トレント(Torrent)とは?仕組みや違法ダウンロードをしてしまった場合の対応について解説

最終更新日: 2026年02月12日

 

トレント(Torrent)とは?仕組みや違法ダウンロードをしてしまった場合の対応について解説

  • ダウンロードのみで違法になるの?
  • アップロードしてないのに違法アップロードと言われた!
  • トレントで違法行為をするとどうなるの?

近年、トレントで違法行為をしてしまい、警察に逮捕されたというニュースを見ることがありますし、著作権などの権利者から訴えられるケースも増えています。

今回は、ダウンロードのみで違法行為になってしまうのか、違法行為をした場合にどうなってしまうのかについて、弁護士が解説します。

【弁護士が解説】トレントの利用で逮捕される?開示請求が届いたときの対応と注意点

コラム

2022/06/25

【弁護士が解説】トレントの利用で逮捕される?開示請求が届いたときの対応と注意点

この記事を監修したのは

代表弁護士 春田 藤麿
代表弁護士春田 藤麿
第一東京弁護士会 所属
経歴
慶應義塾大学法学部卒業
慶應義塾大学法科大学院卒業
宅地建物取引士

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トレントは違法なの?

トレントは違法ダウンロードの温床のように言われることがありますが、トレントは違法なものなのでしょうか。まずは、トレントの仕組みを簡単に見た上で、トレントの違法性について確認しましょう。

トレントの仕組み

トレント(Bit Torrent)は、中央サーバーを設けないP2P方式によってユーザー同士で直接ファイルを送受信するクライアントソフトです。BitTorrent以外にも、μTorrent、Bit Cometなど様々なクライアントソフトがあります。

トレントを使ったダウンロードの仕組みは、ダウンロードしたいファイルの全部又は一部をもつ複数のユーザーからそれぞれファイルの断片化された一部の送信を受け、最終的にそのファイルの100%のデータを取得するというものです。

そして、ダウンロードをしたユーザーは、今度はトレントのネットワークに貢献するために自分自身もダウンロードしたファイルを、他のユーザーから送信を求められれば自動的に送信(アップロード)する主体となります。

一部のクライアントソフトは、このようにアップロードの主体となることを明示的に説明していますが、大抵のユーザーはそのような説明があっても読み飛ばしているため、ダウンロードはしたけれど、アップロードはしていないと認識していることが多くあります。

トレント自体は違法ではない

トレントは、大容量のデータも素早くダウンロードすることが可能なシステムで、多くのユーザーが合法的に利用しています。トレント自体は何ら違法ではなく、誤った使い方をすると違法となってしまうのです。

海賊版や児童ポルノをダウンロードし、アップロードすることは典型的な違法行為です。

なぜトレントの利用が違法になる?

このようにトレント自体は何ら違法なソフトウェアではありませんが、その利用方法によっては違法行為になってしまいます。では、なぜ違法になるのか、以下ご説明します。

  • 民事上の違法行為
  • 刑事上の違法行為
  • ダウンロードのみの利用は合法?
  • アップロードされるとは知らなかったは通る?

民事上の違法行為

自身の作品をアップロードする権利は著作権者にあります。そのため、著作権で保護された作品を無断でアップロードする行為は著作権侵害となり民事上の違法行為となり損害賠償義務を負うことになります。

なお、著作権で保護された有償で販売されている作品を反復、継続してダウンロードする行為も著作権法に違反する違法行為です(著作権法第119条3項)。

刑事上の違法行為

違法アップロードは民事上だけでなく、刑事上の違法行為でもあります。つまり、逮捕、起訴されて前科がついてしまう行為でもあります。

起訴されると10年以下の懲役又は1000万円以下の罰金又はこれを併科され前科がつきます(著作権法第119条1項)。

ダウンロードのみの利用は合法?

著作権で保護された作品はダウンロードのみで違法です。

そして、前記のとおり、トレントはその仕組み上、ダウンロードをすると自動的に自身もダウンロードしたファイルをアップロードする主体となります。そのため、ダウンロードをすればアップロードもすることになりますので、ダウンロードのみでも結果的に公衆送信権を侵害する違法となります。

アップロードされるとは知らなかったは通る?

トレントを利用して作品をダウンロードはしたけれど、アップロードされるとは知らなかったという方は多くみられます。このようにアップロードされるとは知らなかったと主張して法的責任を免れることはできるのでしょうか。

この点について、知財高裁令和4年4月20日の判決があります。

裁判所は、権利者から正当に作品をダウンロードしているわけではないことをユーザーは認識しているはずで、だからこそ、トレントを利用するにあたっては違法行為をしないよう慎重になるべきだと述べました。

そして、裁判所は、雑誌やインターネットの情報からトレントを利用するとアップロードもすることになることは容易に知ることができるから、アップロードしたことについて少なくとも過失があると判断しました。

このようにアップロードされるとは知らなかったという主張は通らない可能性が高いといえます。

トレントで違法行為をするとどうなる?

さて、トレントの誤った利用をすると違法行為になることはお分かりいただけたかと思います。それでは、そのような違法行為をしてしまったら、その後どうなってしまうのかについて、以下ご説明します。

発信者情報開示請求

トレントではアップロードしている人の使用しているIPアドレスが公開されています。

そのため、トレントのネットワークで自身の著作物が無断でアップロードされていることを探知した権利者は、当該IPアドレスをもつプロバイダに対して、当該IPアドレスを使用した契約者の氏名や住所等の情報を開示するよう請求します。

これを発信者情報開示請求といいます。開示請求を受けたプロバイダは契約者に書面で連絡し、氏名や住所を開示しても構わないかその意見を確認します。

損害賠償請求

発信者情報開示請求によって権利侵害者が特定されると、著作物の権利者は損害賠償請求をします。

無断でアップロードされたことでどれ程の損害が発生したかについては、著作権法第114条1項に推定規定があり、これによればダウンロード回数×販売利益が損害として算定されます。

これによって、多くの場合、数百万円など高額な損害賠償金の請求がされることになります。

刑事告訴

また、このような損害賠償請求とともに、あるいは損害賠償請求はせずに刑事告訴をする権利者もいます。

この場合、警察が罪証隠滅や逃亡の恐れがあると判断すると逮捕される可能性があります。そして、起訴されると罰金刑や懲役刑の刑事罰を受け、前科が付きます。

以上のとおり、発信者情報開示請求を受けるとその後に損害賠償請求や刑事告訴が控えていますので、プロバイダから意見照会書が届いた時点で直ぐに弁護士に相談し、その後の対応について助言を受けることが重要です。

当事務所では、トレント問題に精通した弁護士によるLINE無料相談を実施しております。詳しくはこちらをご確認ください。

トレントで違法行為をしてしまった事例

当事務所では、ビットトレントによる著作権侵害について、高額請求の減額や、不開示・不起訴で解決した事例が多数あります。

解決事例
300万円請求を100万円で示談

ビットトレントでAVをダウンロードしていた40代男性が、ある日突然、約300万円の損害賠償を請求されるという事態に直面しました。
「個人で見ていただけなのに、なぜこんな金額に…」
会社員で家庭もあるため、仕事や家族に影響が出るのではないかと強い不安を感じ、当事務所に相談されています。

請求内容を精査したところ、金額の算定根拠には疑問点も多く、弁護士が代理人として交渉を行った結果、最終的には300万円の請求を100万円まで大幅に減額して示談が成立しました。

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解決事例
開示請求を法的反論により拒否

トレントでAVを複数ダウンロードしていた40代男性に、ある日、プロバイダから「発信者情報開示請求が届いている」との通知が届きました。
ダウンロード回数が多かったこともあり、「開示されれば高額な損害賠償を請求されるのではないか」と強い不安を感じ、当事務所へ相談されました。
請求書面を精査したところ、著作権侵害が直ちに成立するといえる内容ではない点があり、法的根拠を示して開示に不同意との回答を提出。
その結果、相手方は訴訟を提起せず、開示は実施されないまま事件は終了しました。

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解決事例
家宅捜索を受けるも不起訴に

ビットトレントでAVをダウンロードしていた20代男性が、ある日突然、自宅に家宅捜索が入り、任意同行されるという事態になりました。
ダウンロードと同時にアップロードが行われる仕組みを理解しておらず、まさか刑事事件になるとは思っていなかったといいます。
すぐに弁護士が介入し、AVメーカーとの示談交渉を開始。
早期に示談を成立させた結果、起訴されることなく、不起訴・前科なしで事件は終了しました。

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まとめ

今回は、トレントを使うと違法行為になってしまうのか、違法行為をした場合にどうなってしまうのかについて解説しました。

いきなり逮捕されるというケースでない限り、トレントに関するケースはプロバイダから発信者情報開示請求に係る意見照会書が届くところから始まります。これに対する対応を誤りますと高額な支出を余儀なくされる恐れがあります。

そのようなことにならないように、意見照会書が届いたときには直ぐに、弁護士に無料でご相談ください。

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