接近禁止命令とは?申し立て方法や条件、注意点など詳しく解説

最終更新日: 2026年05月18日

接近禁止命令とは?申し立て方法や条件、注意点など詳しく解説

DVやストーカー被害を受けている方が、相手の接近・接触を法的に禁止させる手段が「接近禁止命令」です。

裁判所が命令を発令すると、相手がそれに違反した場合は刑事罰(1年以下の懲役または100万円以下の罰金)の対象となります。命令に法的強制力があるため、被害者にとって強力な保護手段です。

この記事では、申立ての条件・手続きの流れ・費用と期間の目安・命令違反への対処法を弁護士が解説します。申立てを検討している方・命令を受けた方、どちらの立場の方にも参考になる内容です。

この記事を監修したのは

代表弁護士 春田 藤麿
代表弁護士 春田 藤麿
第一東京弁護士会 所属
経歴
慶應義塾大学法学部卒業
慶應義塾大学法科大学院卒業
都内法律事務所勤務
当事務所開設
資格
宅地建物取引士
情報処理安全確保支援士
詳しくはこちら

職員が丁寧にお話を伺います初回無料

接近禁止命令とは?

接近禁止命令とは、裁判所が、暴力を振るったり、つきまとったりする相手(加害者)に対して、被害者身辺への付きまといや被害者の住宅・勤務先・常在している周辺を徘徊することを禁止する命令です。

これにより、被害者は加害者から身を守り、安心して生活を送ることができるようになります。

接近禁止令の目的と効果

接近禁止令の目的と効果

接近禁止命令の目的は、被害者を加害者からの更なる被害から保護し、安全を確保することです。

命令に違反した場合、加害者は刑事罰の対象となるため、接近禁止命令には、加害者に対する抑止効果も期待できます。

状況を整理して
次の一手を弁護士に確認する

慰謝料・離婚条件・対応の流れについて、ご自身のケースをLINEでお聞きします

離婚時の接近禁止命令の役割

離婚時に、相手方からの嫌がらせや暴力などが懸念される場合、接近禁止命令は有効な手段となります。

離婚協議中や離婚後も、被害者の安全を確保し、安心して生活を送れるようにするための措置として活用できます。

DV被害を受けながら離婚を進める具体的な手順については、以下の記事で解説しています。

DV夫と離婚するには?進め方と注意点を弁護士が解説

コラム

2023/01/31

DV夫と離婚するには?進め方と注意点を弁護士が解説

接近禁止命令の申し立てが可能な対象者

申し立てが可能な対象者は、一般的に配偶者や元配偶者、事実婚、同棲関係にある相手方とされています。

これは、配偶者や元配偶者との間には、特有の親密な関係があり、その関係の中で暴力や脅迫が発生しやすいという社会的な背景を考慮しているためです。

元交際相手などストーカー行為への対処については、以下の記事もご参照ください。

ストーカーで逮捕される?その境界線と逮捕後の流れを弁護士が解説

コラム

2023/08/30

ストーカーで逮捕される?その境界線と逮捕後の流れを弁護士が解説

接近禁止命令を申し立てできるケース

接近禁止命令を申し立てできるケース

具体的に申し立てができるケースとしては、以下のようなものが挙げられます。

配偶者からの身体的暴力:殴る、蹴る、髪を引っ張るなど、直接的な身体への攻撃

配偶者からの精神的な暴力:暴言、侮辱、脅迫、無視など、精神的な苦痛を与える行為

配偶者からの経済的な暴力:お金を渡さない、経済的な行動を制限するなど、経済的な自立を妨げる行為

元配偶者からのストーカー行為:つきまとい、待ち伏せ、SNSでの誹謗中傷など、執拗な行為

同居人からの暴力や脅迫:同居している家族や親族などからの暴力や脅迫

上記の他にも、以下のようなケースも考えられます。

妊娠中の女性に対する暴行や脅迫

子どもに対する虐待

性的暴行

接近禁止令の申立て方法

申立書の作成と提出

接近禁止命令の申し立てを行うには、地方裁判所へ「接近禁止命令申立書」を提出する必要があります。申立書には、被害者と加害者の氏名や住所、関係性、具体的な被害状況、接近禁止を求める内容などを記載します。

 

▼ 申立てにかかる費用・期間の目安
・申立費用:収入印紙代(1,500円程度)+郵便切手代(数千円程度)
・弁護士費用:着手金10〜30万円程度(事務所により異なります)
・申立から命令発令まで:通常1〜2週間程度
・緊急性が高い場合:口頭弁論を経ずに当日〜数日以内に暫定的な保護が認められるケースもあります

必要な証拠と証言

接近禁止命令の申し立てには、DVやストーキングなどの被害を裏付ける証拠が必要となります。証拠としては、診断書、写真、ビデオ、メールの履歴、被害者の証言などが挙げられます。

電話等禁止命令の申立て

接近禁止命令には、電話やメール、SNSなどによる連絡を禁止する「電話等禁止命令」も含まれます。加害者からの執拗な連絡に悩まされている場合、電話等禁止命令の申立ても検討しましょう。

弁護士への相談とサポート

接近禁止命令の申し立て手続きは複雑で、専門的な知識も必要となるため、弁護士に相談することをおすすめします

弁護士は、申し立て手続きのサポートだけでなく、証拠収集や被害状況の整理、加害者との交渉など、様々な面からサポートしてくれます。

⚠️ 接近禁止命令でお困りの方へ

接近禁止命令は申立て側・申立てられた側いずれも、弁護士への早期相談が結果を左右します。手続きの段階を問わずご相談ください。

  • 申立てを検討している方|DV・ストーカー被害者への手続きサポート
  • 命令を受けた方|異議申立て・条件変更の交渉対応
  • 事件化が不安な方|継続相談プランで状況をサポート

まずはLINEで無料相談

電話: 0120-855-995(24時間受付)|メールで相談

申立ての条件と禁止事項

申立ての条件と禁止事項

被害者と加害者の関係性

接近禁止命令は、配偶者や恋人、元恋人など、親密な関係にあった者間で発生したDVやストーキング行為が対象となります。

友人や職場関係者など、親密な関係とは言えない場合、接近禁止命令の申し立ては認められないケースがあります。

身体的暴力や精神的暴力の証明

先にも述べましたが、接近禁止命令の申し立てには、身体的暴力や精神的暴力など、DVやストーキング行為があったことを証明する必要があります。

保護命令の範囲と期間

接近禁止命令の保護対象は、被害者本人だけでなく、被害者と同居する家族も含まれます。命令の有効期間は、原則として1年ですが、状況に応じて延長が認められる場合もあります。

禁止命令の具体的な内容

接近禁止命令では、加害者に対し、被害者への接近や接触を禁止する具体的な内容が定められます。

禁止行為の範囲は、被害状況や加害者の行動パターンなどを考慮して決定されます。

接近禁止命令を延長するには?

接近禁止命令の有効期限が切れる前に、引き続き保護が必要と判断される場合は、延長の手続きが必要になります。

延長が必要となるケース

以下のような場合、延長となる可能性があります。

・加害者の態度が改まっていないく、依然として脅迫や嫌がらせなどの行為が続いている場合

・新たな暴力行為が発生したり、期間中に再び暴力行為を受けてたりしている場合

・精神的に不安定で、再び被害に遭う恐れがある場合

延長の手続き

延長の手続きは、新たな事件として取り扱うため、一度発令された命令の延長手続きというわけではありません。そのため、再度、裁判所に申し立てを行う必要があります。

接近禁止命令の有効期間や継続的な保護については、以下の記事で詳しく解説しています。

接近禁止命令は一生有効?手続き・注意点・すべきことを徹底解説

コラム

2025/01/30

接近禁止命令は一生有効?手続き・注意点・すべきことを徹底解説

接近禁止命令発令後の注意点

接近禁止命令発令後の注意点

接近禁止命令が発令された後も、安心しきらず、以下の点に注意することが重要です。

命令違反の対処法

接近禁止命令が発令された後、加害者が命令に違反した場合、速やかに警察に通する必要があります。警察は、状況に応じて、加害者に対する逮捕などの措置を取ります。

加害者の行動の監視

接近禁止命令が発令されても、加害者が再び危害を加えてくる可能性はゼロではありません。被害者自身も、加害者の行動に注意し、身の安全を確保する必要があります。

防止策と自己防衛

住居の防犯対策を強化しましょう。鍵の交換、防犯カメラの設置などが考えられます。

また出かける際は、誰かと一緒に行ったり、人通りが少ないところへはなるべく近づかないなど、注意を払いましょう。 防犯ブザーを持ち歩く、自己防衛術を学ぶなどの対策も有効です。

DVから安全に別居・逃げ出すための具体的なステップは以下の記事をご参照ください。

DVから別居の進め方ガイド|安全に逃れるためのステップ

コラム

2023/01/31

DVから別居の進め方ガイド|安全に逃れるためのステップ

接近禁止命令を取り消す方法

接近禁止命令は、被害者を保護するための重要な制度ですが、状況が変化した場合には、命令の取り消しを検討することも考えられます。

接近禁止命令を取り消すためには、裁判所に申し立てを行う必要があります。

申し立てができるのは誰?

申立人(命令を出した人):状況が改善されたと判断した場合、自ら申し立てを行うことができます。

相手方(命令を出された人): 一定の条件を満たす場合に、申し立てを行うことができます。

相手方(命令を出された人)が申し立てを行う場合、以下の2つの条件を満たす必要があります。

・申立人(命令を出した人)の同意があること

・保護命令の効力が生じた日から3ヶ月が経過していること

取り消しを検討する際の注意点

状況が十分に改善されていない状態で取り消してしまうと、再び被害に遭う可能性がありますので、安易な判断は避け、専門家のアドバイスを受けながら、慎重に手続きを進めましょう。

また再発防止策や、何かあった場合、自分の安全を確保するための対策を講じるなど、取り消し後も、自分の安全を最優先に考えましょう。

当事務所の接近禁止命令サポート

  • 申立て手続き|裁判所への申立書作成から審尋対応まで一括サポート
  • 異議・取消し申立て|命令の内容に納得できない場合の法的対応
  • 継続相談プラン|「事件になるか不安」な段階から弁護士が伴走
  • 逮捕・呼び出し後の即日対応|24時間受付

LINEで無料相談(状況を問わずご相談ください)

電話: 0120-855-995(24時間受付)

よくある質問(FAQ)

Q. 友人や職場の同僚にも接近禁止命令を申し立てられる?

配偶者暴力防止法に基づく保護命令は、配偶者・元配偶者・生活の本拠を共にする交際相手が対象です。友人・職場の同僚など親密な関係にない相手には適用されません。

ただし、ストーカー規制法に基づく「禁止命令」は交際相手や元交際相手にも対応しており、状況に応じて選択肢が変わります。

Q. 弁護士なしで自分で申し立てられる?

手続き上は本人申立ても可能です。ただし、証拠の整理・申立書の記載・審尋への対応など、専門知識が求められる場面が多く、弁護士に依頼することで命令が認められる可能性が高まります。

Q. 命令に違反した場合、相手はどうなる?

接近禁止命令に違反した場合、1年以下の懲役または100万円以下の罰金という刑事罰の対象となります。違反を確認したら、すぐに警察へ通報してください。

Q. 命令が出るまでの間、身の安全はどう守る?

申立から命令発令まで1〜2週間程度かかる場合があります。
その間は警察への相談・一時避難先の確保・防犯対策の強化などを並行して行うことをおすすめします。弁護士に相談することで、緊急の対応策についてもアドバイスを受けられます。

まとめ

接近禁止命令は、配偶者や元配偶者からの暴力や脅迫から身を守るための重要な制度です。

もし、あなた自身が被害に遭っていると感じたら、一人で悩まずに、弁護士や警察、婦人相談所などに相談することをおすすめします。

離婚のコラムをもっと読む

※内容によってはご相談をお受けできない場合がありますので、ご了承ください。

職員が丁寧にお話を伺います初回無料