないという場合には徹底的に争うべきですが、身に覚えがあるという場合には、できる限り早期にかつ低額に抑えた金額で和解を目指すのが合理的です。著作権者や侵害内容にもよりますが10万~100万円ほどになるケースが多いです。

開示に同意する場合はその後の和解を見越した回答内容とすべきですし、拒否する場合には、発信者情報開示やその後の賠償請求を断念させるために法的根拠に基づいた理由を記載すべきです。早期解決のためには専門弁護士に回答書の作成から任せましょう。

なお、意見照会書が届いて驚いてトレントを削除してしまう方もいますが、ご自身に有利となる証拠が含まれている可能性もありますので、トレントを起動させないよう注意しつつ、削除はしないようにしてください。

トレントで発信者情報開示請求を受けた事例

最後に、トレントを利用して発信者情報開示請求の意見照会書が届いたという具体的な事例を見ておきましょう。

発信者情報開示請求を受けた事例
  1. P2Pファイルソフトで音楽をダウンロードした事例
  2. P2PファイルソフトでAVをダウンロードした事例
  3. P2Pファイルソフトでアニメなどをダウンロードした事例

P2Pファイルソフトで音楽をダウンロードした事例

A様はBittorrentで楽曲をダウンロード、アップロードした罪で50万円の罰金刑を受けました。刑事手続が終わったことで全て事件は終結したと安心していたところ、著作権者から損害賠償請求を受けたことから当事務所に依頼しました。

A様はBittorrentで数百曲の楽曲をアップロードしてしまっており、仮に著作権者から訴訟を起こされた場合、高額な損害賠償を裁判所が命じることを懸念されました。しかし、著作権者に対して真摯に謝罪し、示談交渉を進めたところ、最終的には、50万円以下の示談金にて示談していただくことができました。

このように刑事責任と民事責任は別個のものです。たとえ刑事罰を受けても民事責任は残りますし、その逆も然りです。一方だけでなく両方を同時に解決することが重要です。

P2PファイルソフトでAVをダウンロードした事例

B様はBittorrentでアダルトビデオをダウンロードしていました。ある日、プロバイダから発信者情報開示請求に係る意見照会書を受け取り不安になったことから、当事務所に依頼しました。

ところが、依頼後に著作権者と示談交渉をしていたところ、立て続けに同じ著作権者の請求に係る10通以上の意見照会書がプロバイダから届いたのです。

多数の著作権侵害をしていることから、高額な賠償金額になることが懸念されましたが、損害額について精査したところ、数十万円程度が適正であることがわかりました。

そして、著作権者と示談交渉を進めた結果、100万円以下で包括的に示談が成立しました。

P2Pファイルソフトでアニメなどをダウンロードした事例

C様は、Bittorrentでアニメや漫画作品を多数、ダウンロードしていました。するとある日、プロバイダから発信者情報開示請求に係る意見照会書が届き、当事務所に依頼しました。

多数の著作権を侵害していたことから、著作権者から1000万円を超える損害賠償請求をされました。積極的に刑事告訴している著作権者でしたので、刑事告訴をされる前に速やかに示談を成立させることを目指しました。

同種の事案に関して裁判例の蓄積は未だなく、捜査機関の対応も不透明な時期でしたので、示談交渉は難航しましたが、最終的には100万円以下の示談金で示談が成立しました。

なお、本件ではプロバイダからC様に、通信量が多いため何か異常な設定をしているのではないかという問合せや、P2Pのファイル共有ソフトを使用しないようにとの警告が来ていたそうです。

近時はこのような連絡や警告はなく直ちに発信者情報開示請求が行われることが多いですが、プロバイダからこのような連絡や警告があった場合には無視はしない方が良いでしょう。

まとめ

以上、ファイル共有ソフトのトレントを利用して発信者情報開示請求受けた場合について、基本的なことから対処法まで解説しました。

発信者情報開示を受けたということは、著作権者は損害賠償請求や刑事告訴を予定しているということです。意見照会書に記載されている作品が記憶にはないものの実際にはダウンロードをしていたというケースが非常に多くあります。

手続きが進むにつれて賠償金額など責任も重くなっていく可能性が高いため、早期に最善の対応をすることが重要です。

Bittorrentなどのファイル共有ソフトを使用してプロバイダから発信者情報開示請求の意見照会書が届いたという方は、通常回答期限は1週間から2週間と比較的短く設定されていますので、一日も早く、当事務所の専門弁護士に無料相談をしましょう。

最後までお読みいただきありがとうございました。ご不明な点があるときやもっと詳しく知りたいときは、下にあるLINEの友達追加ボタンを押していただき、メッセージをお送りください。弁護士が無料でご相談をお受けします。

インターネットのトラブルでお困りの方へ

  • ・無料相談受付中
  • ・全国対応

24時間・土日祝日も受付0120-655-995

この記事を監修したのは

代表弁護士 春田 藤麿
代表弁護士春田 藤麿
愛知県弁護士会 所属
経歴
慶應義塾大学法学部卒業
慶應義塾大学法科大学院卒業
都内総合法律事務所勤務
春田法律事務所開設

インターネットの記事一覧へ戻る