高校生の盗撮、親がすべき対応|弁護士相談から示談交渉まで

2026年05月01日

高校生の盗撮、親がすべき対応|弁護士相談から示談交渉まで

大切なお子さんが「高校生でありながら盗撮事件を起こした」と知ったとき、親として冷静でいられる方はいません。頭が真っ白になり、「どうしてうちの子が…」「これからどうなってしまうのか」という不安と混乱でいっぱいになるのは当然のことです。 

しかし、このような緊急時であるからこそ、親がパニックに陥ってしまうと、取り返しのつかない事態を招きかねません。

お子さんの将来を守るためには、親がまず冷静になり、正しい知識を持って、迅速かつ適切に対応することが何よりも重要です。 

この記事では、お子さんが盗撮事件の加害者となった場合に、親が知るべき法律の知識、具体的な手続きの流れ、そして今すぐ取るべき行動について、順を追って詳しく解説します。

一人で抱え込まず、まず何をすべきかを知ることから始めましょう。

この記事を監修したのは

代表弁護士 春田 藤麿
代表弁護士 春田 藤麿
第一東京弁護士会 所属
経歴
慶應義塾大学法学部卒業
慶應義塾大学法科大学院卒業
都内法律事務所勤務
当事務所開設
資格
宅地建物取引士
情報処理安全確保支援士

「家族が逮捕された」「示談したい」など、300件以上の刑事事件のご相談に対応してきました。(※2026年3月時点)これまでの実務経験をもとに、法律のポイントを分かりやすく解説しています。

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目次

高校生の盗撮はどんな罪に問われるのか?

「高校生だから大目に見てもらえるだろう」という考えは非常に危険です。

たとえ未成年であっても、盗撮は紛れもない犯罪行為であり、厳しい法律で罰せられます。主に問われる可能性のある罪は以下の2つです。

撮影罪(性的姿態等撮影罪)

2023年7月に新たに施行された「撮影罪(正式名称:性的姿態等撮影罪)」は、盗撮行為を厳しく罰するための法律です。

この法律により、これまでは各都道府県の条例で取り締まっていた行為の多くが、全国一律で処罰の対象となりました。 

具体的には、正当な理由なく、ひそかに以下のようなものを撮影する行為が処罰対象となります。

  • 人の性的な部位(胸や臀部など)
  • 人が身に着けている下着
  • 性的な部位や下着を覆っている衣服の部分

この罪の法定刑は「3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金」と定められており、非常に重い罪であることがわかります。

 

※撮影罪の成立要件や罰則、逮捕後の流れについて詳しく知りたい方は、こちらの記事もあわせてご確認ください。

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都道府県の迷惑防止条例違反

撮影罪が適用されないケースであっても、各都道府県が定める迷惑防止条例違反に問われる可能性があります。

例えば、公共の場所(駅、商業施設、学校など)で、人を著しく羞恥させ、または不安を覚えさせるような方法で衣服等で覆われている他人の身体や下着を撮影する行為などがこれにあたります。

 罰則は各自治体の条例によって異なりますが、一般的には「1年以下の懲役または100万円以下の罰金」などが科されることが多いです。

高校生(少年事件)の盗撮事件の流れ

20歳未満の少年が起こした事件は「少年事件」として扱われ、成人の刑事事件とは異なる手続きで進められます。

少年事件の目的は、罰することではなく、少年の健全な育成と更生を促すことにあります。

 

※未成年の子どもが事件を起こした場合、親が刑事罰を代わりに受けるわけではありませんが、示談対応や監督責任、学校対応などで重要な役割を担います。
詳しくはこちらの記事も参考にしてください。

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逮捕されるケースとされないケース

高校生の盗撮事件では、必ずしも全員が逮捕されるわけではありません。

逮捕されるケース

駅のエスカレーターなどで盗撮の現行犯で逮捕される場合が典型です。

また、後日犯行が発覚した場合でも、証拠隠滅(スマートフォンのデータを消去するなど)や逃亡のおそれがあると判断されると逮捕される可能性があります。

 

※その場で逮捕されなかった場合でも、防犯カメラ映像やスマートフォンの解析などから後日逮捕されることがあります。詳しくはこちらの記事をご覧ください。

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逮捕されないケース(在宅事件)

逮捕はされず、警察からの呼び出しに応じて出頭し、取り調べを受けるケースです。

この場合でも、事件が軽微というわけではなく、捜査は継続されます。

 

※「本当に盗撮の証拠があるのか」「目撃証言だけで事件化されるのか」と不安な場合は、「盗撮の証拠がない・証拠不十分な場合の対応」もあわせて確認しておくとよいでしょう。

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逮捕後の手続き(勾留・観護措置)

逮捕されると、最大72時間(3日間)以内に、検察官がさらなる身柄拘束(勾留)が必要かどうかを判断します。

その後、裁判所の判断により、10日(最大20日間)の勾留等がされるかどうかが決まります。

家庭裁判所での審判と処分

捜査の結果、家庭裁判所での審判(成人の裁判にあたるもの)が必要と判断されると、審判が開かれますが、「監護措置」が取られることが多くあります。

監護措置とは、家庭裁判所の判断により、少年を鑑別所に収容する手続きです。

期間はおよそ1~2か月であり、その間、専門の職員が少年の性格や生活環境、事件の原因などを調査します

審判では、裁判官が調査官の報告や弁護士(付添人)の意見などを参考に、少年に対する処分を決定します。 主な処分には、以下のようなものがあります。

  • 不処分
    保護処分に付する必要がない、または家庭での指導で十分と判断され、処分が科されないもの。

  • 保護観察:
    家庭で生活しながら、保護司の指導・監督を受ける処分。

  • 少年院送致
    少年院に収容し、矯正教育を受けさせる処分。
    盗撮事件では、被害者との示談が成立しているか、本人が深く反省しているかなどが考慮され、処分が大きく左右されます。

高校生の盗撮、親が今すぐすべき3つの対応

お子さんが盗撮事件を起こしたと知ったら、以下の3つの対応を迅速に行ってください。

事実確認と証拠の確保

まずは、感情的に叱りつけるのではなく、冷静に何があったのかをお子さん本人から聞き取ってください。

「いつ、どこで、誰に、何をしたのか」「撮影したデータはどうしたのか」などを具体的に確認します。 

このとき、絶対にお子さんにスマートフォン内のデータなどを消去させてはいけません。証拠隠滅とみなされ、逮捕やその後の処分で非常に不利になる可能性があります。証拠はそのままの状態で確保することが重要です。

 

※なお、盗撮データを削除してしまった場合でも、警察の解析によって復元される可能性があります。
スマートフォン内のデータを消すリスクについては、こちらの記事も確認してください。

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弁護士への迅速な相談

次に、できる限り早く、少年事件の経験が豊富な弁護士に相談してください。

逮捕されている場合は特に、逮捕後72時間以内の弁護士の活動が、その後の身柄拘束を回避できるかどうかを大きく左右します。

弁護士は、今後の手続きの流れや、親として何をすべきか、何をしてはいけないかを具体的にアドバイスしてくれます。

無料相談を実施している法律事務所も多いため、まずは電話で状況を説明し、専門家の意見を聞くことが解決への第一歩です。

学校への連絡と対応方針の検討

学校への連絡は非常にデリケートな問題です。

自己判断で連絡する前に、必ず弁護士に相談し、どのタイミングで、誰に、どのように伝えるべきか方針を決めましょう。

事件が学校に知られれば、退学や停学などの厳しい処分が下される可能性があります。

弁護士に間に入ってもらい、お子さんが深く反省していることや今後の更生に向けた具体的な計画を示すことで、学校側の処分を軽減できる可能性があります。

【重要】親が絶対にやってはいけないNG対応

  • 子供を一方的に責め立てる
    子供が心を閉ざし、本当のことを話さなくなる可能性があります。

  • 証拠(スマホのデータ等)を消させる
    「証拠隠滅」とみなされ、罪が重くなる最悪の対応です。

  • 安易に被害者に直接謝罪しようとする
    被害者の感情を逆なでし、事態を悪化させる危険があります。謝罪や示談交渉は必ず弁護士を介して行いましょう。

  • 「大したことない」と問題を軽視する
    盗撮は重大な犯罪です。問題を矮小化する態度は、お子さんの更生の機会を奪い、処分を重くする原因になります。

子供の将来を左右する示談交渉の進め方

高校生の盗撮事件において、示談の成否は、お子さんの将来に極めて大きな影響を与えます。

なぜ示談交渉が不可欠なのか

示談とは、加害者側が被害者に対して謝罪し、示談金を支払うことで、事件の当事者間で和解することです。

示談が成立し、被害者から「加害者を許す」という意思(宥恕)が得られれば、それは「被害者の処罰感情が和らいでいる」ことを意味します。 

この事実は、捜査機関や裁判官に「当事者間で問題は解決に向かっている」という良い心証を与え、以下のような大きなメリットにつながります。

  • 逮捕・勾留や観護措置を回避しやすくなる
  • 家庭裁判所で不処分などの軽い処分になる可能性が高まる
  • 起訴(成人の場合)を回避できる可能性が高まる

高校生の盗撮における示談金の相場は?

示談金の額に法的な決まりはありませんが、高校生の盗撮事件における示談金の相場は、一般的に30万円~100万円程度と言われています。

 

※盗撮事件の示談金相場や、示談交渉を進める際の注意点については、こちらの関連記事でも詳しく解説しています。

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ただし、この金額はあくまで目安であり、

  • 撮影された部位や状況
  • 撮影回数や期間
  • 撮影した画像の流布の有無
  • 被害者の処罰感情の強さ 

など、個別の事情によって大きく変動します。特に、撮影した画像がインターネット上などに拡散されてしまった場合は、被害が甚大となり、示談金も高額になる傾向があります。

 

※なお、被害者が18歳未満で、性的な画像を保存・共有していた場合には、盗撮だけでなく児童ポルノ禁止法上の問題が生じる可能性もあります。
未成年の被害者が関係する示談については、こちらの記事をご確認ください。

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示談交渉を弁護士に依頼すべき理由

示談交渉は、必ず弁護士に依頼すべきです。

加害者の親が直接被害者と交渉しようとしても、警察は通常、加害者側に被害者の連絡先を教えてくれません。

また、連絡が取れたとしても、被害者の怒りや不信感は根強く、感情的な対立から交渉が頓挫したり、法外な示談金を要求されたりするリスクが非常に高いです。

少年事件に精通した弁護士が間に入ることで、

  • 検察官を通じて被害者の連絡先を入手できる
  • 冷静かつ客観的な立場で交渉を進められる
  • 適切な示談金の額を判断し、交渉できる
  • 法的に有効な示談書を作成できる

といったメリットがあり、スムーズかつ適切に示談を成立させられる可能性が格段に高まります。

示談交渉の流れと注意点

一般的な示談交渉は、以下のような流れで進みます。

  1. 弁護士が被害者(またはその代理人)に連絡を取り、謝罪の意を伝える。
  2. 示談金の額や支払い方法、その他の条件について交渉する。
  3. 双方が合意したら、後々のトラブルを防ぐために「示談書」を作成する。
  4. 示談書に署名・捺印し、示談金を支払う。 注意点として、示談書には必ず「被害者は加害者の処罰を望まない」という趣旨の宥恕条項(ゆうじょじょうこう)を入れてもらうことが極めて重要です。この一文があるかないかで、その後の処分が大きく変わってきます。

高校生の盗撮事件を弁護士に相談するメリット

弁護士に依頼すると費用がかかりますが、それ以上に大きなメリットが得られます。

逮捕・勾留など身柄拘束からの早期解放

逮捕直後から弁護士が接見(面会)に行き、お子さんを精神的にサポートし、取り調べに対する適切なアドバイスを行います。

また、検察官や裁判官に対し、勾留等が不要であることを主張する意見書を提出するなど、身柄拘束からの早期解放を目指した活動を迅速に行うことができます。

被害者との示談交渉を代行してもらえる

前述の通り、精神的負担が大きく、難航しがちな被害者との示談交渉をすべて任せることができます。

法的な知識と交渉経験が豊富な弁護士が代理人となることで、円満な示談成立の可能性が飛躍的に高まります。

退学処分の回避など学校への対応をサポート

弁護士は、学校への報告のタイミングや方法について的確にアドバイスします。

家庭裁判所での審判で軽い処分を目指せる

弁護士は「付添人」として、家庭裁判所の審判に臨みます。

審判に向けて、お子さんにとって有利な証拠(反省文、示談書、家族の監督計画書など)を収集・提出し、調査官や裁判官に働きかけます。

審判当日も、お子さんの隣に座り、裁判官からの質問にうまく答えられるようサポートするなど、不処分や保護観察といった軽い処分を獲得するために全力を尽くします。

※盗撮事件で弁護士に相談できる内容や解決までの流れについては、「盗撮事件の弁護士相談・解決事例」もご覧ください。

高校生の盗撮事件に関するよくある質問

Q:盗撮で前科はつきますか?将来への影響は?

A:少年事件では、家庭裁判所の審判で処分が決定されるため、成人の刑事裁判で有罪判決を受けた場合につく「前科」は、原則としてつきません

ただし、捜査機関によって捜査の対象になったという記録である「前歴」は残ります。 

 

※成人事件とは扱いが異なりますが、盗撮事件で問題となる罰金や前科の考え方については、以下の記事でも解説しています。

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前歴があることで、直ちに就職や進学で不利になることは通常ありませんが、将来再び何らかの事件を起こしてしまった場合に、不利な事情として考慮される可能性はあります。

最も重要なのは、二度と過ちを繰り返さないことです。

Q:学校に連絡せず解決することは可能ですか?

A:被害者が他校の生徒や一般の方で、事件が警察限りで解決し、誰にも知られなかったという幸運なケースもゼロではありません。

しかし、被害者が同じ学校の生徒であったり、学校内で事件が起こったりした場合は、学校に知られるのは時間の問題です。 

加えて、以下の点にも注意が必要です。

家庭裁判所による学校照会

事件が家庭裁判所に送致されると、裁判所の調査官が少年の生活状況や日頃の素行を把握するため、調査の一環として学校に連絡を入れたり、学校照会(照会書の送付)を行ったりする可能性が高くなります。

これは裁判所が適切な処分を判断するために必要な手続きとして行われるものです。

隠蔽のリスク

発覚を恐れて隠し立てすると、後で事実が明らかになった際に「隠蔽しようとした」と見なされ、学校側の心証を著しく悪化させ、より重い処分につながる可能性があります。

誠実な対応

弁護士と相談の上、適切なタイミングで誠実に対応することが、結果的に学校からの処分を最小限に抑え、傷を浅くすることにつながります 。

Q:弁護士費用はどのくらいかかりますか?

A:弁護士費用は、法律事務所や事案の難易度によって異なりますが、一般的には「着手金」と「成功報酬」で構成されます。

高校生の盗撮事件の場合、総額で50万円~100万円程度がひとつの目安となることが多いです。

決して安い金額ではありませんが、お子さんの身柄解放や学校への対応、将来の処分内容を左右することを考えれば、その価値は計り知れません。

複数の事務所で相談・見積もりを取り、比較検討することをおすすめします。

Q:子供の更生のために親ができることは何ですか?

A:事件の解決も重要ですが、それ以上に大切なのは、お子さんが二度と同じ過ちを繰り返さないよう、家族で更生を支えることです。

事件の背景を一緒に考える

なぜ盗撮という行為に走ってしまったのか、その背景にあるストレスや悩み、歪んだ性的好奇心などについて、時間をかけて話し合いましょう。

環境を整える

スマートフォンの利用ルール(フィルタリング、使用時間の制限など)を改めて設定し、親子で遵守するなど、再犯を防ぐための具体的な環境づくりが必要です。

専門家を頼る

必要に応じて、児童精神科の医師やカウンセラーなど、専門家の助けを借りることも有効です。

親だけで抱え込まず、弁護士やカウンセラーといった第三者の専門家を頼りながら、お子さんの更生を長期的にサポートしていく姿勢が求められます。

まとめ:お子さんの未来のために、一人で悩まず弁護士にご相談ください

高校生のお子さんが盗撮事件を起こしてしまったとき、親が最初にとるべき行動が、その後のすべてを左右すると言っても過言ではありません。

動揺し、不安になるのは当然ですが、一人で悩み、時間を無駄にしてしまうことだけは絶対に避けてください。 

お子さんの将来を守るためには、法律と少年事件の専門家である弁護士のサポートが不可欠です。

弁護士は、法的な手続きの面だけでなく、混乱しているご家族の精神的な支えともなってくれます。

早期に相談することで、身柄拘束を回避できたり、学校への処分を軽くできたり、結果的に軽い処分で済む可能性が高まります。

お子さんの輝かしい未来を取り戻すため、まずは勇気を出して、弁護士にご相談ください。それが、解決への最も確実な一歩です。

春田法律事務所では、盗撮事件の逮捕回避、示談交渉、学校対応、少年事件の付添人活動についてご相談を受け付けています。詳しくは「盗撮事件の弁護士相談・解決事例」をご確認ください。

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※内容によってはご相談をお受けできない場合がありますので、ご了承ください。

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