介護事故の相談窓口はどこ?公的な窓口から専門の弁護士事務所まで幅広く紹介

最終更新日: 2022年10月11日

介護事故の相談窓口はどこ?公的な窓口から専門の弁護士事務所まで幅広く紹介

万が一介護事故があったとき、一体どのように対処すればよいかわからない方は多いのではないでしょうか。

介護事故の定義は様々で、一律に定義づけされているわけではありません。今回は「特別養護老人ホームにおける介護事故予防ガイドライン」における、「介護事故」の定義に沿って解説します。

「特別養護老人ホームにおける介護事故予防ガイドライン」では、介護事故について以下のように定義されています。

施設内および職員が同行した外出時において、利用者の生命・身体等に実害があった。または実害がある可能性があって観察を要した事例(施設側の責任の有無、過誤か否かは問わない)

また、公益財団法人介護労働安定センターの調査によると、介護事故では転倒や転落が65%以上を占め、けがをした人の内の70%以上が骨折しています。いざというときのために、介護事故について相談できる窓口を知っておくと、介護サービスを利用しやすくなるでしょう。

そこで今回は、介護事故に詳しい専門弁護士が、介護事故の相談窓口と当法律事務所による解決の流れについて解説します。

出典:特別養護老人ホームにおける介護事故予防ガイドライン|厚生労働省
出典:介護サービスの利用に係る事故の防止に関する調査研究事業|公益財団法人介護労働安定センター

この記事を監修したのは

弁護士 南 佳祐
弁護士南 佳祐
大阪弁護士会 所属
経歴
京都大学法学部 卒業
京都大学法科大学院 卒業
大阪市内の総合法律事務所 勤務
春田法律事務所 入所

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介護事故に対する事業者の対応が不十分なときには相談窓口に相談

事業者は、介護事故が発生したときには、事故後およそ3日以内に市町村へ事故報告をする必要があります。また、被害者やその家族に対する説明はもちろん、状況次第では警察に報告する必要もあります。

一方被害者やその家族は、事業者と密に連絡を取り合い、事業者から説明を受けることが必要です。そのときは、以下のポイントを押さえましょう。

  • 事業者側に問題や落ち度がなかったか確認
  • 今後の治療費や医療費の見込みを確認
  • 介護事故報告書を確認
  • 客観的証拠の写しをもらうなど証拠保全
  • 確認同意書や示談書は、法的問題点がないか確認

ただ、事故発生直後には事業者側も事故の状況や原因の把握などの調査が十分に進んでいない可能性もあります。連絡を密にとることは重要ですが、事業社側の調査を待たなければならないこともあるでしょう。

もっとも、事業者の中には責任逃れに終始するばかりで謝罪もなく、誠意ある対応が見られない事業者もあります。自分たちのミスを隠そうとする事業者さえあります。そのため、介護事故に対する事業者への対応が不十分なときには相談窓口に相談するとよいでしょう。

介護事故には様々な相談窓口がある

介護事故が起きたときには、様々な窓口に相談できます。ここでは、そのうち代表的な5つの窓口を表にまとめます。

相談受付窓口
  • 契約時に取り交わした重要事項説明書に記載されている「苦情相談窓口」に相談
  • 担当のケアマネージャーなどが担当
第三者委員会
  • 話し合いの場に立ち会うなど、利用者と事業者の間に立って苦情の解決にあたる存在
  • 事業者が設置するが、利用者の立場を尊重するべき存在とされる
市町村や県の窓口
  • 市町村の役所にある介護保険課
  • 県の国民健康保険団体連合会の苦情処理窓口などが該当
地域包括支援センター
  • 介護・福祉・健康の総合窓口で、介護事故に関する相談にも対応
  • 弁護士への無料相談の情報も提供
国民生活センター
  • 消費者相談だけでなく介護事故の相談にも対応
  • 局番なしの「188」に電話をかけると、最寄りの消費生活相談窓口に案内

ただし、これらの窓口では一般的なアドバイスに留まる可能性も少なくありません。また、相談者の代わりに問題解決してくれるわけでもないことにも留意しなければなりません。

介護事故の相談窓口としての弁護士事務所

ここでは、介護事故の相談窓口として弁護士を用いることについて、2つのポイントを解説します。

  • 弁護士への相談に慎重になりすぎる必要はない
  • 介護事故において弁護士ができること

それでは、1つずつ解説します。

弁護士への相談に慎重になりすぎる必要はない

まず、弁護士への相談に慎重になりすぎる必要はありません。

介護事故に関して弁護士に相談したいものの、弁護士に相談してよい内容かわからず相談に踏み切れない方もいるかもしれません。しかし、介護事故について少しでも疑問や悩みがある方は、気軽に弁護士に相談されることをおすすめします。その理由を、以下に5つ紹介します。

  • 些細な心配事でも、弁護士からのアドバイスがあれば安心感を持てる
  • 自分では気づかなかったトラブルのリスク要因に気づける
  • 弁護士に相談・依頼することと、相手と揉めることはイコールではない
  • 弁護士に相談しても、必ずしも依頼する必要はない
  • 弁護士には守秘義務があるため、相談内容は外部に流出しない

「これって、弁護士に話すことなのかな?」、「施設側に情報が伝わってしまうのでは」などの不安があるかもしれませんが、少しでもお悩みなのであれば、まずは、弁護士に「相談」することが重要です。

些細に感じられることでも、弁護士に相談をして、気にしなくてもいいですよと言われたら、心配を取り除くことができるでしょう。もしかしたら、大きな紛争の火種に早い段階で気づくことができるかもしれません。 弁護士は守秘義務を負っていますので、あなたが相談した内容が外部に漏れることは、ありません。

介護事故の場合には、今までお世話になってきた施設が相手となるため、あまり揉めたくないとの思いもあるでしょう。

しかし、弁護士に「相談すること」は、「相手と揉めること」とイコールではありません。

多くの方が、介護事故という初めての状況に直面し、どうしたらよいかわからない中、専門家にアドバイスを求めているだけなのですから、弁護士に「相談すること」が「相手と揉めること」では、決してないのです。

なお、弁護士に「相談」をすることと、「依頼」をすることは、全く別の段階です。 相談をしたからといって、必ず依頼しないといけないわけではなく、相談を踏まえて依頼をするか否かを決めるという流れで進むことが一般的です。

そのため、弁護士への「相談」について、慎重になりすぎる必要はないでしょう。

介護事故において弁護士ができること

ここでは、介護事故において弁護士ができることを、4つ表にまとめて解説します。

証拠を収集・保全
  • 介護事故において重要な証拠となる介護記録などの書類を、事業者に開示請求
  • 具体的にどのような情報が重要な証拠になるのかアドバイス
  • 事業者が証拠改ざんや隠滅しないよう、裁判所に証拠保全を申立て

責任追及の可否を検討

  • 介護事故では、事業者側の安全配慮義務違反や過失の有無が主な争点
  • 弁護士は、すでに入手した証拠から、事業者側の賠償義務の有無や想定される賠償金額を依頼者に提示
  • 早期に解決見通しを立てられることがメリット
相手との示談交渉
  • 最初は、裁判よりも負担が少ない示談交渉からスタートすることが一般的
  • 法的な議論を含む示談交渉には専門的知識が必須であり、経験豊富でポイントを熟知している弁護士が対応するメリットが大きい
訴訟など
  • 示談がまとまらないときには訴訟も視野に。本人訴訟も可能であるが、相当の負担となることが想定される
  • 調停など、訴訟以外の選択肢もアドバイス

 

それでは、それぞれ解説していきます。

証拠の収集や保全

介護事故に関する証拠の多くは、介護施設側が作成した介護記録等の書類です。そのため、ご本人やご家族から、施設に対して書類開示を求めることも可能です。

ただ、ご家族は、どのような書類が介護事故において重要なのかわからない場合が多いですので、どのような場面で、どのような書類を作成し保管しているのか熟知した弁護士を通じて請求を行うことが望ましいといえます。

また、それまでの施設側の対応から、証拠の改ざんや隠滅などのおそれがあると考えられる場合には、その時点での証拠を保全するため、裁判所に証拠保全(民事訴訟法234条)という手続の申立てをすることもあり得ます。

責任追及の可否の検討

証拠書類を確保したら、それをもとに、施設側の責任を追及できるか否かを慎重に検討します。 責任追及をする前提として、施設側に安全配慮義務違反があるか否か、過失があるか否か、という点が極めて重要ですが、この判断には法的な知識や経験が不可欠ですので、専門家である弁護士の意見を聞く必要があります。

施設側との交渉(示談交渉)

責任追及が可能であるとの見通しであれば、施設側との交渉(示談交渉)を進めます。 いきなり裁判をするのではなく、まずは交渉を通じて、話合いでの解決を図ることが一般的です。経験上、この時点で、施設側にも弁護士が介入することが多く、弁護士同士の交渉で、事件が進展していきます。

訴訟等

示談交渉で折り合いがつかない場合には、訴訟提起に進むことが一般的です。そのほかにも、裁判所を通じた話合いの場として、調停手続を選択することもあり得ます。

介護事故を弁護士に「依頼」するメリット・デメリット

介護事故を弁護士に「依頼」するメリット・デメリット

ここでは、介護事故を弁護士に依頼するメリットとデメリットについて解説をしていきます。

まずは、メリットから見てきましょう。

介護事故を弁護士に「依頼」するメリット

依頼を受けた弁護士ができること、事件の流れを確認しましたが、
介護事故を弁護士に「依頼」するメリットは、どういったところにあるのでしょうか。依頼をするメリットは以下の3つです。

  • 専門的な見地からのアドバイスや見通しの説明
  • 適切な額の賠償金の獲得
  • ご本人やご家族の負担を軽減できること

それでは、それぞれを解説していきます。

専門的な見地からのアドバイスや見通しの説明

1つ目のメリットは、専門的な見地からのアドバイスや見通しの説明です。

よく、介護施設の中で怪我をしたのだから、施設に責任があって当然だとのお話を聞きますが、施設内での事故であったとしても、必ず施設に法的責任が認められるわけではありません(施設の法的責任に関する考え方は、別の記事で説明しています。)

そのため、施設に責任追及をすることが可能な事案かどうかを、見極める必要があるのです。

弁護士に依頼をすれば、事件の見通しについて説明を受けたうえで、その見通しを前提に、どのように事件を進めていくのかという提案やアドバイスを受けることが可能です。

適切な額の賠償金の獲得

2つ目のメリットは、適切な額の賠償金の獲得です。

たとえば、ご家族が施設側との交渉で一定の賠償金の提示を受けておられるケースもあります。

ただ、ご家族が受けている提示は、訴訟などをした場合に認容されるであろう金額と比較して低額にとどまっていることがほとんどです。

弁護士が介入することで、賠償実務上相当とされる金額まで提示額を引き上げる可能性が高まります。

また、施設側が提示できていない損害などについても、こちらから積極的に主張・立証をすることで、検討の対象にしてもらうことも可能です。

本人やご家族の負担を軽減できること

3つ目のメリットは、ご本人やご家族の負担を軽減できることです。

ご家族が介護事故で怪我をしたという状況は、ただでさえ精神的に負担の大きい状況でしょう。その中で、施設との話合いなどを進めることは、困難です。

また、施設側からの説明が適切なものなのかどうかを見極めることも難しいでしょう。

そのため、弁護士に依頼して、窓口を弁護士とすることで、直接の交渉による負担を軽減することができるのです。

介護事故を弁護士に「依頼」するデメリット

では、弁護士に依頼するデメリットもあるのでしょうか。場合によっては、次の2点がデメリットと言えるかもしれません。

  • 費用がかかる
  • 心理的な抵抗

それではそれぞれ見ていきましょう。

費用がかかる

まずは、費用がかかる点です。交渉や、訴訟などの裁判手続を依頼する場合には、やはり、それなりの弁護士費用が必要です。

事案によっては、施設側の責任追及が難しく、費用倒れとなってしまうこともあり得るでしょうから、費用がかかることはデメリットといえるでしょう。

心理的な抵抗

次に、弁護士に依頼することを「徹底抗戦」のように捉えており、トラブルが深刻に、大きくなってしまうのではないかと懸念を抱く人もいるでしょう。

では、実際に、弁護士に依頼することへの心理的抵抗は、デメリットといえるのでしょうか。

確かに、弁護士と聞いて、「裁判」をイメージする人は多いでしょう。しかし、実際には、弁護士は、相手方と常に「徹底抗戦」しているわけではありません。依頼者と相手方の主張を調整して、可能な限り、円満な解決策を探ることも弁護士の重要な役割なのです。

特に、介護事故の分野では、それまでの利用者側と施設側との関係性を尊重することが求められますので、「弁護士に依頼すること」=「トラブルが深刻になる、大きくなる」というわけでは、ありません。

もちろん、不誠実な対応を続ける施設に対しては、権利の実現を目指して徹底抗戦するべきですが、弁護士を介入させることで、むしろ柔軟な対応につながったというケースも多く存在します。その意味で、弁護士への依頼に対して、心理的な抵抗を感じるとしても、そのこと自体はデメリットではありません。

介護事故を相談・依頼する弁護士はどうやって選べばいい?

これまで、介護事故については、弁護士に相談・依頼することが重要であると説明してきましたが、実際に相談・依頼する弁護士はどのようにして決めればよいのでしょうか。

介護事故を相談依頼する弁護士はどうやって選べばいい?

 

介護事故について専門的な知見を有しているかどうか

まずは、介護事故について詳しく、専門的な知識・経験を有しているかどうかです。

介護事故という分野は、弁護士の取り扱い分野の中でも、比較的専門性が高い分野であり、介護分野の事件を取り扱った経験のない(または、少ない)弁護士もいらっしゃるでしょう。

また、施設側への責任追及が可能かどうか判断するためにも、介護現場での実務や行動を把握していることが必要とされます。

このように、介護事故について専門的な知見を有する弁護士に相談・依頼することが重要です。

介護事故事案についての業務内容と費用を明確に示しているか

次に、弁護士との契約の内容を明確に説明してくれるか否かも重要です。

せっかく、弁護士に依頼をしても、その弁護士と報酬のことで揉めてしまっては、元も子もありません。

たとえば、弁護士にお願いする内容は、施設側との交渉だけにとどまるのか、訴訟までも含むのか、訴訟の場合には追加の費用がかかるのか、弁護士が裁判に出廷する場合に日当は必要なのか等の条件を、わかりやすく、明朗に説明してくれる弁護士に頼むべきでしょう。

弁護士が疑問点にきちんと回答してくれるか

私の経験上、介護事故に巻き込まれてしまうことも、弁護士に依頼をすることも初めてという方が大半です。

これからどうなって行くのだろうか、解決までにどれくらいの時間や費用がかかるのだろうか、施設の言い分は正しいのだろうか等、たくさんの疑問が湧いているでしょう。

ぜひ、こういった疑問を弁護士に伝えてみてください。
前提の情報が不足して、暫定的な回答しかできない場合もありますが、真摯にあなたの疑問に答えようとしてくれるかどうか確認してみてください。

また、弁護士への相談や・依頼も、人間同士の関わりですので、弁護士との「相性」も重要です。真摯に回答してくれているとは感じられても、相性が合わないのであれば、別の弁護士と会ってみることも大切だと思います。

セカンドオピニオンの重要性

近年、お医者さんの診断については、広くセカンドオピニオンが重要であるとの考え方が広まっているようです。

弁護士についても同様で、同じ専門家であっても、事件についての判断や解決方針が異なることもあり得ます。

ある弁護士に「依頼」している状況であっても、別の弁護士に「相談」することは可能ですので、気になることがあれば、セカンドオピニオンを検討してみてください。

介護事故の相談窓口を法律事務所に依頼したときの解決までの流れと料金プラン

ここでは、当法律事務所の弁護プランと費用を解説します。

  • 法律事務所に相談するメリット
  • 弁護士費用
  • 解決までの流れ

それでは、1つずつ解説します。

法律事務所に相談するメリット

当法律事務所に相談するメリットは、以下のとおりです。

  • 介護に関する幅広い問題に対応可能
  • 迅速な対応が可能
  • 賠償実務の経験豊富な弁護士による対応が可能
  • 平和的解決を目指す
  • 顧問契約も可能

詳しくは、以下をご覧ください。

弁護士費用

当法律事務所の弁護士費用(相談料)は、以下のとおりです。

電話相談無料
来所相談1万円(税込1万1000円)/1時間以内
出張相談2万円(税込2万2000円)/1時間以内+交通費(遠方の場合は日当も)

詳しくは、以下をご覧ください。

関連記事:弁護士費用

解決までの流れ

当法律事務所に相談してから解決するまでの流れは、以下のとおりです。

  1. 電話相談
  2. 来所相談
  3. 依頼
  4. 交渉
  5. 訴訟
  6. 和解・判決

詳しくは、下記のページをご覧ください。

関連記事:解決までの流れ

まとめ

今回は、介護事故の相談窓口と当法律事務所による解決の流れについて解説しました。

介護事故の相談窓口には、弁護士以外にも施設内での相談窓口や自治体の相談窓口などがあります。ただ、これらの窓口では一般的な話しかできない可能性が高いことには留意しなければなりません。

そのため、介護事故の解決に難航したら、当法律事務所に相談してください。介護事故に詳しい専門弁護士が、介護事故を迅速に解決するサポートをいたします。

最後までお読みいただきありがとうございました。ご不明な点があるときやもっと詳しく知りたいときは、下にあるLINEの友達追加ボタンを押していただき、メッセージをお送りください。弁護士が無料でご相談をお受けします。

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この記事を監修したのは

弁護士 南 佳祐
弁護士南 佳祐
大阪弁護士会 所属
経歴
京都大学法学部 卒業
京都大学法科大学院 卒業
大阪市内の総合法律事務所 勤務
春田法律事務所 入所

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